お題

#わたしの本棚

あなたの本棚はどんな本棚ですか? 並んでいる本のラインナップ、何度引っ越しても手放せない1冊、並べ方や棚へのこだわり、積読になってしまっている本たち……。みなさんの本棚のことを教えてください!

人気の記事一覧

いわた書店の「一万円選書」で本を選んで貰った

北海道の砂川市にある書店、いわた書店をご存じでしょうか? 昔ながらの、いわゆる町の本屋さん。 しかし、この書店には知る人ぞ知る「あるもの」があります。 それが「一万円選書」です。 言葉の通り、一万円の予算で、その人に向いていそうな本を選んでくれる、というサービスです。 テレビで取り上げられるなど、密かに人気のサービスで、私が一万円選書を知った時は完全抽選制。申し込んで4回目の抽選となる今月、12月に当選することができましたので、その詳しい記録を紹介します。 当選から、本

正しいお正月の過ごし方、かもしれない

年末年始は実家に少し長めの帰省中のため、ついに私のnote史上初のアレをやるチャンスだと思いたち、実家のリビングからぽちぽちやってみている。 そう、わたし今スマホからnoteを更新しています!もちろんフリック入力のスキルはぜんぜん身についていないので、いつか一足先にフリック入力をマスターしたという妹に「おばさんみたいな入力www」と笑われた人差し指ぽちぽち方式で。もう今世ではフリック入力は諦めました。来世でもしも深津絵里さんに生まれ変わったらフリック入力のスキルも身に付けた

サンタの服が赤いのは

記事「歳時記を旅する57〔生誕樹〕中*踵なき紙の長靴クリスマス」で取り上げた絵本はこちら。 表紙には、三角形の紙のオーナメントが描かれています。記事ではこれが句のような長靴や靴下を模したものと書きましたが、実際にそうなのかはわかりません。  裏表紙には、暖炉の前に吊られた靴下の絵が描かれています。 絵本の詩の原作は、1822年のクレメント・クラーク・ムーアの作とされる「Account of Visit from St.Nicholas (聖ニコラス来訪の物語)」で、現在は

僕の好きな現代の日本人画家

※この記事は約4分で読めます。 現代アートと聞いてどんなイメージを持ちますか? いわゆる抽象画だと思います。 ピカソの絵が更に遠くへ行き、もはや何を表しているのかも不明な抽象的な表現。 一応絵ではあるけど政治的なメッセージを込め過ぎて、ちょっと引くような尖った表現。 そんなわかる人にしか分からない、「本当はみんな分かったフリしてるだけなんじゃね」と思ってしまうような現代アートですが、実はそんな事無いんです。 ちゃんと西洋の古典絵画や日本画からの流れを今に受け継ぐ画家も沢山

死ぬまで生きねばならないと、だれにも教われなかった。「あめりかむら」石田千

「あめりかむら」石田千 私が2024年の最後に読んだ1冊。 表題作を読み終わったそのとき私は、 2024年の最後に読んだ本がこれでよかったと、静かにそう思った。 裏表紙のあらすじは 「あめりかむら」の主人公みっちゃんは、 大学生活や就職活動の時期に勉強会で出会った 戸田くんに対して嫌悪感や冷めた気持ちがあった。 社会人になってからも関わりは続くものの、 みっちゃんは病に冒され、戸田くんにだけでなく 人そのものに対して冷めてゆき距離を置く。 そんななかで届いた戸田くんの訃

本を作ったら、食べることと書くことがもっと好きになった|文学フリマ京都9頒布物に寄せて+当日のご案内

『食い意地が張っていて活字が好きなので、おいしい食べ物が出てくる本を読むと両方の欲を満たせて大変お得な気分になる。』 これはnoteを始めて2か月目に書いたとある記事の書き出しで、「こんなの書いたよ」と夫に見せたら「浮世さんの本質じゃん」と笑われ、じゃあ自己紹介代わりにしてやろうと昨年の前半ごろまでは、その記事をアカウントのトップに固定していたのだった。 書いてから時間が経ち、さすがに自分の文章も少し変わってきたので、気恥ずかしいなと思って固定記事は別のものに変えてしまっ

