お題

#わたしの本棚

あなたの本棚はどんな本棚ですか? 並んでいる本のラインナップ、何度引っ越しても手放せない1冊、並べ方や棚へのこだわり、積読になってしまっている本たち……。みなさんの本棚のことを教えてください!

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これはあくまで料理酒です。

1年で50冊読むことを目標にしていたのだけれども。6月の時点で目標達成がかなり難しいことには気がついていたけれども。ここまでで27冊。50冊までは遠い。モームリ。しかし、6月のあの時点ではまさかこの後、京極堂シリーズの沼にはまるなんて想像していなかった未来だ。 それでは6月以降に読んだものの記録。スタート。 16 無名仮名人名簿(向田 邦子) 17 姑獲鳥の夏(京極 夏彦) 18 いつかたこぶねになる日(小津 夜景) 19 魍魎の匣(京極 夏彦) 20 星の王子さ

最近読んだ本・小説・ビジネス書

こんにちは。 記事をご覧いただきありがとうございます。 今回は最近読んだ本・オーディオブックで聞いた本をまとめていきますので、気になったものがあればチェックしてみてください。

のほほん 毎日読書♫

毎日夕方、必ずどこか外に出かけて少しの時間でも見つけて本を読む。 忘れたくない箇所をページのあちこちを押さえながらスマホ撮影、夜スケジュール帳の端に「これこれ」 ササッと書き留める。これが私の読書の、いつものいつも。 記憶力に難が有りの私をサポートしていたのだが、近頃少々まずい。 年を取ると仕事が雑になる。書き留める文字が いい加減過ぎるのだ。走り書きの域を遥かに越えて 「あ? ん? は? いや 待て…」 無かった事にする、もはや私の常套手段。かなり困ってる。 ★   矢

癒してくれたのは優しいエッセイたちだった。

病み上がりや持病の調子が悪いとき、 ああしんどいなぁ…とため息がもれてしまう、 そんなときは心がほっこりするエッセイが読みたくなる。 今日はそんなエッセイ2冊を紹介します。 以前書いたことがあるのですが、 わたしはほとんどエッセイというものを 読んだことがなかったんです。 数冊くらいで、最後に読んだのは 壇蜜さんの壇蜜日記の1だったかな。 そこで去年からnoteで記事を書き始めたことで、 色んな方のエッセイを読んでみようかな?と ふと思い始め、1番最初に選んだのが こ

くま読書 私の身体を生きる

たまに、テーマとして書きにくいことをがんばって書いてみようと思う時がある。 書きにくいことは「死」であったり 「性」の話でもあったりする。 なぜ書きにくいのかというと、書きことばに落とし込むためにある種の慎重さが必要だからだ。 慎重に書かなければいけないのに、なぜ書きたいのかというと 自分が真面目に考えたい気持ちがあるからこそ、であって。 誰しもが抱えているからこそ、でもある。 私は、蔦屋書店で見かけてからずっと気になっていた、ある一冊の本を拝読した。 読後は私

ずっと本を並べていたい。〜本屋さんを開くなら〜

本から本へと、渡り歩いていく。 読書を長いあいだ続けるうちに、そんな経験を重ねてきました。 たとえば、堀江敏幸さんの「回送電車」の中におさめられている追悼文を読んだことがきっかけで、須賀敦子さんの作品を読むようになったこと。 恩田陸さんの「三月は深き紅の淵を」の第一話では、登場人物達が思い思いに読書を楽しむのですが、その中に出てくる"森茉莉"という作家の名前の美しさに心を惹かれて、「私の美の世界」を手に取った後、彼女の父である鷗外や、妹の小堀杏奴の作品にもふれたこと。 星

歳時記を旅する56〔雪吊〕前*雪吊の雪待つ一筋づつの張り

土生 重次 (昭和六十一年作、『扉』)   歌誌「新歌人」の主宰者の芦田高子は、兼六園の雪吊りを「雪吊りの縄が保てる緊張の美しさみな天に統べらる(歌集『兼六園』昭和四十三年)」と詠んだ。   兼六園の雪吊りのうち、唐崎の松(高さ九m、枝張り二十m、幹回り二・六m)の雪吊は、「りんご吊り」という方法で、五本の芯柱(最大高さ十六m)を立て、約八百本の荒縄で松の枝を吊る。一本の松に五本もの芯柱を立てるのは唐崎松だけである。頭飾りは、荒縄を「飾りいぼ結び」にして巻きつける。これは加賀

