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#ホラー小説が好き

ホラー小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

ChatGPTが書いたホラー短編

「隣人の声」/ ChatGPT著(画像Microsoft Copilot)    1 田中彩香(たなかあやか)は、仕事を終えて帰宅した夜、ようやく自分のアパートの部屋で一息ついていた。築20年の古びた木造アパートは、家賃が安いことだけが取り柄だった。隣の部屋に引っ越してきた新しい住人も、挨拶程度の関わりしかないが、特に問題はなさそうだった。 夜10時、寝る準備をしていると、壁の向こうから微かに声が聞こえてきた。   「…助けて…」   彩香は一瞬耳を疑った。テレビ

エブリスタの表紙を変更しました

これまでエブリスタで書いていた小説の表紙は、無料画像を加工したりして、タイトルと著者名を載せていました。 今回「椿の咲く夜」と「サザンカの涙」を外注で作っていただいた表紙に差し替えました。 私はデザイン力や技術もないので、表紙を作る時はいつも苦労してましたが、やはりその道のプロにお願いすると違いますね。 この二作品は、どちらもホラー。 興味のある方は、読んでいただけると嬉しいです。 ◆「椿の咲く夜」 [あらすじ] 正月休みで帰省先の実家から戻ってきた日の夜、香鈴は

【短編小説(日常ホラー)】これ、返すね。 2500字

[HL:湯浅は親友だと思ってたけど、ちょっと何を言ってるかわからない……。]  大学の卒業式が終わって、卒業旅行も終わって、引っ越す人はもう引っ越しちゃって、今年もまた3月中に桜も散っちゃいそうな春の陽気にあふれている。喫茶店の窓ガラス越しに少しだけ緑がまじり始めた桜並木を眺めながら、そんなことを思った。  カランと音がして喫茶店の入口を振り返れば、湯浅が軽く手を振っていた。湯浅は大学に入って初めての、それから一番の友達。最初の英語で同じクラスで、そこからあっという間に仲良

『口に関するアンケート』を読んだ感想

最近『口に関するアンケート』という本を読んだ。 オモコロの動画内で「新時代のホラー」と紹介されていて、面白そうと思い買ってみたのだ。 まず、読んだ人が皆言及しているが、本が小さい。 文庫本より二回りくらい小さく、レビューで「漫画コーナーにある紐で吊るされた副読本」「定期入れ」「かまぼこの板」など、サイズを例える大喜利がなされているが、私は「駅前で配っている広告が入ったポケットティッシュ」だと思った。50ページほどで、20~30分で読み終わる。 中身は最悪のホラーだった。

ゾンビと精神医学 ~有名医学論文に掲載された3例のゾンビの正体とは!?~

皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です☺️ さぁ、今年もやってきました「ハロウィン特集」です🎃 一昨年は「狼男」、昨年は「吸血鬼」について精神医学的な知見をご紹介いたしましたが、今年のテーマは...パニック映画の定番「ゾンビ」です! 「ゾンビと精神医学...? 流石にそれは、ないっしょ〜?」 と今思ったそこのあなた、その考えはバニラアイスに蜂蜜をかけるぐらい甘い🫵(...でも美味ですよね😋) 精神医学の前では、オカルト全般が「考察対象」となりうるのです!!

【不思議な話】【実話怪談】甲冑を着た者

今回は、母方の曽祖母のお話です。 曽祖母はとある田舎の一軒家で暮らしていました。 家は大きい日本家屋のような感じで 畑と庭もありました。 一つ悩みがありました。 それは、庭の隅に 常に水溜りができること。 晴れの日でも常に。 気持ち悪く感じた曽祖母は 土で埋めることにしました。 そして水溜りがなくなって いつものように畑仕事をしているとき。 後ろから足音が。 ガシャッ ガシャッ ただの足音ではなく、金具が当たる音とともに 後ろから近づいてきました。 真

【試し読み】織部泰助『死に髪の棲む家』重版記念 冒頭特別公開!