鑑賞*前掛の紐まで濡らし年の暮            

辻前玲子 台所で前掛をして洗い物をする。 洗濯機が止まって洗濯物を干す。 思い立って暗くなる前に買い物に出掛ける。 帰って手を洗い、夕飯の支度に野菜を刻み始める。 正月料理の買い忘れを思い出す。 あ、洗濯物が干したまま!  (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年七月号「私の好きな一句」)

向田邦子 原作 『家族熱』

「どうして」ではなく「どして」 「どうしたの」は「どしたの」 「そう言ってください」は「そ言ってください」 「う」が抜けている話し言葉が書かれていて 読みながら、話し声を聞いているような気分になる 年末年始のお休みに読む用に準備していた本の中の一冊 まあまあ厚いからお休みの間に全部読みきれないかもって思ったけど そのテンポの良い会話、どんどんおこる家族の悲喜こもごも あんまりにも次から次へと続くのでコントみたいな気もしてきて 目はもう眠りたいですって懇願しているのに

掲載*短日の一部屋灯る保育園

岡田 耕 掲載誌:『俳句年鑑』2025年版 KADOKAWA ☆2024年の冬至は12月21日。一日の日照時間が一年で最も短くなる日です。 ☆以下にご紹介する保育士さん ジマ さんの記事の中の「わたしは保護者の方とワンチームで、育児に参加させてもらう気持ちで保育をしています!」というコメントに同感です。 (岡田  耕) 【スキ御礼】掲載*一炊の夢と崩れて霜柱

本が読めるくらいの心のゆとりを。

今年は、去年よりも小説を読めた。 映画、音楽、ゲーム、ドラマ、動画・・ 見放題・読み放題のビュッフェみたいな 魅力的な選択肢。 途中でお腹いっぱいになることなく 小説にたどり着くまでには 様々な誘惑が待ち受けています。 あらゆる映える料理の中から あえて、ひじき煮を選ぶ。 プロが作る 「ひじき煮」が食べたい時がある。 小説が、ひじき煮かはさておき。 読んだ本は読書リストに書いているけれど パッと浮かんできたタイトルです。 ・流浪の月 ・世界でいちばん透きとおっ

歳時記を旅する58〔寒〕前*豆腐屋の湯気とめどなき寒の内

土生 重次  (昭和五十八年作、『扉』)  京都の嵯峨豆腐「森嘉」は安政年間から続く豆腐店。五代目森井源一は、一九六七年、十八歳で家の仕事に就いた。当時父がこだわっていた薪で炊く地釜についての苦労を語る。 「とにかく、地釜は、直火で焚くので炎の調整が難しいんです。お湯を沸かしたあと、沸いたお湯の中にすりつぶした大豆の呉を入れて、それを焦げ付かせないように炊き上げるわけです。それが生炊けになってしまってはダメだし、ちょっとでも炊きすぎたら焦げてしまうし、かなりシビアな作業なん

私の文章から、いい音が鳴りますように。|『いい音がする文章』を読んで

高橋久美子さんの『いい音がする文章』を読んだ。 『いい音がする文章』は、文章術の本ではない。 決め事をレクチャーする本ではないのだ。 それでも私は、この本を手に取った。 だって、最初にこんなことが書いてあるんだもの。 期待せずにいられない一文。特に、文章を音に例えるところに親近感を覚えてしまった。割と感覚的に文章を書く私と高橋さんとの間に、共通点が見いだせた気がした。思わず胸が高鳴る。この本はきっと面白い本だ。私のセンサーが知らせている。 実際、どんどん引き込まれてい

