fullhouse
どうして今、この物語なんだろう。 noteの読書感想文企画、#読書の秋2022の推薦図書に、横山秀夫・著『クライマーズ・ハイ』 が含まれていることを知って、率直にそう思った。 20年近く前に刊行された当初、本屋大賞でベストテン入りし、後に映像化もされた人気作。 あまりに有名になりすぎて、これまで手に取るきっかけを失っていた。 名作とは聞くが、ハッキリ言って「何で今さら?」。 読み始めるまで、そんな思いが拭えなかった。 物語は日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落した、198
私が住む街・福岡は、読書にまつわるイベントが秋に開催されると、ひとつ前のnoteで書いた。 繁華街である天神や博多からほど近い場所に、けやき通りという地域がある。 落ち着いた雰囲気で、おしゃれな店が多く、その名の通り、街路樹が植えられて緑が多い通りである。 何て言うのかな、地元民の私から見て、高級感漂うスポット。 お散歩するのが、とってもワクワクするステキポイントなのだ。 その"けやき通り"で、福岡の本のイベント、BOOKOKAの一環として、『のきさき古本市inけやき通
いつからだろう。 私にとって、書店が窮屈に感じる場所になったのは。 私の住む街で書店が減っていくという話は、ここnote でも何度も書いてきた。 その度に、悲しい気持ちになったり、どの書店も売れ筋の同じような本ばかり置いてるなぁと、ため息をついている。 しかし、今は読書の秋。 私が住む街・福岡では、毎年出版社や書店、本好きな方々が開催するブックオカというイベントが開催される! 今年で19年目となるこのイベントは、古本市や各書店の激オシ本フェアや、トークショーも開催さ
「社内のマネジメントに携わってほしいんですよね」 半年前のこと。 ある日突然、派遣会社に呼ばれてそう依頼された。 マネジメントって、どゆこと? ていうのが、一番はじめの感想。 派遣社員の私がお勤めする職場は、事務専門の業務を行い、女性ばかりが在籍する会社である。 社歴は長いものの、うっかり者の私は、いつも後輩にフォローしてもらうポンコツだ。 後輩たちに「これって…」とおそるおそる指摘されて、「あー、ごめんごめん」と手助けしてもらうことが多い。 正直「この人、ホントしょう
これから涼しくなるであろう秋の夜長に、ぜひ読んでいただきたい作品と出会ったので紹介します! 永嶋恵美・著『檜垣澤家の炎上』です。 時代は、大正。物語の舞台は横濱である。 主人公・かな子は、幼くして母を亡くし、横濱の貿易商で大富豪の檜垣澤家に引き取られた。 亡き母は、当主・要吉の妾だったのである。 檜垣澤家では要吉の本妻・スヱが、経営手腕を発揮し、"大奥様"と恐れられ一族に君臨していた。 そう言われる檜垣澤家は、腹の底が見えないスヱやスヱの娘・花、花の娘で、かな子のこ
「たくさんありますけど、どれにします?」 書店のレジで店員さんに聞かれて、私は思わずポカンとしてしまいました。 先日、佐賀に遊びに行った時の話。 九州の玄関、博多から1時間圏内で行ける佐賀は、美味しいイカや、温泉、焼き物で有名な場所があるスポットです。 めったに来ない場所に来たなら、書店で御書印をもらわなきゃ!と、その日も御書印帖を持参して行きました。 御書印の話は、noteで何度かご紹介してきました。 あちこち書店を訪ねる内に、御書印をもらう過程にだんだん慣れてきま
よく足を運ぶ書店がある。 地下鉄を降りた改札口付近にある書店で、会社帰りや遊びに出かけたついでに、ついつい立ち寄ってしまう、大事なスポットだった。 その書店は、福岡天神にある積文館書店 天神地下街店。 地元の老舗書店である。 売り場面積は広くない。 でも店舗が地下街にあるから、濡れずに店に入れて、人との待ち合わせの時間つぶしや、急いでいる時にお目当ての書籍を手に入れたり、今の気分にうってつけの本を探しにぶらつくなんてこともあって、大変重宝していた。 何を隠そう若かりし頃、
なんか、顔が腫れてる。 と、唐突に気づいたのは、いつのことだったか。 とにかく頬骨の辺りが、腫れて熱をもっていた。 はじめは、虫にでも刺されたのだろうと思った。 患部は、かゆく発熱している。 時に、ちりちりするような痛みを伴っていた。 氷で冷やすと腫れは治まる。 だが、そんな日々が4、5日続くと、これはいよいよ虫刺されじゃないんだなと感じてきた。 だって、親知らず抜いた後より腫れが続いているし。 なんだろ、なんだろと最近起こった出来事を考えていて、ようやく気づいた。
