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【ブックガイド】令和に生まれた「家」ホラー小説15選

曰くつきの物件に、呪われたお屋敷――。
そんな「家」にまつわるホラー小説の中から、令和(2019年5月以降)に刊行された15作品をご紹介します。

ほのかに香る恐怖から畳み掛けるような恐怖まで、読み心地はさまざま。
あなたはどの「家」に足を踏み入れますか?


令和に生まれた「家」ホラー小説15選

尾八原ジュージ『わたしと一緒にくらしましょう』(KADOKAWA単行本)

この家からは、だれも出られない

シングルマザーの美苗は、兄夫婦と両親、祖母が引っ越したばかりの家に幼い娘とともに身を寄せる。そこは有名な事故物件で「ある部屋に絶対に足を踏み入れてはいけない」と言われている。誰もいないはずの部屋から足音が聞こえ、眠ったままの娘がなにかに手を引かれるように寝室を出て行く。この家はどこかがおかしい……。美苗は霊能者を名乗る女性に助けを求めたが、ついにある日、その部屋から娘が意識のない状態で発見される。娘を助けようとする美苗は、この家に隠された、驚愕の過去を知る――。
第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞を受賞した著者による、戦慄の「家」ホラー!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

織部泰助『死に髪の棲む家』(角川ホラー文庫)

死体にはひと房の髪を噛ませよ。因習を創った奇妙な家を巡る怪奇探偵小説!

代筆の依頼を受け福岡の某村に向かった作家。そこには死人の口に髪の毛を詰めて弔う風習があった。幽霊の存在に怯える住民たち、さらに奇妙な死体が出て……? 第44回横溝賞<読者賞>受賞作!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

寝舟はやせ『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』(KADOKAWA単行本)

『今すぐ人生がどうにかなってもいい人募集中!』web発・日常侵食ホラー

実母のせいで貯金も住処も失ったタカヒロは、住み込みでマンションの一室を管理する仕事の求人を見つける。
雇用の条件は『隣人と必ず仲良くすること』。
他に行き場のないタカヒロはマンションに流れ着くが、待っていたのは明らかに人間ではない『隣人』だった。

「これは友達から聞いた話なんだけどね」
すでに23人が逃げ出したらしい部屋で、タカヒロはベランダ越しに怪談好きの隣人の話を聞くことに。
返答一つ間違えられない緊迫感の中、架空かと思われた怪談の内容は次第にタカヒロを取り巻く現実とリンクしていき――。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

貴志祐介『さかさ星』(KADOKAWA単行本)

呪われよ 子々孫々の果てるまで

戦国時代から続く名家・福森家の屋敷で起きた一家惨殺事件。死体はいずれも人間離れした凄惨な手口で破壊されており、屋敷には何かの儀式を行ったかのような痕跡が残されていた。福森家と親戚関係の中村亮太は、ある理由から霊能者の賀茂禮子と共に屋敷を訪れ、事件の調査を行うことになる。賀茂によれば、福森家が収集した名宝・名品の数々が実は恐るべき呪物であり、そのいずれか一つが事件を引き起こしたという。賀茂の話を信じきれない亮太だったが、呪物が巻き起こす超常的な事象を目にしたことで危機を感じ始める。さらに一家の生き残りの子供たちにも呪いの魔の手が……。一家を襲った真の呪物は? そして誰が何のために呪物を仕掛けたのか? 数百年続く「呪い」の恐怖を描く、待望の長編ホラー。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

小林泰三『家に棲むもの』(角川ホラー文庫)

『玩具修理者』『人獣細工』を生んだホラー短編の鬼才が放つ、7つの悪夢!

――天井を見ていると、引き摺り込まれちまうよ。

畳は腐り梁は限界、崩れ落ちそうな巨大な襤褸屋敷――
姑の世話をするため、文子は単身赴任の夫と離れ、娘と姑の3人でこの家に暮らし始めた。
屋敷に住み続けることに並々ならぬ執着を見せる姑、
家の中で不審死を遂げた舅の噂、娘だけが目撃する謎の老婆。そして屋敷中で感じる不気味な気配……
違和感の数々に導かれ、やがて文子はこの家に隠された驚愕の真実に直面する(「家に棲むもの」)。

ホラー短編の鬼才が放つ悪夢の7編。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

竹林七草『警視庁呪詛対策班 出向陰陽師と怪異嫌いの刑事』(角川ホラー文庫)

呪いで殺人は合法? 超常現象による犯罪を法で裁くオカルトミステリ!