髪が口に入ったら死がやってくる――。 第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<読者賞>受賞作『死に髪の棲む家』が、角川ホラー文庫より登場! 本記事では、発売1週間での重版決定を記念し、大ボリューム試し読みを特別公開します。 物語の冒頭を、どうぞお楽しみください。 あらすじ 『死に髪の棲む家』試し読み 死に髪  その老人は明らかに死んでいた。  顔を左にねじむけて、うつ伏せに倒れており、その首には執念深い蛇のように、ぐるりと黒い縄が絡みついている。  しかも恐ろしいこと

【ブックガイド】令和に生まれた「家」ホラー小説15選

曰くつきの物件に、呪われたお屋敷――。 そんな「家」にまつわるホラー小説の中から、令和(2019年5月以降)に刊行された15作品をご紹介します。 ほのかに香る恐怖から畳み掛けるような恐怖まで、読み心地はさまざま。 あなたはどの「家」に足を踏み入れますか? 令和に生まれた「家」ホラー小説15選尾八原ジュージ『わたしと一緒にくらしましょう』(KADOKAWA単行本) この家からは、だれも出られない 織部泰助『死に髪の棲む家』(角川ホラー文庫) 死体にはひと房の髪を噛ませ

火焔の少女は生霊を返す。

理不尽な死 魂は燃え上がり 焼け落ちる記憶。 そして、真っ黒な感情だけが残る。 とある、家の庭で起きた悲劇。 片田舎の、田んぼのド真ん中の民家で 一人の女性が、ガソリンを撒かれて、火を付けられ焼死体となって発見された。 それなりの、炎と煙が起き。深夜であっても目立つはずだった。 片田舎で、おおきな悲鳴でも起きれば異変に気付いた人がいたかもしれないが。 隣家まで1キロもある辺境であったため、発見されず。 犠牲者は、精神治療のため独身女性M美が、ここへ移り住んでいた。

紫陽花の花嫁

 もうすぐ梅雨も明けるというのに、ぐずぐずしたミルク色の雲が空を覆っている。  今にも降り出しそうだ。  ​──こんな空を、いつか、どこかで見たな。    清花はふと思った。  胸の中がどろりと濁る。その感情は、記憶は、開けてはいけない箱に入っているような気がして……。     彼女は、違うことを考えることにした。  清花は、居間の中に目線を戻して炬燵に入った。テレビでは今日の感染者数が報道されている。昨日よりも少し、増えた。 「話しておかなくちゃいけないことがある

良くある話?

 これは私が聞いた話です。  私は結婚式の記念動画を編集するアルバイトをしていました。結婚式の動画撮影を終えたとに、マイクの調子が悪かった所や撮影を失敗した場面などをカットしたり、音量の調整をしていました。早回しはできないので何時間にも及ぶ動画を目で確認しなければいけないので、なかなか大変な仕事でしたが給料が良いので続けていました。カメラは3台あり、手元のコントローラーで操作をするので荒い場面もあったりします。今回の動画もある場面でミスがありました。一瞬ですが砂嵐のようにな

【不思議な話】死神?!ショートストーリー

今回は、母の体験です。 私がまだ幼い頃の、姉の保育園の運動会で。 運動場では運動会の準備をしていました。 祖父が、他2人のおじさん達と談笑中 あれ?と。 3人の真ん中で立っている祖父の周りだけが 黒い膜とゆーかオーラが黒くボヤけていたそうです。 でも、笑顔で普通に会話中でした。 母は咄嗟に 祖父は病に侵されていて 死期が近いと分かってしまったそう。 勿論誰にも言えません。 数ヶ月後、祖父は病気が発覚し、 手術もし退院しましたが 結局帰らぬ人となってしまい

