備雲ジュラ
投稿サイトに投稿している小説の紹介です。 (エブリスタ、NOVEL DAYS、ステキブンゲイ、カクヨム) 二次創作は、ハーメルンに投稿しています。
執筆に関する日記。
note創作大賞2024【ホラー小説部門】応募作品 「eaters」 血の匂いにあらがえないアペタイトホラー
noteで書いている小説。
ジャンガリアンハムスターの日記。
【あらすじ】【第1話】「あの……娘の病気を治す薬は、まだできないのでしょうか?」 沼澤小百合は中学生の娘、瀬奈を連れて病院に来ていた。 今、瀬奈は隣の処置室で、月に一度必要な免疫製剤を点滴している。 生まれつき免疫系に異常のある原発性免疫不全症候群。 毎年、一万人の赤ちゃんに対して一人程度がなる、といわれている。 免疫力が異常に低いせいで細菌やウイルスに感染しやすく、単なる風邪も肺炎にまで悪化してしまう。 ちょっとした傷でもすぐに化膿し、治りも遅い。
これまでエブリスタで書いていた小説の表紙は、無料画像を加工したりして、タイトルと著者名を載せていました。 今回「椿の咲く夜」と「サザンカの涙」を外注で作っていただいた表紙に差し替えました。 私はデザイン力や技術もないので、表紙を作る時はいつも苦労してましたが、やはりその道のプロにお願いすると違いますね。 この二作品は、どちらもホラー。 興味のある方は、読んでいただけると嬉しいです。 ◆「椿の咲く夜」 [あらすじ] 正月休みで帰省先の実家から戻ってきた日の夜、香鈴は
エブリスタに新作のホラー小説(短編)を投稿しました。 超・妄想コンテスト【あと一回】の応募作品です。 ◆あらすじ◆ 関東に人類史上、最悪の厄災が降り立った。 街を破壊し、人間を捕食していく無数の地球外生命体は、関東から南北に分かれて侵攻を始めた。 地球外生命体の北上が迫りくる珠鳴村では、村人達が村長の鈴守大蔵と、娘の明香音に救いを求めだした。 村を救うため、死者の力を借りる【魂呼び】の儀式。 明香音は、その儀式を行える【たまゆら様】だった。 代償を伴う魂呼びに
エブリスタのコンテスト「執筆応援キャンペーン【とんでもホラー】」で、入賞した「サザンカの涙」を修正しました。 運営様からの選評で、二か所を追加修正しました。 アドバイスを受けた二か所は、どちらも「なるほど!」と納得の内容。 追加したり、修正したほうがよさそう。 noteで連載していた「eaters」も完結したので、さっそく追加修正に取り掛かりました。 ただ……投稿サイトの作品を追加修正するのは、ちょっと苦労も多い。 Kindle版を修正する時は、原稿の修正版をアップ
◆あらすじと各話は、こちらから 一週間後。 この日の午後、鮫島は製薬会社の研究所に来ていた。 週に二度、病院での勤務は午前のみとなっている。 研究所で鮫島は、今もスクアリーの改良にいそしんでいた。 帰り支度をして、パソコンの電源を落とそうとした時、スマホが振動を鳴らした。 「……そうですか。分かりました。引き続き、監視をお願いします」 電話は沼澤瀬奈の監視役からだった。 週に一度の定期連絡だ。 パソコンで被験者データのフォルダから、瀬奈の
◆あらすじと各話は、こちらから 洗面所で床に倒れていた良一と、その腹に顔をうずめていた瀬奈。 小百合が目にした光景は、あまりにも残酷なものだった。 瀬奈を止めようとして、噛み付かれた手の痛み。 そこから流れ出した血。 黒い瞳の視線の先は、血で赤く染まった手。 自分までもが我が子の餌食になってしまう、という恐怖。 そのあと訪れた、突然の痙攣。 気が付いた時、小百合のすぐ目の前にあったのは、瀬奈の顔だった。 おそるおそる見下ろした先には、腹部を
◆あらすじと各話は、こちらから 翌朝。 「お父さん、まだ? 私、急いでるんだけど」 瀬奈が洗面所にやってくると、良一がまだ使っていた。 「あぁ、悪い、悪い。ちょっとやっちゃってな」 鏡越しに、父と目が合った瀬奈の顔色が変わっていく。 良一はティッシュで、何度もアゴを押さえていた。 洗面台に置かれていたのは、髭剃り用のカミソリ。 ゴミ箱へ捨てられたティッシュには、血がにじんでいる。 「……ったく、まいっちゃうよな」 ボヤキながら、
◆あらすじと各話は、こちらから 「あの水槽を見て」 小百合に言われ、瀬奈は水槽に目をやった。 大きな水槽にいるのは、一匹の金魚だけだ。 「あんなにいたのに、もしかして瀬奈が食べたの?」 小百合は穏やかな口調で訊いた。 何を聞いても、平常心でいなければならない。 抱えている疑問を解決するには、瀬奈の口から聞き出す必要がある。 ここで取り乱したり、怒りをぶつけたりしては、話も進まない。 小百合は静かに呼吸を整えながら、返事を待った。 「ごめ