法の上では存在しないものである「呪詛」や「呪術」は、それがどれほど悪辣なものであっても決して罪に問われることはない。だがもしも呪法や憑物、生霊といった加害者が存在する超常現象に、本当に人を害する力があったとしたら、善良なる被害者は泣き寝入りするしかないのか? そんな理不尽に対抗するため非公式に設立されたのが『警視庁呪祖対策班』--通称「呪詛対」。怪しい響きの通り、警察署でも知る人ぞしる組織だ。家屋の敷地に勝手に(呪いの)土器を埋めた者がいれば、家宅不法侵入並びに器物損壊罪。閉じ込めた蛇に共食いさせ蠱毒を仕掛ける者がいれば、動物愛護管理法違反。怪異を憎むがゆえ、霊的なものを受けつけず、怪異嫌いの堅物刑事の大場と、宮内庁より出向中の元陰陽師刑事の芦屋(と式神の白猫の小春)のバディが、「呪法の悪用」を見抜き、事件として立件!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

★「警視庁呪詛対策班」シリーズ他作品
第2弾『警視庁呪詛対策班 蠱毒と生霊と呪われた物件』(角川ホラー文庫)※2024年11月25日発売予定


大島清昭『最恐の幽霊屋敷』(KADOKAWA単行本)

転落が止まらない、 ジェットコースター級の事故物件ホラー長篇!

「最恐の幽霊屋敷」という触れ込みで、貸し出されている一軒家がある――。

幽霊を信じない探偵・獏田夢久(ばくたゆめひさ)は、屋敷で相次ぐ不審死の調査を頼まれる。婚約者との新生活を始めた女性、オカルト雑誌の取材で訪れたライターと霊能者、心霊番組のロケをおこなうディレクターと元アイドル、新作のアイデアを求める映画監督とホラー作家。滞在した者たちが直面した、想像を絶する恐怖の数々と、屋敷における怪異の歴史を綴ったルポ。そのなかに、謎を解く手掛かりはあるのか?

幾多の怪異と死の果てで、獏田を待ち受けるものとは――。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

織守きょうや『彼女はそこにいる』(KADOKAWA単行本)

「人が居つかない家、というものは存在する」恐怖が3度襲うホラーミステリ

第1話「あの子はついてない」
母と共に庭付きの一軒家へ引っ越してきた中学生の茜里。妹の面倒を見ながら、新しい学校に馴染んでゆく茜里だが、家の中で奇妙なことが起こり始める。知らない髪の毛が落ちている。TVが勝手に消える。花壇に顔の形の染みが出来る。ささやかだが気になる出来事の連続に戸惑う茜里。ある夜カーテンを開けると、庭に見知らぬ男性の姿が――。
第2話「その家には何もない」
不動産仲介会社に勤める朝見は、大学の先輩でフリーライターの高田に「曰わく付きの物件」を紹介して欲しいと頼まれる。次々に貸借人が入れ替わる家の話をしたところ、「内覧したい」という高田に押し切られて現地へ向かうことに。そこは最近まで中学生の娘と母親が暮らしていた庭付きの一軒家だった。
第3話「そこにはいない」
その家にはなぜ人が居つかないのか? 新たな住人をきっかけに、過去の「ある事件」が浮かび上がる。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

平山夢明、宇佐美まこと、大島てる、福澤徹三、糸柳寿昭、花房観音、神永学、澤村伊智、黒木あるじ、郷内心瞳、芦花公園『超怖い物件』(講談社文庫)

その家には、何かある。

超一流作家たちによる、絶対近づいてはいけない、
身の毛もよだつ「怖い物件」怪談集!

古民家を買った男は、なぜ家の中にある氷室のことが気になってならないのか(宇佐美まこと「氷室」)
自殺した妹の部屋が、しばらく後に訪ねていくと、元通りに復元されている(神永学「妹の部屋」)
家の真ん中にある座敷牢は、誰を閉じ込めるためのものだったのか(黒木あるじ「牢家」)
その家は、何か変だ(平山夢明「ろろるいの家」)。

――ほか、計11編。【文庫オリジナル】

講談社オフィシャルサイトより引用

小野不由美『営繕かるかや怪異譚 その参』(KADOKAWA単行本)

建物で起こる怪異を解くため、営繕屋は死者に思いを巡らせる。

怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい――。これぞ怪談文芸の最高峰!
建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。
恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編を収録。