皆さま、こんばんは。 カクヨムで投稿している「ヴィレッジ岩屋顛末」、第1章が終わったので、noteでも公開しようと思います。 すでにカクヨムにあるので、noteしか見ていない方向けの公開です。引き続き、カクヨムで第2章投稿していきますが、こちらでも楽しんでいただけますように。

【不思議な話】【実話怪談】押入れの中から

これは祖母が体験したお話です。 以前、祖母は一人暮らしをしていました。 昭和時代に建てられた、古い団地。 当時、新築で入居したそうです。 母はそこで育ち、結婚と共に家を出ました。 ある日の晩。 夜中目が覚めると、金縛りにあったそう。 すると、足元の方から なにやら音がします。 おそらく押入れから。 パチンッ パチンッ パチンッ 何回も同じような音がします。 聞き覚えがある音。 爪を切る音でした。 しばらくその音が続いて、気づいたら眠りに落ちていたそ

ホラー小説のネタバレなし読書感想『死体でも愛してる』大石圭

こんにちは。間が空きましたが、今回、感想をご紹介するのも角川ホラー文庫からです。 ジャンルとしては、サイコスリラーに近い、作風ですね。 『呪怨』や『死人を恋う』などでも有名な、大石圭さんの『死体でも愛してる』のご紹介です。 オムニバス(聞き手となる人物のお話と、各章で違う登場人物)で描かれた、今作を表すなら「4つの愛の物語」です。 四季の名前で4つに分けられた章のそれぞれに登場する人物たちが、自らを燃やすほどの狂おしい愛に身を焦がされ、破滅する姿が描かれています。

【掌編怪談】太郎(仮名)

 太郎(仮名)は、中学2年生だ。  将来は歌手を夢見る彼は、その自分の平凡な名前が嫌いだった。それだけで、自分が凡庸な人間だと言われている気がした。 (絶対に歌手になって、カッコ良い芸名を付けて、太郎なんてダサい名前と決別してやる!)  太郎は自室の勉強机に向かうと、机上にノートを広げ、白いページにマジックで大きく『太郎』と自分の名前を書いた。そのページを破り、丸めてゴミ箱に投げ捨てる。  必ず歌手になって太郎の名前を捨ててやる、という決意を現した、自己儀式的な行動だった。

【不思議な話】【心霊体験】赤い着物の女

今回は姉のお話です。 父方の、祖母の家は 山のふもとの町 関所があり、昔は栄えていたであろう商店街の 端に家があります。 家の隣に祖母の家があったので 休みの日はよく祖母の家にいました。 姉がいた部屋は、すりガラスの扉のあるリビング。 すりガラスの向こう側は廊下です。 そのすりガラスのすぐ横にこたつがありました。 扉のすりガラスの半分上は クリアで透明のガラスなっているので 向こう側はしっかり見える感じです。 ある冬の日、リビングのこたつでごろごろ、ウトウトしてい

【不思議な話】【心霊体験】【怪談】旅館のトイレで

今回も祖母のお話です。 1.2年前の出来事らしいです。 祖父と2人で、ある旅館に旅行に行ったそう。 夜中にトイレに起き、布団を出てトイレに向かいました。 そしたら 女性が、トイレの扉にもたれるように 俯きながら三角座りをしていたそう。 トイレに急いでいた祖母は とにかく早く退いてもらわないと、と思ったそうです。 「すみません!退いてもらえます?」 何度言っても、動いてくれなかったらしいです。 痺れを切らした祖母は、 力ずくで女性を横にどかし、なんとか扉を開けて

【不思議な話】【心霊体験】たくさんの指

母が子供の頃のお話です〜 私=母 私は物心ついた頃から小学校くらいまで 夏休みには秋田県の祖母の家によく遊びに行っていました。 何故かだんだん祖母の家に不気味な怖さを感じるようになってきたのです。 その日の夜,夕ご飯の時間から怖くて、眠る時刻が近づくに連れ怖くて仕方なかったのを覚えています。 私の寝る部屋は一階の奥 とても広い畳の部屋でした。 その部屋の周りはコの字型に障子に囲まれていて 障子を開けると横1メートル程の幅が廊下になっています。 部屋の真ん中に親