待機している大好きな料理本

いまやクックパッドの常連のわたしだが、独身の頃や子供が小さい頃は料理本を見て料理をしていた。 いや、一冊の料理本からひとつ作れば良い方で、実際は眺めていた。と言う方が正しいかもしれない。 料理本とはどうしてこんなに美味しそうな写真がずらりと並んでいるのだろうか。もうそれは芸術作品といっても過言ではない。 夜寝る前に料理本を眺めてから眠るのが日課になっていた時期もあった。 この料理はどんな味がするのだろう。 食べてみたい。今度作ってみようか。 想像するだけでも幸せな気持ちに

歳時記を旅する56〔雪吊〕中*雪吊の藁の元結天に結ふ

佐野  聰 (平成八年作、『春日』)  高井有一の短編小説「雪吊り」に堀切菖蒲園の雪吊りが書かれている。 「雪吊りとは言つても、雪国とは違つて庭に風情を添へるための飾りである。背丈は三米に満たず、姿が美しいとは言へない松の傍らにその倍ほどの高さの柱を立て、天辺から垂らした三十本もの縄を、枝にではなく幹の下方に大きく円形に廻した竹の輪に結ぶのである。」(『海燕』昭和六十三年三月号)   東京都では、浜離宮など都立の九つの庭園の雪吊りは、兼六園とは違い、直接枝に縄を結ばず「ブチ

この世にたやすい仕事はない|津村記久子 著

津村記久子『この世にたやすい仕事はない』新潮文庫 大学卒業後に医療ソーシャルワーカーとして14年勤務し、“燃え尽き症候群”で仕事を辞めた36歳の女性が、短期の仕事を通じて自分自身を見つめ直していくストーリー。 「1日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」 そんなふざけた質問に的確に答えていくハローワーク相談員の正門さん。 主人公は勧められるままに、5つの仕事に従事します。 ①1日中、ある小説家を隠しカメラで監視する仕事 ②地域の循環バスの車内アナウンスを作

耽る、猫足を履く、あたたかいということ。

3行日記3本立てです。 【耽る】 先日の本棚整理後、久しぶりに小川洋子さんの 本を読み、小川洋子さん熱が再燃。未読本読了本を 本棚から引っ張り出してきて読み耽っています。 【猫足を履く】 急激に冷え込んだ日、猫足デザインの室内用 もこもこ靴下を下ろした。苦手な冬を乗り切るため、 "猫の足を履く"という楽しみを毎年作っている。 【あたたかいということ】 週末猫さんのためにこたつを出した。 猫さんはこたつとお布団を行ったり来たりして 日々眠る。"あたたかい"というのは

読書の秋。30冊の絵本を音読した話。

「えほん100こ読んで!」 パスで! 妻が仕事へ行ってる間、娘と2人でお留守番。家事に追われる僕を尻目に、なにやらアンパンマンのボードに書き込む4歳。 「はい!今日すること!これね?出来たらチェックするんだよ?わかった?」 そうやって見せられたのがこの画像です。翻訳しますね。 ・だっこ100かいする ・えほん100こよむ ほぼ罰ゲーム。 抱っこするのも、絵本を読むのも、それだけだったら愛のある過ごし方。しかし、数がとんでもない。100て……。 「いや、抱っこ1

王手をかける鈍器

公安にマークされているかもしれない。着々と鈍器を集める危険人物として。7月に『姑獲鳥の夏』(288g)から始まったわたしの京極堂活動。当初は小刻みに中断しながら超スローペースで読み進めていたので、世論は「あ、この人、じきにリタイアするだろうね。」とする見方が大半であった。ところが、『姑獲鳥の夏』が後半に差し掛かった8月の終わり、突然、四半世紀に一度あるかないかという「強読書モード」が発動し、『姑獲鳥の夏』の後半を数時間であっという間に読み終えた。思い返せばこの時すでに、わたし

本屋さんで、迷子になって

本屋さんではできれば、迷子になりたい。 ありとあらゆるものをインターネットで買えることが当たり前になった今、ひとりの本好きとして、そう思うようになった。 買いたい本がはっきり決まっているときは正直、本屋さんに足を運ぶよりも某巨大通販サイトの方が簡単で、便利だ。交通費がかからず、一瞬で目当てのものを見つけることができ、重い荷物を運ぶ必要もないもの。電子書籍なら、なおさら。 それでも私がせっせと実店舗に足を運ぶのはなぜなのか。街の本屋さんがどんどん減っていく現状がせつなくて、