出会い、読む、そして届ける。本とともにすごす一年の振り返り。

今年の本は、今日で買いおさめ。 そう決めて、先週のある日、本屋さんに向かいました。 新刊が並ぶ一角には目を向けないようにして(目が合うと買ってしまうので)、いつもは立ち寄ることのない児童書のコーナーへとおもむきます。 今日買うのは、自分のためではなく、贈りものにするための本。 いろさんの記事がきっかけで、『ブックサンタ』の取り組みを知り、はじめて参加することにしたのです。 そして、今年もたくさんの本を買ってきたけれど、一年の最後に、自分のためではなく、誰かへ贈るための本を

これはあくまで料理酒です。

1年で50冊読むことを目標にしていたのだけれども。6月の時点で目標達成がかなり難しいことには気がついていたけれども。ここまでで27冊。50冊までは遠い。モームリ。しかし、6月のあの時点ではまさかこの後、京極堂シリーズの沼にはまるなんて想像していなかった未来だ。 それでは6月以降に読んだものの記録。スタート。 16 無名仮名人名簿(向田 邦子) 17 姑獲鳥の夏(京極 夏彦) 18 いつかたこぶねになる日(小津 夜景) 19 魍魎の匣(京極 夏彦) 20 星の王子さ

物語からのおくりもの〜「ぼくの美しい人だから」

こんにちは、ぷるるです。 気づいたら、冬になっちゃいましたね!秋と遊んだ記憶がないのに。 そんな先週末、私はぬくぬくと家で本棚を整理していました。 そうしたら、懐かしい本が出てきたんです。 みなさまのご想像通り、これは純度100%の恋愛小説です。 まずは簡単なあらすじをご紹介! ね、あらすじからもう濃いでしょ?でも仕方ないんです。 これは恋に「落ちちゃった」人の物語だから。 つまり、どっろどろ&ぐっつぐつの人間関係が繰り広げられるということ。 「美しい人って、誰です

掲載*一炊の夢と崩れて霜柱

岡田 耕 掲載図書:『現代俳句表現活用辞典』水庭 進 編  東京堂出版 2008年12月5日 三版発行 (岡田 耕) 【スキ御礼】掲載*立冬や波紋の外へ鯉逃げる

村上春樹の『ノルウェイの森』を久々に再読してみて / 『君』という呼び方

太字はこの物語の主人公「ワタナベ」。 彼には恋人のようなひとがいるが、そのひとは精神を病んで遠くの療養所に行ってしまった。 そんなワタナベ、大学で知り合った風変わりだけど魅力的な女の子  緑と仲良くなります。 緑のワガママが可愛い。。 山が崩れて、海が干上がるとは一大事です。 そこまでオーバーな表現をするワタナベ 「どれくらい好き?」これは男性にとっては、なかなか答えずらい質問かも。それにしてもワタナベ、いきなり「春の熊」とは… 小熊がなんと? 二人の会話は楽しい。直

歳時記を旅する58〔寒〕中*遠きものほど瞬きて寒の星

佐野  聰 (平成九年作、『春日』)  冬の宵の南の空に、どの星よりも明るい光を放つ青白い星が、おおいぬ座の口もとで輝くシリウス。その明るさは、マイナス1.5等星で、恒星の中では全天で一番明るく、距離は8.6光年で日本の緯度では最も近い星になる。     肉眼で見える太陽に最も近い星は、ケンタウルス座のα星。上半身が人間で、下半身が馬というケンタウルスの足にあたる星である。日本では初夏の宵の頃、真南の地平線上に、上半身が見えるだけにすぎない。距離は4.3光年で、シリウスの半分

すきな本、書店での出会い

すきな本って、出会ってよかった本って、その作品の内容だけじゃない、いろんな思い出が一緒になって記憶のなかに存在している。 わたしの本棚はあまり大きなものじゃないけれど、厳選した本たちを大切に並べている。この本たちを手に取ると、物語のなかの世界と、それを読んだときの自分のことを思い出すことができる。そして、本を手に取った書店の風景、出会ったときのことを思い出す。

