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2022年7月の記事一覧
読書📖連作短篇集とは? | 小川洋子「寡黙な死骸 みだらな弔い」
何度か書いているが、大きな書店に行ったときは、必ず洋書売場を覗く。
邦訳で読んで、英語などの原書を探すことが多いが、英語訳を読んでから、日本語の原書を探すこともある。
振り返ってみると、英語学習が日本語の小説を読むきっかけになったことが多かった。
洋書売場の日本文学のコーナーは、最近では、様々な現代文学も訳されるようになっている。
きちんと調べたわけではなく、あくまで売場をパッと見た印象
エッセイ | 「これでいいのだ」の哲学的一考察
これでいいのだ。
言うまでもなく、赤塚不二夫先生の名言である。タモリさんの弔辞にも「これでいいのだ」について言及したくだりがある。
あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係から絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で
作者がコントロールできること・できないこと。
もっぱら一読者として一冊の書物を読むことを想定しよう。
読者は、読む本のジャンルや読む目的に応じて、読み方を変える。必ずしも最初のページから最後のページへ辿り着く、という読み方をしていない。
学術書であれば、目次を見て、自分の今知りたいこと・興味のある箇所を見つけて、そのページから読み始める。面白ければ、他のページも読むだろう。
面白い本であれば、最初はここ、次はここ、その次はここを読む
詩 | いいの、休んでも...
暑いでしょ。
ゆっくり休んでもいいのよ。
体は正直だから。
悲鳴をあげているんじゃない?
人間だって生き物よ。
調子のいいときも悪いときもある。
だから、立ち止まることも必要。
年がら年中同じペースなんて
所詮無理なのよ。
いつも元気いっぱいに見える人も
人知れずため息をついているものよ。
わたしの仕事はあなたを癒すこと。
ちょっとだけ、日常を忘れてみない?
気持ちが軽くなるはずよ。
無理し
ひっそり応募 | 『ご注文は?』(#たいらとショートショート)
「先にお飲み物お伺いしましょうか?」
黒のキャミに、バニーガール👯♀️のウサギ🐰の耳のようなコスチュームを身につけたセクシーな女性が出迎えてくれた。
わたしは今、知る人ぞ知るカフェに来ている。店内に入ると、通信機器はいっさい使うことが出来ない。
うわさには聞いていたが、妖艶な雰囲気に、わたしは気圧されていた。
「お飲み物は?」
もう一度、懇願するような口調で、女の子に尋ねら
人生の経過を楽しむことで歴史の尊さを知る
先日、劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路』を観ました。物語に源義経の話が出てきます。そこで、弁慶って義経の家来なんだと思いました。観るのは5回目くらいなのですが、記憶に定着しません。なぜなら、歴史に苦手意識があるからです。と言うよりは興味がない。過去のことを知って何の意味があるのだろうか。偉人のことを学んでも会うことはおろか肉声すら聞くことができない。だったら、今活躍している人のことを知るために時
もっとみるショートショート | カミングアウトコンビニ
古墳とラブホしかない丘の上に、コンビニが一軒、ぽつんとあった。
妖艶な看板には「カミングアウト・コンビニ」と書かれている。
「とりあえず、コンビニで、飲み物と朝の食べる物を買っていこう。ラブホじゃ、なにも置いてないからさ」
「そうだね、ナミも一緒に来る?」
「もちろん。こんな山奥で、車の中に1人ぼっちは寂しすぎる」
私たちは、一緒に店内に入った。
「いらっしゃいませ。1人100円。