54字の物語 『夕焼けは舐めちゃいけないZe』 #シロクマ文芸部

 父が全ての部屋の窓にミラーシートを貼ってくれていて。先日、障子も貼り直したものの糊が悪かったのか、四隅からゆっくり剥がれていって……(今は再度貼り直し済み👌)  今日も車のドアを閉める音でばーちゃんが来たのに気づいたほど無駄に耳がいい私は、先日も「ん? 車の停まった音がしたぞ?」と障子の隙間から覗いていたら向こうもこちらを覗いていて、ビビりました😂笑😂外側からはたぶん明るい室内にいる誰かとわかったんだろうけれど、内側からだと暗闇から誰かもわからないまま話しかけられて、ビク

【不思議な話】【心霊体験】私の部屋に住む女

これは、私たち家族が 以前住んでいた団地でのお話です。 私たちは、母、姉、私の3人で とある田舎の団地に10年間住んでいました。 その団地は初めから少し不気味で 怖がりな私は、部屋に1人でいることさえできませんでした。 姉と私がそれぞれ部屋があり 私の部屋が広かったので 小学生低学年までは 2段ベットで、上に姉、下に私と母で寝ていました。 これは母の体験になります。 ある日、いつものように 3人で2段ベットに寝ていました。 夜中、母は金縛りにあったそう。 体が

BLホラー「冷蔵庫」小話

「なんで冷蔵庫2つもあるんだ?」  前々から思っていた疑問を投げかけると、部屋の家主は缶ビール片手にほんの少し眉を上げた。  大学で知り合い約2年。こいつの家に来た回数は片手程だが、俺は常々不思議に思っていた。  1Kのアパートに不釣り合いなデカい冷蔵庫が2つ。  1つはキッチンに、もう1つは居間に。  1人暮らしのアパートに大容量の冷蔵庫は2つもいらないだろ、とはじめてこいつの部屋に来た時から思っていた。  なにかこだわりがあるんだろう、1人暮らしだから食材の買い

大好きな私のサっちゃん

 築二十年くらいのくたびれたアパートの206号室で、私は大好きなサっちゃんとふたりで暮らしている。  築二十年というけれど、大家さんはとても熱心な人らしく、若い人のウケも良いようにしっかりリフォームもされている。立地もよくて交通の便もよく、最寄りの駅も急行が止まるものだから、郊外にありながら都心にも出やすくて、とても人気のある物件だ。おまけに、お家賃も相場よりだいぶお安いから、ちょっと空いてもすぐに次の人が埋まってしまう。  だから、サっちゃんと一緒に此処に住めたのは、と

【試し読み】貴志祐介『さかさ星』冒頭特別公開!

貴志祐介さんが手掛ける待望の長編ホラー『さかさ星』(KADOKAWA単行本)が、2024年10月2日(水)ついに発売! 本記事では刊行を記念して、63ページまで大ボリューム特別公開します! 物語の冒頭をどうぞお楽しみください。 あらすじ 『さかさ星』試し読み ACT1 SCENE1  秋雨は、早朝からずっと降り続いていた。  中村亮太は、ワゴン車の窓越しに、濡ぬれそぼつ町並みを眺めた。小糠雨かと思っていると、いきなり勢いを増して驟雨へと変わる。風も吹いたり止やんだ

【小説】みぃちゃんの友達

あのひはおそらがあかかった。 まだ、みぃちゃんはめがしょぼしょぼしてて、ままのおひざでねてるとおもってたの。 ままがいなくなってて、おへやのそとにでたら、ままがいた。 ままだっこっていったのに、ままはだっこしてくれなかったの。 ままのおなかがおっきくって、あるいたりたったりたいへんなんだって。 ままのおなかにはあかちゃんがいるの。 「まりちゃんが生まれたら、みぃちゃんがお姉さんになるんだよ」 ままは なんかいも そういってた。 ままうれしそう。 あかちゃんはやくうまれて