温かく私を救う。/吉本ばなな『幸せへのセンサー』

吉本ばななさんの『幸せへのセンサー』を読んだ。 ビジネス書や文章術の本をずっと読んでいたからか、文章が優しく感じられる。背中をトントンとしてくれるような、あたたかい本。 この本を読んで、吉本ばななさんの柔らかいものの見方に、思わずうなってしまった。同時に、こわばった心をマッサージしてもらった感覚になった。 ホッとする言葉が、私の心に沁みていく。 時間やタスクに追われて、余裕がなかった私の心。 いつの間にか、自分の幸せを置き去りにしようとしていたようだ。 積読からこの本

ずっと心に残っている短編たち 〜第四弾〜

心の中に、ずっと残っている短編があります。 読んだときの感動や衝撃が忘れられなくて、今でも鮮やかに思い出すことのできる、素敵な短編たち。 これまで全3回、シリーズでお届けしてきた「ずっと心に残っている短編たち」。 さて今回、新たにご紹介したい短編が3作品集まったので、”第四弾”をお届けします。 それぞれどんな短編なのかがわかるように、「◯◯を読みたい人へ」というキャッチコピーをつけてみました。 気になる短編があった方は、収録されている短編集をぜひ手に取ってみてくださ

読む鈍器

可処分時間のほぼすべてを京極堂に支配されている。『姑獲鳥の夏』の序盤の、京極堂と関口の会話は踊る、されど進まず、な時間が長すぎて「いったい何を読まされているんだろう。」と訝しみながら小刻みに中断しつつ読み進めていたあの頃が懐かしい。 京極堂の憑き物落としスイッチが入ってからはもう中断なんてできなくなってしまう。ページを繰る手が止まらない。しかし重い。文庫本だっていうのに信じられないくらいに厚くて重い。とても寝転がってなんて読めない。分厚くて重たいので持ち歩くのは難しく、通勤

『ともぐい』河﨑秋子 著

カフェ店主おすすめの一冊と、個人的に気に入っているツボをご紹介いたします。 今回は、わたしにとって今年のベスト、『ともぐい』(河﨑秋子)です。 2024年直木賞受賞作とは知らずに、夫の本棚で見つけて読みました。 『羆嵐』(吉村昭)、『クマにあったらどうするか』(姉崎等・片山龍峯)、『羆撃ち』(久保俊治)など、もともとクマに関する本は好きですが、今回は冒頭から荒々しく生々しくも繊細な表現に惹き込まれ、目を離せなくなって一気に読了。 ところどころ、三島由紀夫を彷彿とさせる細や

からす

待ち合わせのスーパーの駐車場に到着です 急いでいる時にかぎって信号に全部つかまってしまう事があるけれど そうは急いでいない時にかぎって信号につかまらない時もあり するするする‥約束の時間より早く着いてしまう 車の時計を見ると後5分あり 車の時計であと5分あるのだから 実際にはあと9分ある 何故かと言いますと車のデジタル時計4分進んでいるからです あわせてもあわせても 何故?すぐにくるってしまうの?車のデジタル時計 そしてそれを何故直ぐに直さないのか? 9

レオンが開く妄想本屋「みちくさ」

心踊る企画を発見したので参加してみようと思う。私レオンが店主となる妄想本屋さんここにて開店です。 コンセプト ただ単に本を買ったり読んだりするだけではなく、社会復帰するための第一歩や引きこもり状態にあるひとへの居場所作りとなる本屋さん。本屋「みちくさ」は本を買ったり読んだりできる他に店主の私レオンとお話しすることもできる場所である。 店名「みちくさ」に込めた想い 道草を食うという言葉は目的地に行く途中で何か他のことに時間を使う様を表している。社会的に進むべきとされてい

日記:10/19-20🇯🇵 ✅バナナ、納豆、味噌汁(わかめ)という健康食材に助けられている😌 →健康のために必要な食費は支出する💴 ・朝夕30分のウォーキングが最高のリラックスルーティン🚶 →お金がかからない趣味は最高✨ ・明日のプロ野球も面白い😂 →セリーグの最終決戦🔥

