三條 凛花 │ "時間が貯まる"ノート本著者

《時間を貯めて、よくばりに生きる》がモットー。 著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/9刷)など6冊📚 超多趣味で飽き性だけど、ブログは2015年から毎日更新し3000記事突破。書くのが生き甲斐でエッセイ、コラム、小説なんでも書きます✒️ 青森出身🍎香川住み🍲

三條 凛花 │ "時間が貯まる"ノート本著者

《時間を貯めて、よくばりに生きる》がモットー。 著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/9刷)など6冊📚 超多趣味で飽き性だけど、ブログは2015年から毎日更新し3000記事突破。書くのが生き甲斐でエッセイ、コラム、小説なんでも書きます✒️ 青森出身🍎香川住み🍲

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3,566日間続けた”毎日更新”を、今年の大晦日で終える理由

はじまりは、大晦日の夜だった。 あらかじめ書いてあった文章を、何度も何度も読み直した。 ひどい動悸と目眩がした。 呼吸は浅く、紅白の好きな歌手の出番も忘れ、ガキ使を見て笑う夫の横で、わたしはパソコンに向かっていた。 年が明けた。 きゅっと目を瞑り、公開ボタンを押した。 「投稿、できたのかな……」 実感はなかったけれど、こうしてわたしははじめての記事を世界に送り出した。 人生最大の挑戦で、こころを、暮らしを、生き方を変える、大きな分岐点だった。 ブログの名前は「36

    • 新しい地図、つくります。23区から田んぼへ。

      ずっと東京で生きていくと思っていた。 けれどもわたしはその日、灼熱の照り返しで顔を真っ赤にしながら、見渡す限りどこまでも続く田んぼの中を、途方に暮れて歩いていた。 雪深い地元にもどり、地吹雪を浴びながら歩く人生プランなら、子供どものころに想像したことがあった。 そんな未来もあるかもしれないと。 でも現実は、まったく考えたことがない道を歩んでいる。 1.迫りくる田んぼ、あるいはコガネムシ「ねえ、ケイちゃんにもう会えないの?」 8畳の和室いっぱいにおもちゃを広げて遊んで

      • 神になった夫と、毒を飲み干すわたし

        ようやく来てくれた秋が、荷物をまとめてしまったある平日の昼下がり。 夫とわたしは、ふたりきりで山奥にいた。まわりには人ひとりいない。 出番が来たばかりのマウンテンパーカーは、冬の襲来を防いでくれなくって、わたしは身体を抱き込むようにして小刻みに震えていた。 ふたりきりの過ごし方を、手探りで見つける夫は、平日と土日のどちらかに、一日ずつ休みがある。 だから、子どもたちがふたりとも入園したあと ”ふたりきりの時間” が急に生まれた。 わたしたちは親に子どもを預けて出かける

        • 猫に正体を暴かれた話

          猫に正体を暴かれたのは、何年も前のお正月のことだった。忘れもしない。1月2日。 夫とわたし、そしてまだ幼かった娘は、夫の実家で年末年始を過ごしていた。 結婚前は必ず実家で年越しをしていたので、雪がない正月にはまだ慣れずにいたものの、だからこそ外で遊べる楽しさも味わっていた。 その日は、娘を寝かせたあと、暗闇のなかで夫婦それぞれぼんやりとスマホを見ていた。 小さな子がいると帰省中の夜は特にすることがない。お義母さん手作りの、定食屋さんみたいなおいしいごはんをいただき、人の

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          11/30まで1月分、12/10まで2月分を募集しています。皆さんの暮らしのヒントをおすそ分けいただけるとうれしいです🙏 https://note.com/rincasanjo/n/nc6eaa6c2eeeb

          11/30まで1月分、12/10まで2月分を募集しています。皆さんの暮らしのヒントをおすそ分けいただけるとうれしいです🙏 https://note.com/rincasanjo/n/nc6eaa6c2eeeb