【短編ホラー】ショッピングモール

ハァッハァッハッ 息が切れる。もう何分走っているのだろう。後ろを振り向くと、血走った目の男が追いかけてくる。 怖い、逃げたい。なんで私がこんな目に? 泣きそうになって唇を噛み締める。こんなことありえない。絶対に現実じゃない、悪い夢に決まってる。 「覚めろ…覚めろ…覚めろ…」 祈るように呟く。そうだ、この恐ろしい出来事が起こる前に、何かきっかけがあったはずなんだ。 私は回らない頭で必死に今日の出来事を思い出した。 数時間前、私は隣町にあるショッピングモールに訪れた。 ここは

彼は何を聴いたのか

これは私が知人から聞いた話です。  彼は西日本の田舎出身だったそうです。地元の高校に通っていた時、クラスメートから肝試しに行った話を聞いたそうです。 「あれは怖かったな。」 「もう行きたくないよ。」 と友人たちが楽しそうに話していたそうです。 彼は、卒業までの最後の夏を楽しみたいと特に仲の良い友人グループと肝試しに行ってみようと持ち掛けたそうです。   「高校時代最後の夏だしよ。せっかくだから肝試しに行かないか?」 いつものグループは僕を含めて4人組だ。ここで

誰か教えてください

これは私がインターネットで読んだ話です。    「2007年・10月29日の午前1時半ごろにやっていたテレビ番組の詳しい情報を持っている方はいますか?急ぎお願いします。」  「内容は、何もない背景に目が真っ黒な女の人がずっとこちら見ているだけで、音はありませんでした。」  「それが5,6分続いた後突然女の人が笑ったり、こっちをのぞき込む?ような姿勢をとり、再び元の無表情に戻りました。瞬きは一回もしません。」  「最後のナレーションが(今夜彼女があなたの夢に出ます。)

ははのアイ

これは私が聞いた話です。彼女は、2か月後に赤ちゃんが生まれる妊婦さんでした。  彼女は、小学六年生の頃に仲の良かった友人の死を目の前で見てしまったそうです。もちろん、彼女は消えない悲しみを持っていますがそれ以上の恐怖、一種の「トラウマ」をその日その現場で植え付けられてしまったそうです。  彼女は当時、買い物の帰りに友人であるAちゃんがお母さんと歩いている姿を発見して手を振ります。 「Aちゃん!お買い物?」 大きな声で信号の先にいるAちゃんを呼びました。Aちゃんは、

10月になりました

ここ数日、ようやく涼しさも感じるようになりました。 しかし「十年に一度の異常気象」といわれている暑さは、まだまだ続きそうです。 note創作大賞2024、皆さまお疲れ様でした。 中間結果が出ましたが、だめでしたね。残念。 ホラー部門が初めて設定され、応募者数も過去最高だったようです。 私の周りの知り合いも何人か応募していました。 でも、公募系って基本的にコツコツと書いていくので、こういう投稿サイト主催の賞は、参加者同士で盛り上げられるのでお祭りみたいでいいですね。 初めて

おんぶしてくれませんか

これは私が経験した話です。当時私は地元であるS県に住んでいました。高校2年生の頃、7つ年上の兄と一緒に近所の河原を散歩していました。私の地元には川が弐本流れていて、その真ん中に中土手がある作りになっています。 夏の夜、蒸し暑さの中私は兄とたわいのない話を交わしながら歩いていました。地元は、田舎というわけではないのですがそれなりに夜になると暗くなります。川の流れる音、風が吹くと近所の林が揺れて何かの声に聞こえてきます。少し怖くなり、緊張をほぐすように兄と大きな声で会話を続けて