「好き」を言語化する技術:推しの魅力を伝える新しい表現力 【三宅香帆 著】

はじめに:推しの魅力を伝えたい!みなさん、大好きな推しのことを語ろうとして「やばい!」としか言えなくなったことはありませんか?そんな悩みを解決してくれる本が、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』です。この本は、SNSやブログで自分の好きなものを上手に表現したい人たちのために書かれた、まさに現代の必読書と言えるでしょう。 アイドルや宝塚ファンでもある著者が、長年の書評家としての経験を活かして「推し語り」のコツをまとめた一冊です。PR TIMESによると、『「好き」を言語

書店は薬局

胃薬が効かなくて困ってたんです。 ガスター10もムコスタもタケキャブもその場しのぎくらいにしかならなくて、胃腸科に行っても胃潰瘍とかになってるわけでもなくて、「ストレスですかねえ」とか言われてもっとストレス溜まって、ついに人生で初めて手を出したんですよ。漢方に。そしたら、ケロッと治りました。ケロリンです。ケロリーノ・サンドロヴィッチですよ。ちなみにケラリーノ・サンドロヴィッチもポール・ボネもイザヤ・ベンダサンも日本人です。 わたしはビジネス書を作る仕事をしていますが、「本

¥300

ページの上に、ひろがる色彩。

先日も本についての文章を書いたばかりではあるのですが、実は、このごろ思うように本を読むことができていません。 職場でちょっとした環境の変化があったせいなのか、とにかく、すぐに眠たくなってしまいます。 眠る前に本を読もうとしてページを開いても、いつのまにか船を漕いでしまうのですよね。 以前はそんなときでも無理をして読み進めようとしたものですが、今は体の声に耳を傾けるように心がけています。 "のんびり、ゆっくり読んでいけば良いよね" そんな気持ちで、先日購入したばかりの長田

月曜日の抹茶カフェ|青山美智子 著

青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』宝島社文庫 桜並木の先にポツンと佇む小さなお店「マーブル・カフェ」を軸に、そこに居合わせた人々の物語でつないでいく短編集。 一杯の抹茶から始まったご縁が、1年をかけて東京と京都を往復しながら未来へとつながっていきます。 私にとって初めてとなる青山美智子さんの作品。 出会いは本屋さんの棚で、大好きなミニュチュア写真家・見立て作家の田中達也さんによる装丁が目に止まり、手に取りました。 一言で表現すると「優しさに心ほぐれる物語」 お日様を浴びて

おいしい本と過ごす、秋の日

秋になると「おいしい本」が読みたくなります。 開いたページから香ばしいコーヒーの香りや、あたたかな料理の湯気が感じられるような物語たち。 本の中に出てきた食べ物や飲み物は、どうしてあんなにおいしそうなんでしょうか。 食いしん坊な私の本棚には、いつしかそんな「おいしい本」のコーナーができていました。 今回は、その中から何冊かをピックアップしてみようと思います。 1.つぎはぐ、さんかく 冒頭からおいしそうなお惣菜の描写がどんどん続き、食いしん坊としてはばっちり引き込まれて

自己否定をやめるための100日間ドリル 坂口恭平さんの本

6586文字 僕は、坂口恭平さんの本が大好きである。 発売される本は、欠かさずチェックしている。 今回紹介する「自己否定をやめるための100日間ドリル」も、つい最近出たばかりなのだが、一見自己否定と関係なさそうな僕であっても、大きな気づきがあったことに感動してしまった。お世辞抜きで歴史的名著だと思う。 これは「死にたい」という凄まじいレベルの自己否定をしてしまう人でなくても、心に何かしらの傷を負った人間であれば誰しも共感することなのではないかと感じている。 そのような

読書日記(2024年9月)

保護猫を家に迎えるかもしれない(大阪の本宅で)……という可能性が急に現実になって、そわそわそわそわそわそわし続けた9月だった。そわそわし続けるだけの私の横で、夫が着々と準備をしてくれるのが情けなくも有難い。 秋が深まるころ、トライアルを開始することになりました。大人の猫なので新しい環境に慣れるのに時間がかかるかもしれないけれど、我が家で居心地よく暮らしてもらえるようにがんばるぞ。 わからない|岸本 佐知子 大事にとっておいた最新作を、ちびちびと読み……たかったのだけれど普

読書日記(2024年10月)