「待ち伏せの岩」
渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。

「火焔」
イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。

「歪む家」
温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。

「誰が袖」
典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。

「骸の浜」
河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。

「茨姫」
死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

★「営繕かるかや怪異譚」シリーズ他作品
・第1弾『営繕かるかや怪異譚』(角川文庫)
・第2弾『営繕かるかや怪異譚 その弐』(角川文庫)


三津田信三『魔邸』(角川ホラー文庫)

”神隠しの森”に建つ家で、少年は恐怖に呑み込まれる。“最狂”の家ホラー

小学6年生の優真は、親の海外転勤の影響で、叔父と暮らすことに。しかし、叔父に連れられて訪れた家は“神隠し”の伝承がある森に建っていた。その家で過ごす最初の夜から、不気味な出来事が立て続き――。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

★「家」シリーズ他作品
・第1弾『禍家』(角川ホラー文庫)
・第2弾『凶宅』(角川ホラー文庫)
※シリーズ3作品をまとめて楽しめる電子書籍(3冊合本版)もございます。


朝宮運河 編『家が呼ぶ ――物件ホラー傑作選』(ちくま文庫)

逃亡不可能な恐怖が襲う珠玉のアンソロジー!

おそろしい家、奇妙な家、住みたくない家、不思議と惹かれてしまう家―「家」にまつわるホラー作品は古今東西人々の心を掴んで離さない。王道の屋敷、マンションにシェアハウス、様々なタイプの「物件」をモチーフ&舞台に据えた“逃亡不可能”な短編を一堂に集結!怪奇好きからビギナーまで病みつき必至の贅沢な特選アンソロジー。

筑摩書房オフィシャルサイトより引用

岩城裕明『事故物件7日間監視リポート』(角川ホラー文庫)

妊婦が割腹自殺した九〇九号室で、 定点カメラに映ったものとは?

読み憑かれたら、本を閉じて。ほら、後ろに……。

リサーチ会社を営む穂柄は、あるマンションの一室の住み込み調査を依頼される。そこは、7年前に妊婦が凄絶な自殺を遂げた事故物件で、事件後なぜか隣人たちも次々と退去し、現在はその階だけ無人の状態だという。期間は一週間。穂柄はバイトの優馬に部屋で寝泊まりさせ、その様子を定点カメラで管理人室から監視することに。だが、そこで起きることは穂柄の理解を超えていて……。あなたの予想を裏切る、究極の超常(パラノーマル)ホラー。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

澤村伊智『ししりばの家』(角川ホラー文庫)

ようこそ、砂の散る奇妙な家へ――。エンタメ界の鬼才が放つミステリホラー

夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。おかしいのはこの家か、それとも、わたしか――?

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

「比嘉姉妹」シリーズ他作品
・第1弾『ぼぎわんが、来る』(角川ホラー文庫)
・第2弾『ずうのめ人形』(角川ホラー文庫)
・第4弾『などらきの首』(角川ホラー文庫)
・第5弾『ぜんしゅの跫』(角川ホラー文庫)
・第6弾『ばくうどの悪夢』(KADOKAWA単行本)
・第7弾『さえづちの眼』(角川ホラー文庫)
・第8弾『すみせごの贄』(角川ホラー文庫)


問乃みさき『27時の怪談師』(角川ホラー文庫)

事故物件に住む棲師×オッドアイの怪談師が真実をあばく怪異ミステリ!

事故物件から事故物件へと移り住み、事故履報告義務のない物件に変える棲師(すみし)を生業としている、霊能力者の亜嵐。
だが本当の姿は、生きた人間より幽霊の方がマシだという、ただの引きこもり。

今回依頼を受けて引っ越すことになったのは〈住むと不幸になる呪いのマンション〉と呼ばれていて、
しかも女性が自殺したマンションの一室。
このマンションに住んでいた人は不気味がり、怯え、とうとう皆出て行ってしまった。


そこにオッドアイの怪談師・ナイトが現れる。
明夜行われるトークライブでこの呪いのマンションの〈真実〉を語りたいので、真実探しの協力をしてほしいとのこと。
どうやら先日あった怪談ライブで、呪いのマンションの話をした怪談師が話し終えた途端、
血を吹いて倒れてしまうという怪奇現象が起きたのだという。しかも2人も――。

その理由は〈真実〉が語られていないからだと推測し、
2人は協力して真実を探しだそうとするが、ライブまでは残り34時間を切っていて……。

引きこもりの〈棲師〉×美形オッドアイの凸凹コンビが
怪奇現象の裏に隠された真実を浮かび上がらせていく!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用


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