¥100

読書日記(2024年12月)

読書日記の更新を始めてまる2年が経った。 読んだ本を書き留めたいな、というのはnoteを始める前から思っていて、(紙の)ノート、読書メーター、Twitterでの#読了タグ……などいろいろ試しては挫折してきたけれど、面倒くさがりの私には、こうして普段の投稿の地続きで記録していくのがよかったみたい。 今年も引き続き、お付き合いください。 さて頭のなかが文フリ一色の12月、読書はゆるーく行っていました。 浮遊霊ブラジル|津村 記久子 『わからない』に載っていた書評をきっかけに

憧れの本を書く暮らし📚『マイブックの使い方』

見た目は文庫本、中身は白紙! その名も… 新潮社の【マイブック!!】 なんと、自分の本が作れるという本なのです。 1日1ページ書いていくと1年後には一冊の本が出来上がる。ロマンチック! 文庫本サイズなので、本棚に紛れ込ませるのもよし、積読本と一緒に無造作にテーブルの上に置いておいても様になる。 あなたなら、どんな一冊にしますか? 読書記録? 献立日記? 絵日記? 勉強用? 無限に思いつく使い道…。 毎年気になってはいたのですが、コツコツ出来ないタイプの人間なので、こう

コンセントがデカい国に行くぞ

1/6-8(月・火・水) 曇りのち雨、曇り、晴れ 落とし物に敬語をつける人を初めて見た。 通勤路、ある家が軒先に「お落し物」と書かれた紙を掲示している。絶妙な位置に重石。文字は達筆。紙はA4だ。 家があるのは少し奥まった小路で、人通りが多いわけでもない。 家の前の落とし物を拾って、通行人が見えるように置いてくれる。親切な人だ、と思った。 最初は。 この家はやけに落とし物が多いのである。 相方によると、年末にもこの掲示があって、横に折り畳み傘が三本ほど並べられていたそうだ。手

発達障害を「つくり出す」大人たち──『「発達障害」と間違われる子どもたち』を読んで

私が働く調剤薬局は、いつも子どもたちであふれかえっています。 待合室にいる彼らを観察してみると、 ちょこんとお母さんの隣に座って、静かに説明を聞いている、6歳の子。 すぐタブレットを広げて、何やらパズルゲームに興じている、8歳の子。 人懐っこい性格なのか、私に「ねえねえ」と話しかけてくる、5歳の子。 そんな子が、大半を占めています。 でも中には少数ながら、「ん?」と思う子もいて。 薬局に入るやいなや、椅子の上に靴のまま登ってジャンプする、6歳の子。 待合室にある引き

のほほん 毎日読書♫

毎日夕方、必ずどこか外に出かけて少しの時間でも見つけて本を読む。 忘れたくない箇所をページのあちこちを押さえながらスマホ撮影、夜スケジュール帳の端に「これこれ」 ササッと書き留める。これが私の読書の、いつものいつも。 記憶力に難が有りの私をサポートしていたのだが、近頃少々まずい。 年を取ると仕事が雑になる。書き留める文字が いい加減過ぎるのだ。走り書きの域を遥かに越えて 「あ? ん? は? いや 待て…」 無かった事にする、もはや私の常套手段。かなり困ってる。 ★   矢

声に出して読みたくなる『いい音がする文章』。

ドラムのドンドンドンドンドンから始まる、チャットモンチーの『シャングリラ』は、「胸を張って歩けよ」「前を見て歩けよ」とポジティブなことが書かれているのに、「希望の光なんてなくたっていいじゃないか」と続く。 「希望の光なんてなくたっていいじゃないか」と歌われた瞬間、なぜか心が軽くなった。その理由が、高橋久美子さんの新刊『いい音がする文章』を読むとわかる。 そして、「シャングリラ」と自然に口ずさんでいたのは、「音」で聴いていたからだ。「シャングリラ」と声にだすのも心地よかった