柄にもなく、たくさん人と会った10月だった。友人と会ったり、仕事での交流会に参加したり。 文学フリマへの出店も決定し、猫ももうすぐやってくる……と、楽しみな予定がどんどん増えていく一方、なにかと気ぜわしい月でもあった。読書の方も初読の本が多い。変化の月だ。 書こうとしない「かく」教室|いしい しんじ 凛さんと入った文喫で読んだ。 文章術の話とか、「小説の書き方」みたいな本かというとぜんぜんそうではなくて、前半は特にいしいしんじさんの人生の話が続く。三崎、松本、京都での暮ら

生活苦が、なぜ「財務省と厚労省」「パソナ」に起因するのか

日本国民が働けど働けど、暮らしが全く楽にならないのは「官僚国家」に起因する、というのは、石井紘基さんに教えていただきました。 ただ……この本。今はオンデマンド版があるけど、当時はそれがなくて。1冊1万円ぐらいだったので買えませんでした。 ところが今回、泉房穂さんが同じような本を書いてくれたとの事。早速購入して読んでみました。 ちなみに、泉房穂さんは「前明石市長」ということで有名ですが、若い頃、石井紘基さんの秘書をしていたんです。そして、石井さん暗殺後、彼の遺志を継いで国

最近読んだ本たち(2024年10月分)

10月もあわただしく過ぎていった。 この出だしももう定型文に近い。 最近思うのだけど、余暇を存分に味わいながらゆったりと生きていられる人って、現代の日本にどれほどいるのだろう。 わたしの時間はもちろん、いつもせかせかと過ぎていってしまう。手もとにやって来たと思ったら、次の瞬間にはもういない。 そう、風のように。 ……と、詩的なことを言ってみたくなった。 秋だからね! 『方舟を燃やす』 角田光代 「信じることの意味を問う傑作長篇」という帯がついていたと思う。 わたし

ふえる鈍器

求人を検索するのが趣味であるのと同時に、誰かの転職活動記を読むのもまた趣味である。「わかるーあるある」と共感したり、「え!そんなことがあるの?」と驚いたり、「内定を頂きました」の報告に自分のことのように喜んだり(お会いしたこともないのに)、「そんな話は聞いてない!」と入社後のギャップに戸惑う様子に勝手に心配になったりと、たいへん刺激的である。わたしにも転職活動での忘れられないエピソードがいくつかある。 1)お祈りメールが早すぎて 求人サイトで気になる求人を見つけたので、もう

包まれる鈍器

これまで中古で本を買うという経験をほとんどしてこなかったので、メルカリで見つけた『魍魎の匣』がとても綺麗な状態で届いた時にはちょっと感動してしまった。新品ではないので裁断したてのような紙の「キレ」は感じられないものの、シミや角折れなどもなく、新品で買えば1,650円のところ半額程度で入手できたので大満足である。京極堂シリーズは表紙がおどろおどろしいため、ソファやテーブルにそのままポイと置いておくと自分で仕掛けた罠に自分でびっくりしてしまうので、正和堂書店のオンラインショップで

「おとなしやか」という言葉に出会ったので

なんだか私にはおしゃれ過ぎるような 本の雰囲気がそう言っている‥ような 数年前、そう思いつつも手に取って連れて帰ったのはどうしてなのだろう 連れて帰ってくるだなんて「本」を擬人化したりするのはどうしてなのだろう その方の書籍が本屋さんで 並んでいるのをみかけて 以前読んだ 「伝わるちから」         松浦弥太郎               小学館 の中で出会った 「おとなしやか」と言う言葉をふと思い出す 「おとなしやか」とは 落ち着いていて、おだやか

歳時記を旅する55〔きりぎりす〕前*離れたる眼と眼さびしききりぎりす

土生 重次 (平成四年作、『素足』) 元禄二年(一六八九)七月二十五日(陽暦九月八日)、芭蕉一行は加賀小松の多太神社に参拝する。 ここで斎藤別当実盛の遺品である甲冑などを拝観し、「むざんやな甲の下のきりぎりす」の句を残した。 兜の持ち主だった斎藤実盛は、源平合戦で平家の武将だった。倶利伽羅峠の合戦で敗れ、加賀の篠原で再び陣を取り戦ったが、木曾義仲軍の前に総崩れとなった。そんな中、実盛は老体(七十三歳)ながら奮闘したが討ち死にした。 句のキリギリス、離れた両眼は八方を見渡せそう