1泊2日の弾丸で、東京に遊びに行ってきました。 普段は博多に住んでいる私。久々の東京です。 今回の旅の目的は観劇だったのだけど、他に楽しみにしていることがありました。 それは、書店に御書印をもらいに行くこと。 御書印帖については、以前、noteにも書いたことがあるのだけれど。 私の住んでいる博多だと、御書印帖企画に参加している書店さんは、まだまだ少ない。 だから東京に行くなら、絶対御書印帖は必須!と思ってカバンに入れてきました。 今回まず伺ったのは、丸善 丸の内本店
1冊読み終わった勢いで、このnoteを書いている。 文章で注目されたいとか、もっとリアクションが欲しいとか、書くことに悩んでいるあなたに、この本をぜひ読んでほしい! 朱野帰子・著『会社を綴る人』 実はこの本、ずっと積読になっていたんです。 ホントは、あらすじの「『文章を書くこと』で社内で起こる小さな事件を解決していく」ってところにひかれて購入したんですけど。 いざ読みはじめると、主人公のポンコツぶりがツラ過ぎて…。 いや、ひどくないですか? うちの職場にいたら、イラ
前回の投稿で、書けなくなっちゃった、なんて書いていた私。 そんなタイミングで、noter仲間の辻村いちさん から、お誘いを受けて、福岡で開催されているZINEの即売会に行って来ました。 辻村さんご自身の作品も出品しておられるとのこと。 新作が読める!とウキウキしながら当日を迎えました。 実は私、そもそもZINEって、なぁに? って、ずっと思っていたんです。 同人誌やミニコミ誌とはどうちがうの?って。 いろいろ調べてみたけど、明確な違いはないみたい。 ただZINEの由
書けなくなっちゃったって、何を隠そう私のことである。 書くのがイヤになったワケではない。 でも、仕事忙しいな。とか、 疲れちゃったな、って、なんとなく億劫になってしまっていた。 私ひとり、noteから離れても全然問題ないと思う。 かつて毎日のように投稿していた、あの方もこの方も、いつの間にかお見かけしない、なんてこともあるし。 でもnoteで繋がったご縁を大事にしていきたい。 やっぱりさみしい。 これまでいろんな方の投稿で刺激を受けたり、ステキな本に出会うことがたくさ
時々無性に、怖い本を読んでみたくなることがある。 怖いもの見たさというか。 たまたま書店で手に取ってパラパラめくると、続きが気になってしょうがない作品があった。 櫛木理宇・著『執着者』である。 著者の作品はたくさんあるのに、私にとってはじめましての作家さんである。 怖さ、というのはいろんな種類があると思う。 超常現象といった得体の知れない怖さかも知れないし、動物や虫に襲われるのも怖い。 でもこの本の怖さはズバリ、人間が怖い。 付きまとわれ、追い込まれる焦燥感を、じわじ
私は読書好きだが、あまのじゃくなので、ベストセラー作品とか、○○賞受賞なんて作品は、あまり手に取らない。 だが今回、縁あって、2023年一番読まれた小説、 雨穴・著『変な家』を読んでみた。 YouTubeの動画がきっかけで、書籍、マンガ化、映画化と、売れに売れている作品だ。 知人が購入を検討している一軒家には、不可解な点が多すぎる。 二重扉、窓のない子ども部屋…。 相談を受けたオカルト専門のフリーライターと設計士が、間取り図から読み解く不動産ミステリーである。 読む前
「昔と雰囲気、変わったね~」 久々に再会したかつての同僚に、こう言われた。 彼女と知り合った頃、私は母がもう治らない病気だと知った。彼女が県外に嫁ぐことになって職場を去った時には、私は介護や病院通いに明け暮れていた。 その後、メールや年賀状のやりとりが細々続き、母が亡くなったことを知ると、「遅れてごめんね」と丁寧に書き添えた香典を送ってくれた。 ありがたい友である。 コロナ禍がようやくおさまり、数年ぶりに会った友は、 「昔は、ちょっとピリピリというか、張りつめたカンジが
書店が街からどんどんなくなる憂いを、これまでnote上で何度も投稿してきた。 本好きとして何ができるか、ずっと考え続けている。 まずは、欲しい本は街の書店で手に入れること。 何はともあれ書店に足を運ばないとっと思っている。 数年前、書店のスタンプラリー『御書印帖』なる企画があることを知った。 御書印参加書店を巡って、御朱印ならぬ御書印、つまり各書店さんのスタンプをもらうという。 (注:有料です) この企画を知った当時、「おおっ」と思ったものだが、その時は残念ながら私