「なんかやる気が出ない」と思ったときに読みたい本3選

「なんかやる気出ないな」と思う日、当然ありますよね? わたしはめちゃくちゃあります。やる気が出ないときのnoteの続け方はずーっと向き合ってきました(笑)こんな記事も書きました。 思い返してみれば、やる気が出ない。何も書く気になれない。 今日のnoteは、そんなときに、よく手に取っていたやる気が出てくる本を3冊ご紹介したいと思います。 アウトプット大全ちょうど副業を始めたてのころに出会った本。 インプット3:アウトプット7の法則を知り、学んだ知識を行動に移したり、そ

「読書とは、問いを獲得するための冒険だ」

以前どんな本が好きかという話を友人としていて、価値観の違いにおもしろさを感じたことがある。 友人は、豆知識や雑学がたくさん盛り込まれている漫画が好きだと言った。読むたびにひとつ賢くなれるからだと言う。 私は逆にアンラーンしたくて本を読むことが多い。アンラーンしたいのは、自由になりたいからだ。社会通念や既存の価値観を相対化して、自由な広い世界を見たい。 そんな考えがあったから、本屋で『百冊で耕す <自由に、なる>ための読書術』というタイトルを見た瞬間、惹きつけられた。この

ずっと本を並べていたい。〜本屋さんを開くなら〜

本から本へと、渡り歩いていく。 読書を長いあいだ続けるうちに、そんな経験を重ねてきました。 たとえば、堀江敏幸さんの「回送電車」の中におさめられている追悼文を読んだことがきっかけで、須賀敦子さんの作品を読むようになったこと。 恩田陸さんの「三月は深き紅の淵を」の第一話では、登場人物達が思い思いに読書を楽しむのですが、その中に出てくる"森茉莉"という作家の名前の美しさに心を惹かれて、「私の美の世界」を手に取った後、彼女の父である鷗外や、妹の小堀杏奴の作品にもふれたこと。 星

「おとなしやか」という言葉に出会ったので

なんだか私にはおしゃれ過ぎるような 本の雰囲気がそう言っている‥ような 数年前、そう思いつつも手に取って連れて帰ったのはどうしてなのだろう 連れて帰ってくるだなんて「本」を擬人化したりするのはどうしてなのだろう その方の書籍が本屋さんで 並んでいるのをみかけて 以前読んだ 「伝わるちから」         松浦弥太郎               小学館 の中で出会った 「おとなしやか」と言う言葉をふと思い出す 「おとなしやか」とは 落ち着いていて、おだやか

本の収納。

noteには、私よりも沢山たくさん、 本を読んで来られた方が多いです。 そこでみなさん、読了本や積読本って 今現在お家の中にどのくらいあるのでしょうか。 そして、無限増殖してゆく本たちを、 一体全体どうなさっているのでしょうか…笑 遡ることずっとずっと前、 (もう7〜8年前のことですかね) 離婚してひとり暮らしを始めたんです。 そしてその最初の引っ越しの際にかなり処分して。 その後も何度も引っ越しをし、 最後に泣く泣く沢山処分したのは確か… 猫さんを引き取って最初の引

一日三読、朝昼晩の本を選ぶ。

朝起きたらそのままぐずぐずと布団のなかで本を読んで、お昼になったら昼食のあとに休憩がてら本を読んで、夜になったら眠る前の今日を終わらせるその瞬間まで本を読んでいる。 一日三食きっちり食べると体が健康になるように、一日三回きっちり読書の時間をとると心が健康になる。一日三読とでもいいましょうか。 おやつを食べるとご機嫌になるように、なんでもない時間にも読書をできるとさらに一日を豊かに過ごすことができる。まあ日々なんやかんやとあってそれは難しいので、一日三回の読書の時間だけは、

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歳時記を旅する57〔生誕樹〕後*ハープ弾く手のひらひらと冬ぬくし