一人の詩人を想う

谷川俊太郎さんがなくなった。 年齢を思えば、往生、と言っていいのかも知れない。 でも、寂しい。いつまでも、フラットな目線と言葉で私たちに詩を届け続けてくれた人だったから、これからもいつまでも彼の詩が読めると思っていた。 若い時には若い時の、歳をとってからは歳をとってからの、飾らない、谷川さんの言葉。 私は彼の詩が大好きだった。 弟が一年生に入学した時。クリスマスや誕生日など折りに触れて本を送ってくれる祖父が選んだのは、谷川俊太郎さんの「いちねんせい」だった。 絵は和田誠氏。

記憶力

読了本と積読本、本棚がわりの棚を整理。 読了本の中から、もう一度読みたい本や 内容を覚えていない本を何冊か、未読本の棚に戻した。 ところで、今日は救急車がとても多くて、 音だけも含めると5〜6回以上は聞いたでしょうか… 急激な寒さは身体にこたえますよね。 今朝の大阪は9度、明日の朝は8度予想、 いつもの部屋着ではぷるぷるするほど寒くて、 冬用のパジャマを引っ張り出してきて羽織っています。 今日明日とさらに冷えますのでみなさまどうかご自愛くださいね。 それではこの辺で。

10月に読んだ本とテーマ読書の面白さ。

あっという間に11月。 10月に読んだ本は計7冊! 10月は資格試験もあったから冊数は少なめ。けれどページ数多めで物理的にも、そして内容も分厚い本ばかりだった。読んだ~!という充実感がある。 心に残ったのは『タラント』と『子どもたちは夜と遊ぶ』。 『タラント』の感想は以前書いた。 そして『子どもたちは夜と遊ぶ』。 現在、「辻村ワールドすごろく」を進んでいる。 途中ですごろくの存在を知ったので、順番は多少前後しているけれど。 『子どもたちは夜と遊ぶ』はかなりダー

本を読む人になった日のこと

短い期間だったけど、中学を出てすぐ地元から遠い街で姉とふたりぐらしをした。 たたみの部屋の左右のカベ沿いに置かれたわたしと姉のシングルベッド、 その中心に置かれたカラーボックスの中の姉の本に、ある日ヒマに耐えかねて手を伸ばしたのがわたしの読書との出会い。 そこにあったのは 吉本ばなな先生のアムリタ ハチ公の最後の恋人 や 山田詠美先生の風葬の教室

パンプルムース!江國香織さん文いわさきちひろさん絵

本と出会う時 たまたま書店でうっかり出会う時もあるけれど 好きな作家さんの作品の中に出て来た名前や作品名の メモをして メモをしておいたメモ握りしめて ウキウキ探しに出掛けるのが楽しみ 私の事だからせっかくメモしたメモ持ち忘れてしまう事も度々 noteはじめてからは、noter さんの紹介されていた 作家さんと作品名をメモをして いそいそと出掛ける日は本当に楽しい 今なら指先でポチりが早くて間違いがないのだろうけど‥ でも、「パンプルムース」はどんなふう

【おすすめ本】読んだら、別の本になる(早瀬耕/未必のマクベス)

今週もこんにちは。日本は衆院選ですね。肌寒くなってきたそうですが、みなさんお元気でお過ごしですか。 長年直せていないのが、色んな作家の作品をつまみ食いする癖です。一人の作家を深く読み込んでみたいのに、ついつい誘惑に負けて読んだことのない作家にばかり手が伸びてしまう。 でも、誘惑に負けて良かったこともあります。早瀬耕さんの「未必のマクベス」と出会えたこともその一つでした。 ▼▼今回の本▼▼ 主人公はIT企業に勤める中井優一。彼は香港の子会社に出向し、システムの暗号化方式と

この一行に逢いにきた【読書感想文・総集編】

※長いので、クリックしてしまった人は適当にスクロールしてください。 10月27日から11月9日までが読書週間らしいです。 標語が、 「この一行に逢いにきた」 だそうです。 エモいですね。 ということで、今までの「この一行に逢いにきた」を探してみようかと思いましたが、本棚から探すのはきつい。 ということで、lionの読書感想文から、「この一行に逢いにきた」をチョイスしてみることにしました。しかし、気が付いたら、73本(かぶりもあるけど)もありました。そんなに書いてた

