三條 凛花 │ "時間が貯まる"ノート本著者

《時間を貯めて、よくばりに生きる》がモットー。 著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』…

三條 凛花 │ "時間が貯まる"ノート本著者

《時間を貯めて、よくばりに生きる》がモットー。 著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/9刷)など6冊📚 超多趣味で飽き性だけど、ブログは2015年から毎日更新し3000記事突破。書くのが生き甲斐でエッセイ、コラム、小説なんでも書きます✒️ 青森出身🍎香川住み🍲

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3,566日間続けた”毎日更新”を、今年の大晦日で終える理由

はじまりは、大晦日の夜だった。 あらかじめ書いてあった文章を、何度も何度も読み直した。 ひどい動悸と目眩がした。 呼吸は浅く、紅白の好きな歌手の出番も忘れ、ガキ使を見て笑う夫の横で、わたしはパソコンに向かっていた。 年が明けた。 きゅっと目を瞑り、公開ボタンを押した。 「投稿、できたのかな……」 実感はなかったけれど、こうしてわたしははじめての記事を世界に送り出した。 人生最大の挑戦で、こころを、暮らしを、生き方を変える、大きな分岐点だった。 ブログの名前は「36

    • #気まぐれ猫の勉強法 セブンルール│3日坊主のわたしが1年で70講座受けた話

      「あなたは、むだなことばかりするのね」 それは忘れもしない中学1年生の春。 放課後の職員室での出来事だった。 「ノートに書くのは勉強じゃない」 わたしと相性の悪かった担任の先生は、足を組んで、おそらく成績が書かれているのであろう書類に目を落としながら、トントンと指で額のあたりを叩いた。 「書き写すのは、むだなことなの」 一文字ずつ言い含めるように、先生は言った。 八の字に下がった眉と、上がった口角が柔和な印象なのに、ぴしゃりと水をかけられたかのような温度のない台詞

      • ロゼットに落ちる春[短編小説]

         こっくりと赤いルージュを塗って家を出た。たった一つのいつもと違う行動が、私の運命を変えたのだと思う。  まるで浅瀬に漂っていた硝子の欠片が、強い波に攫われて沖へと押し出されるような、――そういう抗えない力が働いていたようにしか思えない。  あの頃の私は、胸の奥がしんと冷えるような寒さをいつも感じていた。  ふだんなら絶対に選ばない、こっくりとした深い赤色のルージュ。その口紅を手に取ったのは、ほんの気まぐれだった。このご時世だ。誰かに口元を見られるわけでもないのに。

        • #今週の家事 「秋の紙掃除」など

          こんにちは、実用書作家の三條凛花です。 家事術・ノート術・時間術の3本柱でブログを書いています。 毎日更新3,600日目です。 たくさん書いているからこそ、すぐに流れてしまうのがもったいなくて、ここで1週間分の記事を紹介してみることにしました。 1│年末調整前にすっきりさせよう♡ 秋の”紙掃除”10日チャレンジ11月になり、少しずつ年末の雰囲気になってきましたね。慌ただしくなる前に、家の紙モノ整理をいっしょに進めてみませんか? とくに、年末調整に向けての書類整理は早め

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          [子どもの笑顔を引き出す讃岐旅]“高松空港周辺”1日観光モデルコース

          「日本一小さい県」である香川県は、県の端から端まで移動するのもとってもかんたん!  観光地がコンパクトにぎゅっと凝縮されていて、少ない移動時間でたっぷり楽しめるのが最高なんです。 弾丸旅でも十分満足できます。   とくに、空の玄関口である「高松空港」周辺には、子どもが喜ぶ場所が密集しています。 今回はその中から3つのスポットを厳選して、朝に高松空港からスタートし、夜には飛行機に乗って帰れるくらいの"日帰り旅ができるプラン"をつくってみました。 おすすめの持ちものリストや基

          [子どもの笑顔を引き出す讃岐旅]“高松空港周辺”1日観光モデルコース

          #今週の家事 朝の"DD"チャレンジやサンタしごとなど

          こんにちは、実用書作家の三條凛花です。 家事術・ノート術・時間術の3本柱でブログを書いています。毎日更新3,576日目です。 たくさん書いているからこそ、すぐに流れてしまうのがもったいなくて、ここで1週間分の記事を紹介してみることにしました。 朝時間を充実させる、たった1つのルール皆さんは、朝の時間をどのように使っていますか?  早起きして朝活をしている人、いつもギリギリになって困っている人、さまざまだと思います。わたしはその中間の感じです。笑 時間には間に合うのだけれ

          #今週の家事 朝の"DD"チャレンジやサンタしごとなど

          #今週の家事 住所録整理や忘れがちな場所の掃除など

          「忘れがちな場所の掃除リスト30」 部屋がきれいに見えても、実は汚れが溜まっている「忘れがちな場所」、あなたのおうちにもありませんか? わが家にもいろいろあります。見えない部分は、やっぱり「あとでいいや」となりがちです。 そんな「見えない場所」に焦点を当てた掃除リストをつくりました! 2000円でゆで卵作りが劇的にラクになる ゆで卵を作るのが面倒だと感じること、ありませんか?「お湯を沸かすだけなのに」と思いながらも、鍋を出して、水を入れて、火にかけて…それだけで少

          #今週の家事 住所録整理や忘れがちな場所の掃除など

          年に1度、文字の"揺らぎ"を調律してみた話

          子どもたちが寝静まった深夜。 わたしは、大理石柄のデスクの、一番下の引き出しを開いた。そうして一年ぶりに、ある冊子を取り出した。 何年か前に100円ショップで購入した美文字練習帳だ。ほんの数ページしか手をつけていない。 でも、大丈夫。これでいい。 この練習帳は「1年に1度、1週間だけ」集中的に使うためのものだから。 9歳のわたしは、自分の書く文字がコンプレックスだった。 丸っこくて子どもっぽい。それなのに可愛いわけでもない、なんだか不細工な文字。 そんなある日、進研