磯村 光生 (平成十八・十九年作、『千枚田』)  クリスマスツリーの飾りのモチーフに、天使がある。 新約聖書の「ルカ」の福音書にはイエス・キリストの生誕が記されている。この中で、天使の一群が、占星術師や羊飼いを生まれたばかりのイエス・キリストのもとに導いてゆく。天使は、それぞれ楽器を演奏しながら天から降りてくる。そのため楽器はそれ自体で天使を表す。古典的な楽器は、横笛、ヴァイオリン、ラッパ、そしてハープである。(若林ひとみ『クリスマスの文化史』)  ハープは紀元前の弓に起

【三体】読了

256話目。 どうも、あおです😄 SF好きです。 もちろん『サイエンス・フィクション』ね。 『少し・不思議』とも言いますが。 #挨拶文を楽しもう 書店でハードカバーで並んでいる時から気になっていて、文庫になるったら読むぞ!って思っていた小説をついに読み始めました。 【三体】です。 ※Amazonアソシエイトをやっています 直感的に絶対面白いやつ! 予備知識無しで読み始めました。 しいて言えば、帯に書いてあった 『人類は滅びなければならない』 この一文だけ。 スタ

ほっと一息つける場所──旅と暮らしの本屋「アンダンテ」(文京区・千石)|本の棲むところ(10)

旅と暮らしの本屋「アンダンテ」は都営三田線の千石駅から徒歩2分、オフィスビルの1階にあります。11月15日に開業した同店を運営するのは、旅や暮らしにまつわる本を刊行している産業編集センター。もともとオフィスとして使用していた自社ビルの1階を書店に改装したと言います。 店内は大きく6つの棚に分かれており、旅/衣/食/住/遊(趣味、文学、絵本など)/推(新刊・話題書)といったジャンル別に本が並べられています。 さらに「旅」は、国内/海外/文学/目的別/地図ガイドといったジャン

歌人 小島ゆかりさんの「はるかなる虹」を読んで

 好きな歌人さんの歌集を読んでいると いつも思うことがあります。小説だと最後まで読むと「読み終える」そして本棚へ、ですが歌集は「読み終える」ということがありません。 付箋を付けるのもそこを繰り返し読みたいからで、いつも手元に置いておきたいのです。 なので、私の部屋 ( 家族の共有スペース リビングですが ) にはここ1年足らずで、文豪か?と突っ込みたくなるような歌集つみつみの文机が出来上がってしまったのです。 年末には片付けないと……。 でも今回は、いつも本を避難させている和

歳時記を旅する57〔生誕樹〕前*点かぬ電球まじへホテルの聖誕樹

土生 重次   ※原句は「電球」に「たま」のルビ (昭和五十七年作、『扉』)  クリスマスツリーに蝋燭を灯す習慣は、一六世紀のドイツの宗教家、マルティン・ルターによると言い伝えられている。ある夜、ルターは、家に帰る途中森で道に迷う。その時、木々の間美しく輝く星が家路に導いてくれた。その感動を家族に伝えたいために、ルターがもみの木にたくさんの蝋燭を灯して見せたのが始まりになったという。蝋燭は、エジソンが電球を発明した三年後には、電球へと替わっていったという。(本庄ひさ子『Xma

冬の本、冬の思い出。

みなさんは、冬に読みたくなる本がありますか? 冬と聞いて、浮かぶエピソードや思い出はありますか? 2016年、今から丸8年前の12月に、 誕生日プレゼントのひとつとして友人がくれた本。 それがこの「冬の本」。 私が毎月手紙を書いているあの友人です。 総勢84名の、冬のお話が集められた1冊。 約千字で、それぞれ冬をテーマに書かれているので 寝る前に、ベッドの上で1話ずつ、ときには2話、 なんていう具合に日々少しずつ読み進めていくのが好きです。 もらった年と、その後もう一

