マガジンのカバー画像

本紹介

67
運営しているクリエイター

記事一覧

秋の夜長にオススメ、大正ミステリー【#読書感想文】

秋の夜長にオススメ、大正ミステリー【#読書感想文】

これから涼しくなるであろう秋の夜長に、ぜひ読んでいただきたい作品と出会ったので紹介します!

永嶋恵美・著『檜垣澤家の炎上』です。

時代は、大正。物語の舞台は横濱である。

主人公・かな子は、幼くして母を亡くし、横濱の貿易商で大富豪の檜垣澤家に引き取られた。
亡き母は、当主・要吉の妾だったのである。

檜垣澤家では要吉の本妻・スヱが、経営手腕を発揮し、"大奥様"と恐れられ一族に君臨していた。

もっとみる
ブログに悩んでいる人に贈りたい【#うちの積読を紹介する】

ブログに悩んでいる人に贈りたい【#うちの積読を紹介する】

1冊読み終わった勢いで、このnoteを書いている。
文章で注目されたいとか、もっとリアクションが欲しいとか、書くことに悩んでいるあなたに、この本をぜひ読んでほしい!

 朱野帰子・著『会社を綴る人』

実はこの本、ずっと積読になっていたんです。

ホントは、あらすじの「『文章を書くこと』で社内で起こる小さな事件を解決していく」ってところにひかれて購入したんですけど。
いざ読みはじめると、主人公のポ

もっとみる
人間が怖い【#本紹介】

人間が怖い【#本紹介】

時々無性に、怖い本を読んでみたくなることがある。
怖いもの見たさというか。
たまたま書店で手に取ってパラパラめくると、続きが気になってしょうがない作品があった。

櫛木理宇・著『執着者』である。

著者の作品はたくさんあるのに、私にとってはじめましての作家さんである。

怖さ、というのはいろんな種類があると思う。
超常現象といった得体の知れない怖さかも知れないし、動物や虫に襲われるのも怖い。

もっとみる
バカ売れしている間取り図ミステリーを読んでみた【#読書感想文】

バカ売れしている間取り図ミステリーを読んでみた【#読書感想文】

私は読書好きだが、あまのじゃくなので、ベストセラー作品とか、○○賞受賞なんて作品は、あまり手に取らない。

だが今回、縁あって、2023年一番読まれた小説、
雨穴・著『変な家』を読んでみた。

YouTubeの動画がきっかけで、書籍、マンガ化、映画化と、売れに売れている作品だ。

知人が購入を検討している一軒家には、不可解な点が多すぎる。
二重扉、窓のない子ども部屋…。
相談を受けたオカルト専門の

もっとみる
介護は孤独だと感じているあなたに【#ミステリー小説が好き】

介護は孤独だと感じているあなたに【#ミステリー小説が好き】

「昔と雰囲気、変わったね~」
久々に再会したかつての同僚に、こう言われた。

彼女と知り合った頃、私は母がもう治らない病気だと知った。彼女が県外に嫁ぐことになって職場を去った時には、私は介護や病院通いに明け暮れていた。

その後、メールや年賀状のやりとりが細々続き、母が亡くなったことを知ると、「遅れてごめんね」と丁寧に書き添えた香典を送ってくれた。
ありがたい友である。

コロナ禍がようやくおさま

もっとみる
もう"いい人"はやめる【#推薦図書】

もう"いい人"はやめる【#推薦図書】

「私、反対したのに。心の中で」

会議終了後、同僚がそうぼやいた。
どうやらミーティングで通った新ルールに、納得いかなかったようである。

彼女とは付き合いも長く、職場の中でも親しいと言えるだろう。
だが言いたいことがあるのにハッキリ言えない態度に、私は思わずムカっとして、
「心の中で言ったって伝わらない!」
言い返した。

私は女性ばかりの職場に勤務している。
チームには50名以上在籍しており、

もっとみる
"ゴッドハンド"に出会ってしまったかも知れない【#わたしの本棚】

"ゴッドハンド"に出会ってしまったかも知れない【#わたしの本棚】

最近、地味に腕が痛い。
腕というか、肘というか。

特段、ケガをしたワケではない。
ドアノブをひねる、バッグからスマホを取り出す、といったとっさの動きで「イタタタタ」となってしまう。
ある日突然、こんな風になってしまった。