          年に1度、文字の"揺らぎ"を調律してみた話

          メイクが溶けて消えたから、毛布を洗った。

          その日は、いつもよりすこしメイクがうまくいった。 眉毛は眉尻をきりりと描いて、目の形はひし形になるように、少しずつ慎重に、ブラウンを足した。 いまだに半袖を着ているけれど、少しでも秋めいた感じを出したくて選んだのはブラウンのリップ。もともと薄いくちびるは持ち合わせていないけれど、下くちびるを、もともとの輪郭からはみ出すようにして、好きな女優のそれに近づけた。 鏡を見ると、いつもより大人らしい顔立ちになった自分が映っていた。 けれども、時間をかけて丁寧にほどこしたメイク

          メイクが溶けて消えたから、毛布を洗った。

          紫陽花の花嫁

           もうすぐ梅雨も明けるというのに、ぐずぐずしたミルク色の雲が空を覆っている。  今にも降り出しそうだ。  ​──こんな空を、いつか、どこかで見たな。    清花はふと思った。  胸の中がどろりと濁る。その感情は、記憶は、開けてはいけない箱に入っているような気がして……。     彼女は、違うことを考えることにした。  清花は、居間の中に目線を戻して炬燵に入った。テレビでは今日の感染者数が報道されている。昨日よりも少し、増えた。 「話しておかなくちゃいけないことがある

          憑かれたら、シャワーで流す

          幼稚園のエントランスに差しかかると、耳をつんざくような泣き声が響いてきた。 知り合いのママが途方に暮れている姿が見える。腕に抱えた女の子は、顔を真っ赤にして、腕をバタバタさせながら泣き叫んでいるのだ。 「なにかに取り憑かれてるみたいな癇癪」 彼女は、子どもの泣く様子をそう言った。 朝、その子を見たときはにこにこしていたのに、いまは別人のようだ。 「最近こうなの。よくわからないことで癇癪を起こして、止まらないんだ」 そのママは、絞り出すように言った。 この手の話を聞い

          大掃除にどうぞ。「忘れがちな掃除箇所リスト30」

          1│ 年越し準備は、10月スタートがおすすめの理由年越し準備は、10月中にスタートするのをおすすめしています。 10月のおすすめはこちら。 直近だと、「10月10片」について書きました。 記事内では、よりハードルを下げた「10月10捨」も紹介しています。 とくに、この時期に粗大ごみを出しておくと、大掃除もラクになるし、年末慌てません。お住まいの場所によっては、粗大ごみの回収が12月中旬までだったりすることもあります。 「新しい年を迎える前に処分したい」と思っても、間

          大掃除にどうぞ。「忘れがちな掃除箇所リスト30」

          #今週の家事 クロージング家事や価値観づくり

          ハロウィンの献立シートを配布しました 年に1度のことだからこそ、迷わなくていいように、記録するのをおすすめしています。全部できなくて大丈夫です。わたしも全部はむり。 時間や気力に余裕があるときだけでもやっておくと、パズルのピースを埋めるように、少しずつ、すこしずつ、迷わない仕組みができていきます。 このシート結構便利なんですよ。献立表と買いものメモを兼ねているんです。 新しいものをつくるなら無理だけど、前と同じでいいなら迷わず作れます。 ▼そうそう、去年は、スペイン

          #今週の家事 クロージング家事や価値観づくり

          ヤンデレ猫ちゃんに溺愛されています?

          小学生のころ、実家の畳に寝そべって、何度もくり返し読んだページがある。たぶん、子ども向けの雑誌だったのだろうと思う。 そこには、見開き1ページで猫についてのさまざまな情報が書かれていた。さわられると嫌がる場所と喜ぶ場所。しっぽの動きから読み取る気持ち。静かなのが好きだから、子どもよりお年寄りと過ごすのを好むといった内容だ。 五歳の頃までは、実家に途切れることなく猫がいたらしい。乳幼児期のわたしの写真には、必ずどこかに猫が映り込んでいる。 いつもそばにいてくれる猫がいたら

          ヤンデレ猫ちゃんに溺愛されています?

          春紫苑と新聞

          この作品は、こちらの別視点として書いたものです。2分で読めるので、よかったらお先にどうぞ。 小春を好きになったきっかけは、双子の弟と自分を確実に見分けてくれたからだった。 弟の蒼次はIQがずば抜けて高く、両親は弟をさまざまな習い事に送り込んだ。 僕は鍵を持たされて、ひとりで家に帰ることが多かった。「あなたのことは、伸び伸び育ててあげたいの」 母は笑顔で言っていたけれど、本心だとは思えなかった。 小春の家は三軒隣で登校班がいっしょ。自然と学校帰りに遊ぶようになった。

          インスタで見かけた人に出会った話

          行事で学校に行ったその日、わたしは目の前に立つ華やかな女性を見て、息を飲んだ。前に、インスタで見た人だ──。 わたしはママ友とよくモーニングに出かける。先輩ママから「小学生は帰りが早いから、ランチだとゆっくりしゃべれないんだよね」と教えてもらった。 ママ友が車を出してくれることが多いので、わたしはなるべくお店のリサーチをするように心がけている。その日も、気になるカフェの投稿を、ハッシュタグで追っていた。 「写真、綺麗」 そう思って投稿をタップした。それから、特に深く考

          インスタで見かけた人に出会った話