癒してくれたのは優しいエッセイたちだった。

病み上がりや持病の調子が悪いとき、 ああしんどいなぁ…とため息がもれてしまう、 そんなときは心がほっこりするエッセイが読みたくなる。 今日はそんなエッセイ2冊を紹介します。 以前書いたことがあるのですが、 わたしはほとんどエッセイというものを 読んだことがなかったんです。 数冊くらいで、最後に読んだのは 壇蜜さんの壇蜜日記の1だったかな。 そこで去年からnoteで記事を書き始めたことで、 色んな方のエッセイを読んでみようかな?と ふと思い始め、1番最初に選んだのが こ

くま読書 私の身体を生きる

たまに、テーマとして書きにくいことをがんばって書いてみようと思う時がある。 書きにくいことは「死」であったり 「性」の話でもあったりする。 なぜ書きにくいのかというと、書きことばに落とし込むためにある種の慎重さが必要だからだ。 慎重に書かなければいけないのに、なぜ書きたいのかというと 自分が真面目に考えたい気持ちがあるからこそ、であって。 誰しもが抱えているからこそ、でもある。 私は、蔦屋書店で見かけてからずっと気になっていた、ある一冊の本を拝読した。 読後は私

読書日記(2024年11月)

猫が来たり文フリ京都の準備を進めたりとあわただしかった11月。仕事がとても落ち着いていたので、一気にプライベートの比重が上がった月だった。 猫を迎えるために長めに大阪にいたので、久しぶりに向こうに置いている本をたくさん読んだ。 これを書き終わったら文フリ東京へ向かいます。 香君(1~2)|上橋 菜穂子 いつのまにか文庫化している! と、驚喜しながら購入。 そのしばらく後に仕事の交流会で、びっくりするほど本の趣味が合う人と上橋さんのご本の話で盛り上がり、幸せな気持ちで表紙を

今年読んでよかった、暮らしを豊かにしてくれる本8選

今年はいろいろな本を読みましたが、「読んでよかった」と思うのは、ちょっと暮らしを豊かにしてくれるような、あたたかさのある本ばかりでした。 ここでは、私が2024年に読んでよかった8冊の本を紹介します。さらりと読めるものが多めなので、年末年始の読書時間にもおすすめです。 週末、森で|益田ミリ さらさらと軽やかに読める漫画エッセイ。森に住む主人公の早川さんと、都内に暮らすお友達ふたりの日常が描かれています。早川さんの言葉にはっとして、大切な気づきをもらえる一冊です。 登場

鑑賞*音の無き会話の弾む花八手            

磯村光生 その咲く時季も花の大きさも、見過ごしそうな八手の花。 白い毬のような花をよく見ればこれまた毬のような花が塊となっている。 手話であれば声はなくても手振りで会話は弾む。 心も弾む。 八手の花の毬を弾ませるように。  (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年六月号「私の好きな一句」) ☆harukaさんから、今年(2024年)の八手の花の最新レポートです。

歳時記を旅する56〔雪吊〕後*雪吊を解きやはらぐ松の空

磯村 光生 (平成十八・十九年作、『千枚田』)  与謝野晶子は夫の寛(鉄幹)と一緒に兼六園を訪れて、唐崎の松を詠んでいた。「大池の唐崎の松常磐にて加賀のしぐれはつかの間に過ぐ」(昭和六年一月と同八年十一月) 兼六園の雪吊りは、毎年十一月初旬に、この唐崎松から始まる。そして、三月の中旬からの取り外しは、唐崎松を最後に終わり、北陸の春を迎える。  句は、空が、松が無事に春を迎えたことを喜んでいる。 (岡田 耕) (俳句雑誌『風友』令和六年十一月号「風の軌跡ー重次俳句の

