おんぶしてくれませんか
これは私が経験した話です。当時私は地元であるS県に住んでいました。高校2年生の頃、7つ年上の兄と一緒に近所の河原を散歩していました。私の地元には川が弐本流れていて、その真ん中に中土手がある作りになっています。
夏の夜、蒸し暑さの中私は兄とたわいのない話を交わしながら歩いていました。地元は、田舎というわけではないのですがそれなりに夜になると暗くなります。川の流れる音、風が吹くと近所の林が揺れて何かの声に聞こえてきます。少し怖くなり、緊張をほぐすように兄と大きな声で会話を続けて