30分あれば読めるポケットサイズ小説

最近何かジャケ買いしたものはありますか? 私は久々に見た目に惹かれてこの小説を購入! 本屋に平置きされていたんですが、口が強調されたイラストに、インスタのストーリーズでもつくれそうな文字配置、裏を見てもあらすじが書かれていないという怪しさ。 小説なのか何なのかすらわからないし、私は作者の名前をはじめてみたので、どちらがタイトルかもわからない。包装はガチガチで立ち読みもできない。 そして何よりポケットサイズで小さくてうすい。 購買意欲が掻き立てられて仕方ないわけです。

【ホラー感想】潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

ここのところアニメに便乗して開始した米澤穂信の読み込みをずっとやっていたうえ、書くにつれて話がガバガバ広がるため疲弊しました。 ということで、ちょっと軽いもので一休み。 …と思って書いていたらいつのまにか1万字を軽くオーバーしてました。 たまには短いもの書けねーのかコイツ。 角川ホラー文庫の30周年記念企画として、「最恐のホラーアンソロジー」というシリーズが登場しています。noteにも紹介記事がありますね。 ところで第1弾と第2弾が8月に同時刊行されたのに、何故か第3弾

救いと偽善

これは私が聞いた話です。  彼はテレビ番組の作成にかかわる仕事をしていました。ある日番組で、樹海に入り探索をする企画に参加したそうです。樹海の中にはやはり自殺跡が多く、放送できるかどうかギリギリのところだったそうです。しかし、番組プロデューサーは取れ高があるとのことでそのまま続行されてしまいました。  樹海の中にはたくさんの遺留品がありました。たくさんの方に謝罪している遺書や、生活用品がありました。モザイクを入れると言って発見された白骨死体も映していました。  撮影して

5分小説 『月の色』 #シロクマ文芸部

 月の色が位置によって白や黄色だけじゃなく、くすんで見えるように人によって見え方は異なるものなのだとつくづく思う。 「鬼無さんどうかした?わからないところでもあった?」 ミーティングが終わり、みんなが席を立つ中、未だ配布された資料を読んでいた私を気にかけてくれる人がいた。永井さんだ。 誰にでも優しくて、裏表のない明るい性格で何でも器用にこなすうちの職場の人気者。 それなのに、なぜか、私は 「……や、何もないです」 永井さんが苦手だ。 「ならいいけど……気になるこ

【短編ホラー】人喰い女

「寒い…しぬ…」彰人が身震いする。 「そんなに…?」私は縮こまっている彰人を見ながらため息をついた。この林に入って10分程たったが、一向に道に出る気配はない。 11月も終わりの真夜中にこんな林を彷徨っているのも、オカルトオタクの彰人のせいだ。 「人喰い女がでる林だって!」 「…はぁ?」 2ヶ月前、いつものようにオカルト情報収集に勤しんでいた彰人が目を輝かせてネット記事を見せてきた。 〇〇県西南部に位置する□□林には人喰い女が出る。その昔、夫に暴力を振るわれていた女はあると

【短編小説】曖昧な記憶

久しぶりの帰省。玄関を開けた瞬間、懐かしい家の匂いが鼻をくすぐり、夏美は一瞬、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。外では、木々のざわめきが風に揺れる音が微かに聞こえる。いつもと同じ、実家の静かな夜だ。 「おかえり、久しぶりだね。」 母親がにこやかに出迎えてくれる。 「ただいま。随分、久しぶりだね。」 夏美は笑顔を返しながら、仕事に追われる日常から切り離された心地よい空気に、懐かしさと安堵感を覚える。 母親が用意してくれた夕食のテーブルは、昔と変わらない家庭の味で満

私が小説を書きだした理由

おはようございます。 謎の物体キヲと申します。 今回は「私が小説を書きだした理由」について、お話しさせて貰います。 私はごく普通の一般人です。 好きな音楽はMrs. GREEN APPLE、宇多田ヒカル、Ado、レミオロメン、アニソンなどです。 影響を受けた小説は西尾維新さんの「戯言シリーズ」、中村恵里加さんの「ダブルブリッド」、漫画は「東京アンダーグラウンド」、「BLEACH」、「HUNTER×HUNTER」、「フルーツバスケット」です。 普通のオタクという感じですが、中学