どうやら、こういった症状を世間では、テニス肘というらしい。
ぐぬぬ。
テニスなんて、やったことないのに。

文字を入力することも億劫になってしまって、自然とnoteから離れて

もっとみる
"どんでん返し"が好きなあなたに【#ミステリー小説が好き】

"どんでん返し"が好きなあなたに【#ミステリー小説が好き】

人に本をオススメするのが好きな私。
ある時、
「どんでん返しの話が好きなのねー」
と言われた。

確かに。ミステリー小説、好きだもんなー。

最近遅ればせながら、
相沢沙呼・著『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』
を読んだ。

表紙は、蠱惑的な眼差しを向ける美少女が印象的。
書店で気になった方もいるかも知れない。

あるいは2022年、清原果耶さん主演でドラマ化されて話題になったので、そちらでご存

もっとみる
源氏物語も大河ドラマも長いから【#本紹介】

源氏物語も大河ドラマも長いから【#本紹介】

2024年、今年の大河ドラマの主人公は、紫式部だという。

…平安時代かぁ。
今までと違って、戦国時代とか幕末が舞台ではないので「NHK、攻めるなぁ~」というのが、正直な感想。
まだ始まったばかりなので、視聴しようかどうか迷っている。

紫式部といえば『源氏物語』。
子どもの頃は、その良さがあまりわからなかった。

源氏物語との出会いは、学生の頃に教科書と共に配布された国語便覧だったように思う。

もっとみる
空の入り口で本を買う【#散歩日記】

空の入り口で本を買う【#散歩日記】

多分、疲れていたのだ、心から。
一向に減らない仕事、グチばかりの同僚たち。
なんだかすべてがうんざりで、何もかもうまくいかない気がした。

こんな日は、気分転換するに限る。
お散歩気分で、空港に出向くことにした。

私が住む博多の街は、最寄りの福岡空港までおよそ10分。あっという間の距離である。
別に旅に出なくても、ぷらっと空港散策が楽しめるのだ。

空港のデッキに出て、飛行機が飛び立つのを眺める

もっとみる
本が売れない時代に、バカ売れしている文庫本を読んでみた【#ミステリー小説が好き】

本が売れない時代に、バカ売れしている文庫本を読んでみた【#ミステリー小説が好き】

本が売れない時代である。
売上は、今や紙の書籍より電子書籍の方が上だという。

それにも関わらず、今、増刷を重ねている紙の書籍があるらしい。
SNSで話題となり、テレビにも取り上げられた、

杉井光・著『世界でいちばん透きとおった物語』

透明感のある表紙が、なんとも印象的だ。

どこの書店でも平積みされているから、見かけた方も多いかも知れない。
正直「若者向けかなぁ」と思って、手に取るのを躊躇し

もっとみる
母性低め女が、妊娠出産エッセイを読んだら【#推薦図書】

母性低め女が、妊娠出産エッセイを読んだら【#推薦図書】

子を産むことに対して、考え方は人それぞれだ。

女として産まれたからには、子どもが欲しいと願う人。
残念ながら恵まれなかった人。

私の周囲でも、いざ授かっても、自分の子どもを愛せなくて苦しんでいる人を知っているし、妊婦さんを"妊婦様"と呼んで、攻撃的に忌み嫌う人も知っている。

私は自分の中に母性をカケラも見いだせず、子どもを持たない人生を送ろうと決めた女、である。

かつて一瞬だけ「子どもをも

もっとみる
作者が「いいもん書けたぞー」って叫んでいたから読んでみた【#読書感想文】

作者が「いいもん書けたぞー」って叫んでいたから読んでみた【#読書感想文】

読み終わった後、いきおいでこのnoteを書いている。
うぉぉ、いい本読んだなー。
そんな余韻に浸っている。

読んでる最中からずっと、幸せな気持ちになる読書だった。

額賀澪・著『風に恋う』

そもそもこの本との出会いは、著者の額賀さんが売れる方法を探し求めて、いろんな方に取材していく過程を綴った、
『拝啓、本が売れません』

だった。

本を作る人、売る人、宣伝する人などなどに取材で学んだ、売れ

もっとみる
100巻越えを効率よく【#連休に読みたいマンガ】

100巻越えを効率よく【#連休に読みたいマンガ】

休みの日、出かけるのもいいけれど、このGWは家でのんびり過ごしている。

で、今回の休みのお供は、青山剛昌・著『名探偵コナンvs黒ずくめの男達PART4』

名探偵コナン。
言わずと知れた、国民的探偵さん。
高校生探偵・工藤新一が、悪い奴らに飲まされた薬が原因で小さくなって、江戸川コナンと名乗って小学生として活躍する推理マンガでおなじみだ。

アニメも好評で
「最新作の劇場版、観てきたよ」
という

もっとみる