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マガジン

  • 運命の一冊、おじいちゃんの形見

    ある日ある場所の小学校、五年三組の国語の授業。  『運命の一冊』を語る作文発表の授業が始まった。教師があらかじめ作文に目を通し、朗読する生徒を指名する。主人公の少年も指名され朗読を始める。少年が語る一冊は祖父の形見の本のことだという。  祖父の集めた数々の奇書。お気に入りの一冊はラテン語で書かれており、祖父は翻訳途中で他界。少年はITを駆使して翻訳を引き継いでいると語る。翻訳を進めるうち、なんとこの本は魔術書ではないかと少年は推測するに至ったというのだが――

最近の記事

探し物の穴

あらすじ  ある日のこと。  アカネが恋人の大学生ヒロシの部屋を訪ねると、ヒロシは熱心に部屋の中で探しものをしているところに出くわす。  アカネを無視してヒロシが探すものとはいったい――。 まえがき  400字詰め5枚のシナリオから、10枚程度の掌編小説を書こうという練習で書いてみたものです。不条理ネタです。 本文  三流私大の三回生ヒロシの朝は、探し物から始まる。  今日の講義は午後からだ。  お楽しみの時間は、まだたっぷりとある。  探し物だというのに、ヒロシ

    • 運命の一冊、おじいちゃんの形見 ep2

      2.そして僕は魔法使いになる 僕の作文を聞き終わって、教室はすっかり静まり返っていた。  ぽかんと口を開けたやつとか、目を合わせないようにするやつとか、いろいろいた。ほとんどのクラスメートは、石みたいになって黒板のほうを向いている。  河内さんだけは、完全に僕のことを崇拝しているような顔になっていた。  鈴木先生は先に内容を知っていたからなのか、平然としている。それどころか、だいぶ面白がっているように見えた。  実際に儀式を試した話がよほど衝撃的だったらしい。生き物が現れ

      • 運命の一冊、おじいちゃんの形見 ep1

        あらすじ ある日ある場所の小学校、五年三組の国語の授業。  『運命の一冊』を語る作文発表の授業が始まった。教師があらかじめ作文に目を通し、朗読する生徒を指名する。主人公の少年も指名され朗読を始める。少年が語る一冊は祖父の形見の本のことだという。  祖父の集めた数々の奇書。お気に入りの一冊はラテン語で書かれており、祖父は翻訳途中で他界。少年はITを駆使して翻訳を引き継いでいると語る。翻訳を進めるうち、なんとこの本は魔術書ではないかと少年は推測するに至ったというのだが―― 1

        • 長髭の賢者と帰らずの塔

          「ようやく、辿りついたな……」  この扉を開けば、俺の長い旅路もようやく終わる。ここが、ミナを取り戻すための終着点。かつて、世界を恐怖の底に落とした魔王の根城。今では、魔王を討った長髭の賢者が居を構える、帰らずの塔の頂上。  長髭の賢者の命と引き換えに、どんな望みでもひとつだけ叶うという言い伝えを信じて、俺はここまできた。  多くの仲間が失われた。塔までの長い道のり、塔を上る困難な探索の中で、数多の魔物と対峙し、凶悪な罠を越え、ひとつ階を上がるごとに現れる不可思議な空間。

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        • 運命の一冊、おじいちゃんの形見
          2本

        記事

          大好きな私のサっちゃん

           築二十年くらいのくたびれたアパートの206号室で、私は大好きなサっちゃんとふたりで暮らしている。  築二十年というけれど、大家さんはとても熱心な人らしく、若い人のウケも良いようにしっかりリフォームもされている。立地もよくて交通の便もよく、最寄りの駅も急行が止まるものだから、郊外にありながら都心にも出やすくて、とても人気のある物件だ。おまけに、お家賃も相場よりだいぶお安いから、ちょっと空いてもすぐに次の人が埋まってしまう。  だから、サっちゃんと一緒に此処に住めたのは、と

          大好きな私のサっちゃん

          読み専でしたが、始めます

           こんにちは。    これといって語れる来歴もないのですが――ありますけど、この場に必要ないかなと思い――物書きの端の端のほうの人、とでも思ってください。  さて、noteのサービス、情報系の記事ばかり読んでいたのでよくわかっていなかったのですけど、創作全般扱ってたんですね。  そういったわけで、noteは読専でしたが最近WEB小説サービスに投稿し始めた短編小説などを、投稿していくことにしました。基本的には『小説家になろう』などにアップロードしているものと同じものなのです

          読み専でしたが、始めます