私之若夜

詠う者です。

私之若夜

詠う者です。

マガジン

  • 日日のもの

    2022年8月からの日々の投稿。何となく書いたものばかり。私の記事は、ほとんどそんな感じです。雑多な文の中に本音がちらほらチラホラchira-horaと出ます(笑)

  • 詩作のラボ(実験室)

    何故かあまり見ない聞かない「詩や和歌」などの実験的な試み。こんな物好きなことをしている人間は、きっとこの世にあまりいないのだろうと思います(笑)読んで、見て笑ってもらえればありがたいし、また、僕と同じように、なかなか思うように詩を書けない人の、ほんの慰めにでもなれれば幸いです。

  • 和歌風の定型詩

    和歌の定型を使った五七調の詩です。今様や新体詩などの特殊な歌謡調定型は含まれていません。主に長歌や問答歌、連歌などの形式を持った和歌風の現代詩を入れてあります。一般に和歌と呼ばれる「短歌・旋頭歌・仏足石歌体」の短い形式のものは『短歌ノート』や『現代和歌』というマガジンに入れています。また、最初から和歌を意識した長歌は区別して『現代和歌』に入れてあります(20220805現在)

  • 短歌の悩みは笑ってごまかせ〜短歌アイデア帳〜

    短歌をやっていて、疑問に思ったことや気づいたことを書き綴っています。初心者の人は、大歓迎。僕も初心者ですが、多分同じようなことを思ったり考えたりしているんじゃないかな。逆に、中・上級者の人は見ないでください。もう既に知っているよと思うことばかりで時間の無駄になります(笑) 古い記事なので、他のサイトの紹介先が既に変更・削除されている可能性がありますので、ご注意ください。ご迷惑をおかけします。

  • 君へ*そして僕へ

    メッセージっぽいテクストです。他のサイトへは未投稿のものを中心に入れてあります。

最近の記事

久方の【詩】

いとをかしき籬の向かへに 紅葉の錦織りたるが如く 山々は照り映へて 若々しく古へに返りて 君と語らひにけり 盛り過ぎたる花は 散る定めなれども やむことなき面影に 今も火の如く心焼けをり (20221122/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事の再掲です。  写真はCanvaからいただきました。

    • 終日シンフォニア【詩】

      ベースは出会い頭の音 君へと続く楽譜の向こうへ 夜は哀しい訳もなく ギターの響きも 何も変わらずに フェイドアウトで闇に消え 音符は出会い頭の顔 君へと続く歌詞の彼方へ 昼とて明るい訳もなく サックスさえも歌を奏でずに ヘイトクライムに病んでいる ミュートな出会い頭の声 君から奪った愛の温もり 朝には忘れる訳もなく ピアノの調べで蝶に変わりたい ヘキサグラムの夜の安らぎへ (20231121/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事の再掲です。  写真はC

      • お伽の国の冒険者【詩】

        縛られていたロープを解いて 伸びをして歩き出す 訳もない塀の落書きが 掠れて見えた冬の朝 ・八つ裂きにされた真っ黒なハート ・四方に飛び散る真っ赤なスペード ・野ざらしにされた暗黒のダイヤ ・歪曲されて血濡れたクラブ ・空回りするブリキの心臓 ・安い脳ミソとガラスの勇気 暫く眺めて 歩く先には 乗り手もなく走る駿馬 若く気高い その勇姿は朝日に向かって駆けてゆく 駆けてゆく 赤く焼けた空を 焼けた空を 遠く 遠くへ * 縛られていたロープを解いて 伸びをした僕は

        • アイソレーションⅡ【詩】

          万華鏡を見ているように エントランスの天窓から 空を眺める ある晴れた日の朝 首が痛くなるほど 真上に顔を向けて 空を仰ぐ 涙は出ない 爽やかだが どこか物悲しいのは あの青のせいか この静かな秋の朝のせいか それともこれは 君との別れの感情が 作り出している幻なのか 夢なのか 止まっていた時間が 急に動き出したように 慌ただしく空気は流れ 人の声 足音が聞こえてきた (20211119/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事の再掲です  画像はcanva