◆あらすじと各話は、こちらから 瀬奈が出ていったドアを見つめたまま、小百合はしばらくの間、玄関から動けずにいた。 深いため息を吐いたあと、食卓の席に戻り、テーブルに目をやる。 手付かずの自分の昼食。 向かいの席には、空になった皿。 小百合は一人寂しく冷めた料理を口にした。 食事の後片付けを終えて、トイレに向かう。 トイレから出てくると、再び深いため息がもれた。 いつもは遅れても一日、二日でやってくる生理が、六日経ってもやってこない。 今まで
◆あらすじと各話は、こちらから 今日は終業式。 教室の中は、珍しく朝から静かだ。 明日から夏休みに入るというのに、うかれる生徒は一人もいなかった。 唯一の空席。 みんなの視線は、自然とそこへ集まっていた。 入学して以来、一度も休んだことのない真由子。 それが突然、一昨日から学校に来なくなった。 「どうしちゃったんだろう?」 「まさか、斉藤まで……」 「生きてる……よね?」 「始業式の日に、机に花が置かれてるってことは……ないよな」 ボソリ、ボ
◆あらすじと各話は、こちらから 瀬奈と真由子は神社に向かっていた。 「どんな猫なの?」 鳥居をくぐりながら、真由子が訊いてきた。 猫と聞いて、興味津々の様子だ。 「白くて、ちっちゃくて、すごくカワイイよ」 瀬奈が言ったあと、社の裏辺りからカラスの騒がしい鳴き声が聞こえた。 「まさか、カラスに襲われてるんじゃ……」 心配で足を速める真由子に、瀬奈も続いていく。 社の横を通って裏側に来た時、真由子の足が止まった。 六羽のカラスが何かに群
◆あらすじと各話は、こちらから 弁当事件があった翌日、真由子の友達は瀬奈に謝ってきた。 瀬奈にとっては、耐えがたい屈辱だ。 謝られたところで、なかったことにはならない。 黙っていると、真由子も一緒になって謝ってきた。 「本当にごめんね。もっと早くに私がとめていればよかったんだけど。みんなも反省してるから、許してくれる?」 真由子が大きな声で言った。 窓際の席から海斗も見ている。 瀬奈は許すよりほかなかった。 それからは休み時間でも瀬奈は、真由
エブリスタのコンテスト「執筆応援キャンペーン【とんでもホラー】」で、「サザンカの涙」が入賞しました! 入賞作品はこちら。 エブリスタのコンテストで入賞したのは、これで二作品目。 実は今回、ちょっとした奇跡(?)が。 小説を書いている時とコンテストに応募する時は、いつも自信満々。 それが応募したあとになると、 本当にアレでよかったのかな? もっと、どうにかできたんじゃないかな? と、ちょっぴり不安になることがあります。 (創作あるあるかもしれない) あまり深く落
◆あらすじと各話は、こちらから 数日経った頃、学校では二年生の女子生徒が行方不明という噂が流れ始めた。 「どうせ家出か何かでしょ」 真由子の友達が言った。 瀬奈の周りでは、誰一人として心配する者はいない。 その上級生は以前から、素行が悪いので有名だった。 学校の外でも、よく他校の不良生徒達と一緒にいるのを目撃されていた。 真由子と取り巻きの友達が、噂話に花を咲かせている。 それを瀬奈は黙って聞いていた。 四時限目が終わり、瀬奈は昼食の前に
◆あらすじと各話は、こちらから 「ただいま」 「おかえりなさい。お腹は空いてる?」 「食べてきたから、いらない」 小百合が出迎えると、瀬奈は胸の前で鞄を抱えたまま、部屋に入っていった。 少しして、部屋から出てきた瀬奈が洗面所に向かったようだ。 手洗いとうがいにしては、やけに長い。 心配した小百合は、洗面所に向かった。 「瀬奈?」 瀬奈は洗面台で、制服のブラウスを洗っていた。 洗剤の泡と一緒に流れていく水が、なぜか赤い。 「それ、制服の……ブラ
◆あらすじと各話は、こちらから 翌週。 小百合は良一と瀬奈を送り出したあと、家の掃除を始めた。 リビングにある水槽を拭いていた時、手が止まった。 透明なガラスの向こうに目を凝らしてみる。 一、二、三……。 小百合は金魚を数え始めた。 中にいたのは八匹。 金魚は十匹いたはずだった。 まさか……瀬奈が? 金魚を見つめていた瀬奈の顔がよぎる。 いや、あんなに可愛がっていた金魚を食べるわけがない。 前に一匹が死んでしまった時も、瀬奈は大泣