小学生におすすめの環境問題の本/書籍5選

今回は小学生向けに環境問題の本5冊を紹介していきます。 小学生が環境問題について学ぶメリット小学生が環境問題について学ぶことには、さまざまなメリットがあります。環境問題は私たちの未来に直結する重要なテーマであり、早い段階でその重要性を理解することは、子供たちにとって非常に有益です。以下にその主なメリットを挙げます。 これらのメリットを通じて、小学生が環境問題について学ぶことは、個人としての成長だけでなく、社会全体の未来にも貢献する大切なステップとなります。 小学生におす

秋の夜長とミステリー その2

先日書いたこの記事で、 最近ミステリーを2冊読んだと書いたのですが せっかくなのでもう1冊のほうも さらっと紹介してみようかな、と思います。 こちら。 こちらは先日書いた方舟とは打って変わって、 犯人がいるタイプのミステリーとは少し違います。 裏表紙のあらすじはこんな感じ。 文壇の重鎮と言われた1人の男、 その男の死後、絶縁していた娘のもとへ届いた遺稿。 そこに書かれていた庸一のあまりに数奇な人生。 父の生涯は、一体なにが本当でなにが嘘なのか、 遺稿に書かれていた内

安全保障貿易管理:キャッチオール規制🚫 リスト規制以外の大量破壊兵器等や通常兵器の開発等に用いられるおそれがある場合には、経済産業大臣の許可が必要になる制度 「大量破壊兵器等キャッチオール規制」と「通常兵器キャッチオール規制」があり、それぞれ許可が必要になる要件が異なる👀

本箱

本は寸法と色で記憶します 探すときは背表紙に書かれた文字は読みません  ルックスで見つけ出します 赤っぽい色だったな… とか 背が低くて わりと分厚かったな… とか…… 調べものをして 元の場所に仕舞わないのですぐ手元に山積みになります それを分別せずゴソッとひとつところに戻すので 不思議な並び方で陳列されることになります 大まかに二つのカテゴリーに別けています ひとつは写真や図解の多い芸術系のもの  もうひとつは文字が主の文学系のもの  どちらとも言えないものは そのふたつ

掲載*墓洗ふ初めましてを告げし後

岡田 耕 掲載誌:『俳誌要覧』2017年版  東京四季出版   2017年3月10日発行 ☆季語『墓参り』は、お盆の頃の初秋の季語。自分の宗派や地域性なのか自分では、お盆はご先祖様が自宅に来るもので、お彼岸はこちらからお墓に会いに行くもの、という感覚があります。 なので、この句もあえて彼岸入りのこの日に置きました。 季語「墓参り」については、伊藤映雪 さんが詳しく説明されていますのでご紹介します。 (岡田  耕) 【スキ御礼】掲載*葭を縫ふこゑの横糸行々子

朝井リョウワールドの入口を間違えたかもしれない。

読みにきてくださり、ありがとうございます。 ジャンルにとらわれずにいろんな本を読むようになった結果、朝井リョウさんの本にハマり始めたゆにです。 #挨拶文を楽しもう ←久々に参加! 朝井リョウさんといえば、小説。 『桐島、部活やめるってよ』『何者』『正欲』『世界地図の下書き』など、著作は多数。 最近だと『生殖記』もありますね。 なのに私、朝井リョウさんの小説を読んでいません。 読んでいるのは、もっぱらエッセイです。 作家のエッセイを読んでみた方がいいという師匠からの教

できるだけモノを少なくしたい私のデジタル習慣

暮らしや持ちものをすっきりさせるために、 スマホでできることはまず試してみようと なるべくシンプル化する方法を模索しています。 ITの知識はそれほどないのですが、 初心者なりに私が日々心がけている 無理なく取り組む習慣についてまとめました ✐ ◌ 使用しているデバイススマホはiPhone SE(第3世代)を使っています。 機能にあまりこだわりがないので、 コンパクトでシンプルなイメージのSEを 第2世代から継続して使っています。 本当は裸で持つのがあこがれなのですが

『姑獲鳥の夏』と約束したこと

『姑獲鳥の夏』を読んでいる。京極堂のシリーズ第1弾。 いつかそのうち、と思っていた京極堂ワールドの門を叩いたのは7月初旬の父の十三回忌に帰省をした頃のことである。移動時間もたっぷりあるし、法要の各種待ち時間もたっぷりあるであろうし(法要のスケジュール感を毎回すっかり忘れてしまうのはどうしてだろう)、京極堂に入門するのにとてもいいタイミングのような気がした、のだ、あの時は。文庫なのに千円を超えるのか、と驚きながらもAmazonで事前に買い求め、カバーをかけてバッグに入れて帰省