        マガジン

        • 日日のもの
          764本
        • 詩作のラボ(実験室)
          141本
        • 和歌風の定型詩
          46本
        • 短歌の悩みは笑ってごまかせ〜短歌アイデア帳〜
          10本
        • 君へ*そして僕へ
          28本
        • 短歌ノート
          70本

        記事

          言の音*コトノネ【詩】

          しつこく勧める君からもらった空色のラムネ ノーサンキューと思ったけれどそっと口づけて一気に飲む 忘れかけていた想い出の味は やっぱり甘い かなり前から遠くに聞こえる 祭りの笛の音 やや控えめな人の賑わいに何故か微睡む 静かな寝息と 霞む意識は 心地よい真昼の戸惑い 長閑な時間を逸脱し 一斉に飛び立つ鳩と 舞い落ちる羽根 割り切れない夏の記憶を頁に挟む 書きかけの歌と 読みかけのトルストイ やりかけの詩作と また読みかけのハイネ 暫し 創作に飽きたら 夜のジンライム 呑気な

          言の音*コトノネ【詩】

          別離【詩】

          悲しみの音の色は響き 力尽き果てし旅人を哀れむ 山風は多少冷ややかなれど うららかな春の如き陽気なり 君の笑顔と木々の枝間に 吹き寄する風は優しく 柔き頬を撫でては去りゆき 煌めきて日溜りの如き温もりなり 悔いても避けられぬ別れに 鳴く山雀の声は淋しく 奇しくも岩の隙間から 流れ来る湧水の如き潔さよ 穢れ無き君との恋に 明け暮れぬ若き日々を想い おおけなき出逢いを胸に まさに今朝 再び旅立ちにけり これは しかし夢 真にあらずと 望む故 その声は 別れの夢か幻と 想う

          別離【詩】

          自嘲すべき歌【詩】

          何故だか川にヤマアラシ 店で売ってるカイツブリ 年中とどまるワタリガニ たまたま街にノグチゲラ とても腹黒いシロウサギ やり過ぎましたゴメンナサイ 勘弁なさって ユルシテクダサイ 悪気はないですホントニホント 飲み過ぎですねオサケハヤメマス 失礼しました オコラナイデネ * ナゼダカカワニ 山嵐 ミセデウッテル 鳰 ネンジュウトドマル 渡り蟹 タマタママチニ 野口啄木鳥 トテモハラグロイ 白兎 ヤリスギマシタ 御免なさい カンベンナサッテ 赦してください ワルギハナイ

          自嘲すべき歌【詩】

          これも朝【詩】

          車のエンジン音が聞こえる すべてが散文調な こんな朝は 静かに呼吸を整えて 体内時計のリズムを感じる あっ 止まった 始まる前に終わってしまった * 電車の走る音が聞こえる 何となく散文調な そんな朝は 努めて呼吸を整える 目覚まし時計がピピピと鳴ってる あっ 止まった 止めようとしたら 止んでしまった * 拍子抜けした朝 これもまた 一生の中の 一度っきりの 僕の朝 (20211116/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事の再掲です。  写真は

          これも朝【詩】

          見えないけれどあるんだよ【詩】

          見えない石炭袋に隠れていたのは愛でした * 一等星だけ妙に目立つ天体なので ちょっとだけ見劣りする他の三つと交わり 夜空と地上の道標として南半球では昔から 旅人を導き 見る者を癒やし 正に それは愛そのものと言ってよいのでした * 空に輝く十字架の祈り 地球という星の こんな辺鄙な宇宙の傍ら 僕という なんとも ちっぽけな存在が しかし 無数に広がる星々と 遙か銀河と 大切な人を 今 思い遣る (20231115/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事