最近流行ってるらしい

ホラー小説が最近流行ってるらしいと聞き 昔から好きだった身としては 「ふう、やっと時代が私に追いついてきたか」 と勘違いしてる次第です。 いい時代になったものですね(^^) 図書館で借りる本がそのテのものばかりなので 司書さんから貸出履歴見られて 「なんかとんでもねえヤツがこの地域に住んでる」 と勘違いされてるんじゃないかと図書館に行くたび毎回ドキドキです。 (司書さんはそんなことしない) よく読む作家さんは澤村伊智さん、恒川光太郎さん、あと、宮部みゆきさんの三島屋シリー

高校生におすすめのホラー小説7選

今回は高校生向けにおすすめのホラー小説を7冊紹介していきます。 高校生がホラー小説を読むメリット高校生がホラー小説を読むことには、さまざまなメリットがあります。ホラー小説は単なる怖い物語ではなく、感情や想像力、思考力を刺激する重要な要素を持っています。以下に、ホラー小説を読むメリットを挙げます。 ホラー小説は単に恐怖を与えるだけでなく、感情や想像力、思考力を深く刺激し、心理的な理解や集中力、批判的思考力を養う貴重な読書体験を提供します。高校生にとって、ホラー小説を読むこと

小学生におすすめのホラー小説5選

今回は小学生向けにおすすめのホラー小説を5冊紹介していきます。 小学生がホラー小説を読むメリット小学生がホラー小説を読むことには、さまざまなメリットがあります。ホラーのジャンルは単に怖いだけでなく、感情の幅を広げ、思考力や創造力を育てる要素が含まれています。以下に、具体的なメリットを挙げます。 ホラー小説は感情の成長や思考力、想像力、問題解決能力など、さまざまな面で子どもにメリットをもたらします。適切な年齢と内容のホラーを選ぶことで、楽しみながら学びを得られる有意義な読書

命がけの片思いが切ない! ありそうでなかった鉄道×恋愛×ホラー『眼下は昏い京王線です』

『眼下は昏い京王線です』 芦花公園 2024/8/28 大学二年生の琴葉は、サークルの飲み会の帰りにお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれた「シマくん」という男性にひとめぼれし、猛アプローチの末に連絡先を交換します。それが命がけの片思いの始まりとも知らずに……。 琴葉によれば、シマくんはいわゆるイケメンとは違うけれど、蕩(とろ)けるような低い声で、メスを引き寄せる謎の電磁波みたいなものを発しているそうですが、はっきり言って変なヤツです。 「幽霊に会う」ことを切望す

ダークな読後感が癖になる!土着信仰×土地の因縁『極楽に至る忌門』

『極楽に至る忌門』 芦花公園 2024年3月25日 四国の山間部に伝わるとされる猿神信仰をベースにした、4扁の作品が収録されたオムニバス。昔からその辺りの山には天子(てんじ)と呼ばれる猿に似た化け物が住んでいて、時々人と話をしに山から下りてくるという。天子は死後に極楽に行ける門の鍵を持っていて、ある契約を結べばその鍵を貸してくれるが、その契約とは、体の一部を3か所捧げ、最後に自分にとって一番大事なものを差し出すことだという。 そして怪しい地蔵のような石像や、わらべ歌。お互い

ショート怪談「人形」

ある日、臼井(うすい)さんは、通販アプリで和服を着た等身大の球体関節人形を見つけた。等身大という大きさや球体関節人形ということもあって、その人形はまるで生きているかのような感じがした。その魅力に惹かれた臼井さんは、例の人形を買うことを決心した。 数日後、その人形は宅配を通して自宅に届き、リビングに飾られた。その日から、臼井さんの身に不可解な現象が起こり始めた。深夜、臼井さんは人の気配を感じて目を覚ました。リビングの辺りから足音、そして微かに聞こえる女の笑い声がする。そう、例

