娘「この雨の匂いはすきだから、自転車じゃなくて歩いて行ってもいい」 よく晴れた日の後に、舞い上がった埃を洗い流すようにバタバタと降り、アスファルトを濡らす雨。雨雲が空を覆うのに、なんだか黄色っぽい光が建物に当たっている。そういう雨の日の匂いに娘が反応するのを、少し嬉しくも思う。
「おかあさんはハートなの。うまくいえないんだけどね」 『たのしい』をみつけるのが得意なきみが、 ハートをつくってわらうから、 わたしは今日もハナウタまじりにあるいてゆける。 ようこそここへ、ちいさなひと。 生まれてくれてありがとう。 これからもよろしく。