          家事を好きになるコツは〈ひき算〉と〈たし算〉

          「わたし、家事がきらいじゃなかったのかも……?」 そう気づいたのは25歳のとき。 大学時代に参加したインターンシップの、同窓会でのことだった。 「結婚生活はどう?」と聞かれたので「家事がつらすぎて」と打ち明けた。 当時のわたしにとってそれは深刻な問題だった。狭いワンルームはゴミ屋敷状態。今日こそ!と思っても気づくと夕方で。 友人はきょとんとした顔をしたあと、破顔して「またまたぁー」とわたしの肩をバシバシ叩いた。 「凛花ちゃん、家事好きでしょ? 泊まりに行ったときさ、

          家事を好きになるコツは〈ひき算〉と〈たし算〉

          ”気まぐれ猫”の夜の時間割

          夜の過ごし方を思い返してみると、その時々で、異なる"色"があった。 子どもの頃は橙色。 高校生のときは眩しい白。 大学時代は深い紺色とたまご色……。 "いま"をいつか振り返ったとき、どんな色が見えるのだろう。 *  *  *  *  * 夜の時間割をざっくり決めて過ごしている。 21時台は戦いだった。 2人の子どもたちがずっとふざけたり、騒いだりして眠らない。 ”母らしい”行動ではないかもしれないけれど、待つのをやめたらラクになった。 待つのをやめつつ、子どもを

          私設月刊誌『tote』に掲載する”暮らしのショートエッセイ”募集

          いつもnoteをご覧いただきありがとうございます。 今回は、掲載用のエッセイ募集についてのお知らせです。 私設月刊誌『tote』エッセイ募集要項 この大晦日でブログ毎日更新10年になります。 11年目からは、更新頻度を減らすかわりに違うことをしたいな……とかねてから考えていました。 ▼わたしの経歴はこちら。 これまで、読者さんに「紙」で読めるものを提供したところ喜んでいただけたので、PDFでダウンロード・印刷できる"月刊誌”のようなものをつくろうと思いました。 ▼

          私設月刊誌『tote』に掲載する”暮らしのショートエッセイ”募集

          #気まぐれ猫の勉強法 セブンルール│3日坊主のわたしが1年で70講座受けた話

          「あなたは、むだなことばかりするのね」 それは忘れもしない中学1年生の春。 放課後の職員室での出来事だった。 「ノートに書くのは勉強じゃない」 わたしと相性の悪かった担任の先生は、足を組んで、おそらく成績が書かれているのであろう書類に目を落としながら、トントンと指で額のあたりを叩いた。 「書き写すのは、むだなことなの」 一文字ずつ言い含めるように、先生は言った。 八の字に下がった眉と、上がった口角が柔和な印象なのに、ぴしゃりと水をかけられたかのような温度のない台詞

          #気まぐれ猫の勉強法 セブンルール│3日坊主のわたしが1年で70講座受けた話

          ロゼットに落ちる春[短編小説]

           こっくりと赤いルージュを塗って家を出た。たった一つのいつもと違う行動が、私の運命を変えたのだと思う。  まるで浅瀬に漂っていた硝子の欠片が、強い波に攫われて沖へと押し出されるような、――そういう抗えない力が働いていたようにしか思えない。  あの頃の私は、胸の奥がしんと冷えるような寒さをいつも感じていた。  ふだんなら絶対に選ばない、こっくりとした深い赤色のルージュ。その口紅を手に取ったのは、ほんの気まぐれだった。このご時世だ。誰かに口元を見られるわけでもないのに。

          ロゼットに落ちる春[短編小説]

          #今週の家事 「秋の紙掃除」など

          こんにちは、実用書作家の三條凛花です。 家事術・ノート術・時間術の3本柱でブログを書いています。 毎日更新3,600日目です。 たくさん書いているからこそ、すぐに流れてしまうのがもったいなくて、ここで1週間分の記事を紹介してみることにしました。 1│年末調整前にすっきりさせよう♡ 秋の”紙掃除”10日チャレンジ11月になり、少しずつ年末の雰囲気になってきましたね。慌ただしくなる前に、家の紙モノ整理をいっしょに進めてみませんか? とくに、年末調整に向けての書類整理は早め

