それが一つの音楽ならば、音符の一つ一つを見る時間。楽譜から引き剥がされた五線譜。休符。記号。バラバラになったパーツたちが本来何を奏でているのか、音色を予測する。聞き覚えのある旋律を仮定する。
風吹く街角を歩く。記憶をつなぎとめるのは、文字かあるいは残像か。
見慣れた街並みは時間とともに姿を変えていく。新しくなった景色の中を再び歩く愉しさを噛みしめている。
2024.5.27 いかに自分を信じられるか。自分の感覚を信じられるか。 信用、信頼ではなく信仰できるか。 無性に本が読みたくなって、amazonで発注しちゃいました。 自分の感覚を信仰すると定めた矢先に他者の声を聞こうとしていますが、 このことを自分でジャッジするのもやめます。
むかし昔に、書いた詩が今でもスキされると、歯がゆい感じ…いい意味で!(笑) #むかしむかし #昔話 #詩 #詩集 !?
川の流れる音に耳を傾ける。日々の小さな欠片のような出来事を、一つずつ、地面に貝殻を並べるみたいに、心の中にならべてゆくと、吹き抜ける風がそれを優しく撫でるように通り過ぎてゆく。 そのうち、季節が巡って日差しが白くなる頃に、また、波打ち際でも眺めに行こうかと思う。
儚いもの、まだそこにあるもの、これから連なってゆくもの、普段は問われることのない話。 限りある時間の中で、在る分だけをできる分だけ積み重ねていく。掬っては掌からサラサラとこぼれ落ちる砂を、なくしてゼロに戻しては掬い取る。形には残らないけれど確かにそこに在ったもので、作られている。
凪いだ日。傾斜のある見慣れた坂道をひとり淡々とゆく。香りと煙で身を清め、道標を灯す。来し方と行く末を糸のように交わらせて編み上げられた、「今」という不確かな場所に佇み、しばし目を伏せる。赤く咲く花。淡く咲く花。移ろいゆく季節の中でやがて風に乗り、小舟のような花弁を川面に浮かべる。
今週から来週にかけて崩れるらしいよ、と世間話で天気を語るのと同じ顔して、来年の今頃の曇ゆきを話す。か細くなってゆく長い道行き。失われつつある余白。諦めの途中でふと呟く。「変わった音がするな」。同じ音を去年の今頃、瞳の中に水平線を浮かべながら雨の音かと尋ねた。遠くなりつつある記憶。