          見えないけれどあるんだよ【詩】

          クロード・モネ【詩】

          今日は光が 生まれた日 クロード・モネの誕生日 光がモネで モネが光で とにかく彼が生まれた日 印象派なんていう名前など よくわからないし どうでもよくて それより何よりモネの絵が 彼の描いた絵が僕は好きで 相補い合う色の間から 間とも言えぬ隙間から 隙間とも言えぬ色の外から 差し込み漏れ入る光の粒子よ 散歩で日傘をさす女よ 池に浮かんだ 睡蓮よ 光と光をなみなみと湛え 時代を超えて語りかけてくる (20211114/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した

          クロード・モネ【詩】

          朝が来る【詩】

          たわむ鋼の鎖から 夜の詰まった 結露が滴る 冷気をまとう 草木から 小さな小さな光の粒が ゆらゆら上がって日差しに消える 緑とけぶった空の色とが 溶けて交わり 朝が来る (20211113/私之若夜=しのわかや) ※これは1年前に投稿した記事の再掲です。  写真はcanvaからいただきました。

          朝が来る【詩】

          りんご【詩】

          りんごを食べた 包丁で スルスル皮をむいて食べた 少し酸っぱかったけど 甘さは程よく美味しかった 思えば ここ数年来 りんごが美味しく食べられた記憶が ないのはなぜだろう りんごはいつでも売っているし その気になれば簡単に 買って食べることもできるし 食べた記憶は いっぱいあるけど 美味しく食べたという記憶が まったく残っていないのはなぜだ それともただの気のせいなのか りんごに聞いても 当然 答えは返ってこない (20211112/私之若夜=しのわかや) ※これ

          りんご【詩】

          甲殻類?【詩】

          ビデオでイセエビ漁を見て ふと思ってみた 変なこと * いたら面白い こんな生き物 「ミジンコ大のイセエビ」だとか 「イセエビ大のミジンコ」なんて 前者は大量に捕まえて 煮物の出汁に使おうか? なんだかちょっと勿体ないな 後者は試しに焼いて食べるか? いや待て それは うむむむむ ミジンコだよな 大きいけれど そうだ どっちも 写真に撮って逃がしてやろう それがいいかな そうだ そうだね * だけど やっぱり ミジンコは ミジンコのまま イセエビは イセエビの

          甲殻類?【詩】

          澄んだ出水/小咄【詩】

          これは全体で1600文字程度のお話です。お時間のゆるす方は、ぜひお付き合いを。そうでない方は、それなりに(笑) * 昔、まだ最近のように禁煙分煙などが叫ばれていなかった時代―――仕事の休憩時、何人かの友だちと近くのレストランに昼食を取りに行った時のことである。 食事後、休憩が終わるまでの時間が暇だったので、数人の友だちを相手に、ちょっとばかり謎かけじみた次のような話をしてみた。 「毎年夏から秋にかけて、この辺りは大雨が多いよね。ところでさぁ、大雨の時の出水(でみず)っ

          澄んだ出水/小咄【詩】

          揺れてみる/長歌【詩】

          揺れている 感じは多分 揺らしてる 寝ぼけた自分 さもなくば 貧乏ゆすり? でもなぜか 心地よいのは 不思議な感じ * 揺れてみる 自分で揺れているだけで 心地よいのは 不思議な感じ (20211109/私之若夜=しのわかや) ※これは以前投稿した記事の再掲です。  画像はCanvaからいただきました。

          揺れてみる/長歌【詩】

          いちにち【詩】

          朝日が眩しいこんな日は なんとか一日 がんばれそうだ 寝覚めに大きな伸びをして ついでに大きな口を開けて 欠伸の一つも したならば なんとか一日 がんばれそうだ * やらなきゃいけないことばかり やりたいことも やまほどあるのに さぁて 何から始めようか 迷ってなんかいられないか 出来ることから やりたいことから やらなきゃいけない仕事から どんどん捌いていかないと あっという間に今日という日が 終わってしまうに違いない * 空を見上げれば 日差しが眩しい 眠気

          いちにち【詩】