“噂”の怖さや“不思議”体験まで、辻村深月の原点を垣間見せる13篇『きのうの影踏み』

はじまりは映画だった 辻村深月(つじむら みづき)さんは、メフィスト賞を受賞したデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』や、直木三十五賞に輝いた『鍵のない夢を見る』などが代表作とされます。 …みたいなことを「ウィキペディア」で調べました。 初めてその名に注目したのは同名小説を実写化した映画『ハケンアニメ!』です。 予告映像を偶然見たら、吉岡里帆と中村倫也が出ているではないですか。 「刺され、誰かの胸に」はヒロイン役の吉岡里帆が劇中で話すセリフの一つ。 私はその後しばらく

霧のボート

辺りには濃い霧が広がっていて、それをかき分けるように一艘のボートが進んでいく。 水面の上を滑るように、音もなく、あてもなく、ボートが進んでいく。 ボートに乗っているのは制服姿の二人。 ゆっくりとオールを漕ぐ少年を見つめながら、少女は目を細め、口を開く。 「木田君と二人きりでデートできるなんて、夢みたい」 少女の声に抑揚はなく、無機質で、その無機質が言う。 「ねえ木田君、そっちへ行ってもいい? でもあんまり近寄ると、重心が偏ってボートがひっくり返っちゃうかな」 少女は

中学生におすすめのホラー小説7選

今回は中学生向けにおすすめのホラー小説を7冊紹介していきます。 中学生がホラー小説を読むメリット中学生がホラー小説を読むことには、以下のようなさまざまなメリットがあります。 中学生がホラー小説を読むことは、想像力や読解力の向上、感情のコントロールや問題解決能力の強化など、多くのメリットをもたらします。また、非日常的な刺激を楽しみながら、道徳的な教訓を学ぶ機会にもなります。怖いものに触れながらも、それを楽しむことで、成長に役立つ経験が得られるでしょう。 中学生におすすめの

報告:読了後もこの本のタイトルを想起できない(認識災害)

冒頭「同一SCPについての複数の報告( 作者自身が旧Twitterで「SCPじみた怪奇創作」として投稿しておられます)」みたいな感じで始まり、徐々に裏の統一されたストーリーが見えてくるという展開です。SCP財団をご存知の向きには「SCP-001/Kalininの提言」と言えば伝わるかと思いますが、3時間ほどが心地良く消えます。 おすすめ。 これはKindle版について改善を期待したいのですが、こういう「過去の章のエピソードに言及し、伏線を張りながら進む小説」についてはきちん

小説版『アヤカシバナシ』行進

小学生の低学年の頃の話です。 それはそれは歴史ある古い小学校でした。 グラウンドも口の字型の校舎の真ん中にあり、 中庭と呼ばれるほどに古かった。 転校してからグラウンドって何?これ?広っ!て思ったくらいだ。 その小学校には施設が設けられており、 家に帰っても親が居ないから遅くまで預かりますと言う場所。 記憶では迎えに来ない親が居て、泊まったと言う話もあった気がする。 今はそんな事ないと思うが、昔は善意で用務員さんが 一緒に泊まってくれたりしたらしい。 現在

#灼いてるの

 覚醒した。  しかし身動きは出来ない。  冷たい台に寝そべって、天井を見上げている。  正面のドアが開いて、鎮痛な表情をした妻が入ってきた。傍らには学生服を着た息子がいる。普段なら詰襟を開けているのだが、やけにぴっちりと整った様子だ。  おお、と右手をあげようとした。  珍しく親戚の顔も連なっている。  余り風紀の良くない地域だった。  急傾斜地に張り付く住宅街で、漁港に近く、風には生臭さが浮いている。殊に最近では外国人の姿が目立っている。  その浪の上地区へ行くには細道