          #今週の家事 「秋の紙掃除」など

          [子どもの笑顔を引き出す讃岐旅]“高松空港周辺”1日観光モデルコース

          「日本一小さい県」である香川県は、県の端から端まで移動するのもとってもかんたん!  観光地がコンパクトにぎゅっと凝縮されていて、少ない移動時間でたっぷり楽しめるのが最高なんです。 弾丸旅でも十分満足できます。   とくに、空の玄関口である「高松空港」周辺には、子どもが喜ぶ場所が密集しています。 今回はその中から3つのスポットを厳選して、朝に高松空港からスタートし、夜には飛行機に乗って帰れるくらいの"日帰り旅ができるプラン"をつくってみました。 おすすめの持ちものリストや基

          [子どもの笑顔を引き出す讃岐旅]“高松空港周辺”1日観光モデルコース

          #今週の家事 朝の"DD"チャレンジやサンタしごとなど

          こんにちは、実用書作家の三條凛花です。 家事術・ノート術・時間術の3本柱でブログを書いています。毎日更新3,576日目です。 たくさん書いているからこそ、すぐに流れてしまうのがもったいなくて、ここで1週間分の記事を紹介してみることにしました。 朝時間を充実させる、たった1つのルール皆さんは、朝の時間をどのように使っていますか?  早起きして朝活をしている人、いつもギリギリになって困っている人、さまざまだと思います。わたしはその中間の感じです。笑 時間には間に合うのだけれ

          #今週の家事 朝の"DD"チャレンジやサンタしごとなど

          #今週の家事 住所録整理や忘れがちな場所の掃除など

          「忘れがちな場所の掃除リスト30」 部屋がきれいに見えても、実は汚れが溜まっている「忘れがちな場所」、あなたのおうちにもありませんか? わが家にもいろいろあります。見えない部分は、やっぱり「あとでいいや」となりがちです。 そんな「見えない場所」に焦点を当てた掃除リストをつくりました! 2000円でゆで卵作りが劇的にラクになる ゆで卵を作るのが面倒だと感じること、ありませんか?「お湯を沸かすだけなのに」と思いながらも、鍋を出して、水を入れて、火にかけて…それだけで少

          #今週の家事 住所録整理や忘れがちな場所の掃除など

          年に1度、文字の"揺らぎ"を調律してみた話

          子どもたちが寝静まった深夜。 わたしは、大理石柄のデスクの、一番下の引き出しを開いた。そうして一年ぶりに、ある冊子を取り出した。 何年か前に100円ショップで購入した美文字練習帳だ。ほんの数ページしか手をつけていない。 でも、大丈夫。これでいい。 この練習帳は「1年に1度、1週間だけ」集中的に使うためのものだから。 9歳のわたしは、自分の書く文字がコンプレックスだった。 丸っこくて子どもっぽい。それなのに可愛いわけでもない、なんだか不細工な文字。 そんなある日、進研

          年に1度、文字の"揺らぎ"を調律してみた話

          メイクが溶けて消えたから、毛布を洗った。

          その日は、いつもよりすこしメイクがうまくいった。 眉毛は眉尻をきりりと描いて、目の形はひし形になるように、少しずつ慎重に、ブラウンを足した。 いまだに半袖を着ているけれど、少しでも秋めいた感じを出したくて選んだのはブラウンのリップ。もともと薄いくちびるは持ち合わせていないけれど、下くちびるを、もともとの輪郭からはみ出すようにして、好きな女優のそれに近づけた。 鏡を見ると、いつもより大人らしい顔立ちになった自分が映っていた。 けれども、時間をかけて丁寧にほどこしたメイク

          メイクが溶けて消えたから、毛布を洗った。