峠を越えたら、下山は勢いよく降りずに「ゆっくり」

2024.12.17(火)いよいよ忙しさの頂点を越えて少しずつ下りに入り始めています。 が! こういう時に油断したりして、風邪ひいたり、体調を崩したりしがち。少しずつ下り坂を降りるように忙しさの山を下山しようと思っている真っ最中です。 本業:中小ITの管理職ほんとに先週は本業の忙しさで手が付かなかった。 (このnoteをだいぶ遅れて書いているのもここが理由) 地獄のあいさつ回りミッション Xのほうで、夏と冬に回る営業先訪問を「あいさつ回り」をミッションとして管理。何

普通じゃない私がコンビニ人間を読んだ感想✨️

メリークリスマス🎄🎅✨ ぼっちすき家の七海恋です✨️ 私は残念ながら普通側の人間じゃないです🤣🤣 普通じゃない人間が普通側を模倣しようとする話、 普通とはなんだろうを描いた『コンビニ人間』が なかなか面白く興味深かったため 村田沙耶香さんの コンビニ人間の初読の感想をまとめてみました✨️ ✅あらすじ ✅初読の感想 主人公、 なかなか重度のASDだなあっていう印象でした😳 普通じゃない側の人間と 普通側の人間とで 区別をしているところがまた生々しい……。 妹ちゃんに

歳時記を旅する56〔雪吊〕中*雪吊の藁の元結天に結ふ

佐野  聰 (平成八年作、『春日』)  高井有一の短編小説「雪吊り」に堀切菖蒲園の雪吊りが書かれている。 「雪吊りとは言つても、雪国とは違つて庭に風情を添へるための飾りである。背丈は三米に満たず、姿が美しいとは言へない松の傍らにその倍ほどの高さの柱を立て、天辺から垂らした三十本もの縄を、枝にではなく幹の下方に大きく円形に廻した竹の輪に結ぶのである。」(『海燕』昭和六十三年三月号)   東京都では、浜離宮など都立の九つの庭園の雪吊りは、兼六園とは違い、直接枝に縄を結ばず「ブチ

読書のススメ『10年後の仕事図鑑』著者:堀江貴文、落合陽一

発行は2018年4月、そこから考えての10年後は2028年、そして現在は2025年。あと3年後の未来を見て書いた本である。 中古で買った本なので、今読んでいるのだが、6年前の過去からの予想としては、その間、コロナもあった中で、これだけの精度のある情報を予想できるというのはすごいことである。 あまりネタバレしても良くないので、1つだけ例を 私たち飲食業の未来 コロナを経て、飲食業を今でもやっている中で、この4年間で感じたことが書いてあったと思う。 この4年で潰れていく

具体的に描く、ふわふわの輪郭。

ふわふわとした文章と 具体的に書かれた文章があって。 ふわっとした言葉の中に 具体的な言葉が登場すると より鮮明に記憶に残るように感じます。 「幸せ」ってふわふわとした雲みたいで つかみどころがない言葉です。 ゆったりとした時間の中で 好きな音楽を聴いているとき。 温かい紅茶を飲んでいるとき。 そんな瞬間、心がほんわりして 幸せってこういうことなのかなって ぼんやり感じることがあります。 はじめて松浦弥太郎さんの本を読みました。 松浦弥太郎の「いつも」です。 は

「記録」は「書く」の原点―村井理子さんから学んだこと

 「書く」とはどういうことなのか。    村井理子さんの著書『エヴリシング・ワークス・アウト 訳して、書いて、楽しんで』を読み終えて、改めてその問いと向き合っています。  翻訳家、エッセイストとしての視点を通して「書く」という行為の本質に迫る本書は、わたしにとって羅針盤のような存在となり、内面を掘り下げるきっかけを与えてくれました。 日々の記録が紡ぐもの  共感を覚えたのは、定期的に文章を書く人なら誰もが抱える「ネタ切れ」への対処です。  「よくネタ切れしないね?」と

布団に寝ているところに本棚が倒れてきて数百冊の本に生き埋め状態になって起き上がれずに今日は会社も休みだなと思い何気なく顔の上の本を手にしたらずっと読みたかった本で仕方なく読み始めました。 正月らしくて縁起の良い幸せな夢でした。