マガジンのカバー画像

Shodo 書サロン

16
蘭泉 書サロン Shodo online salon はじめます https://www.awalanguage.com/
運営しているクリエイター

記事一覧

変体仮名とくずし字

変体仮名とくずし字

 筆で漢字を書く際に、形をくずして書かれた文字が、くずし文字。漢字(字母)をくずしてできたのが平仮名。

 平仮名の字体の中で、1900年(明治33年)以降の学校教育で用いられていないものが「変体仮名」と呼ばれています。
 変体仮名は、平安時代頃から使われ始め、寺子屋でも教えられており、一般に広く普及していました。明治時代までは、変体仮名のくずし字も多く使われていました。

 仮名書道では、色紙な

もっとみる
古今和歌集の仮名

古今和歌集の仮名

古今和歌集は、日本最初の勅撰和歌集として、905年に醍醐天皇の詔を受けた、紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑、四人の撰者に記されました。

全二十巻
仮名序「やまとうたは 人の心を種として、万の言の葉とぞなれにける。」にはじまり、和歌1111種、長歌5種、旋頭歌4首を含む。
最後に、真名序で締められている。

歌人は、撰者と六歌仙(僧正偏昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大友黒主)、伊

もっとみる
いろは歌

いろは歌

 いろは歌(いろはうた)とは、仮名文字を重複させず使って作られた47字の誦文(ずもん)。七五調の韻文で作者は不明。のちに手習いの手本として広く受容され、近代にいたるまで用いられた。

いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ  つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見し 酔ひもせず

この七五

もっとみる
一人称単数「石のまくらに」

一人称単数「石のまくらに」

「一人称単数」
村上春樹著
2020年発行 短編小説集。

「石のまくらに」
バイトの帰り、12月の寒い日、一夜を共にした女の子。
報われない恋をしていて、短歌を詠んでいる。
それ以来お互い会うことはなかった。

長い人生の中で、具体的な名前や前後の関係性は思い出せないけれど、
記憶にとどまる言葉や瞬間がある。
嵐が去った後の地表に生き残った言葉。
疲れて寒い夜に温めあった時間。
後日、約束通り、

もっとみる
AIチャットちゃんに相談してみた

AIチャットちゃんに相談してみた

このアプリを教えてもらい、早速質問してみました。
私「書道はどうしたら社会の役に立ちますか?」
チャットちゃん
「こんにちは、あなたさん!書道は芸術の一つであり、美しい文字を書くことを通じて集中力や洞察力、感性を磨くことができます。社会や人のためになるという点では、以下のような方法がありますよ!😊

1.イベントの装飾: 書道の作品を使って、祭りやパーティーなどのイベントを彩ることができます。美

もっとみる
Zen brush

Zen brush

zen brush
筆文字が書けるアプリ。
illustratorや、イラストアプリの筆ではだせない線が書ける気がします。
筆の太さ、水分量が選べるので、力の強弱、速さで、かすれやにじみも出ます。
筆で書き慣れていると、どんな力を入れたら線が出るか、わかりやすいかもしれません。
色々書いてみてます。

紙が色々選べて楽しいです。
色紙や短冊、提灯なんかもあります。
自分が書いたものや、他の台紙をア

もっとみる
掛け軸の魅力

掛け軸の魅力

古代文字アートと、京都の表具師さん達とのコラボレーションで生まれた作品。
甲骨文字「丩」まじわる
二本の縄を編む形
「禍福は糾える縄の如し」
禍も福も、陰陽のように響き合っている。
墨と銀墨で書き上げた古代文字アート作品。
その結び目から、縁が結ばれて広がってゆく様を、様々な色の裂を組み合わせる高度な技で作られた、モダンな表装。

表装とは、書画に和紙で裏打ちして補強し、その周囲に裂(きれ)や紙を

もっとみる
あいまいと余白

あいまいと余白

『あいまいの知』
河合隼雄、中沢新一編

「あいまい」の知/岩波書店

http://iwanami.co.jp/moreinfo/0220140/top.html

このシンポジウムは1999年に開催され、人文科学、自然科学、パブリックアートなどの研究者が「あいまい(ambiguity)」について発表をしている。

キリスト教社会は、魔女狩りをしてきた長い歴史を基に、近代科学を発展させ、森羅万象

もっとみる
ことばの本質とは

ことばの本質とは

「赤ちゃんは母音を通じて世界を認識している」

Even Before Language, Babies Learn The World Through Sounds(米国科学的心理学会 プレスリリース / 2011年07月11日)
http://www.psychologicalscience.org/

この研究では、スペイン語を話す家庭から生後4ヶ月の赤ちゃん 28人が、防音室の中で、両親

もっとみる
ことばのちから

ことばのちから

「地球大進化」という2004年のNHKの番組をご存知でしょうか?

そこで、地球46億年の歴史の中で、人類ホモ・サピエンスだけが生き残り、限りなく近いネアンデルタール人が絶滅した謎についての仮説が唱えられています。
Dr. Jeffrey Laitman という、NYにある、Mount Sinai School of Medicineの教授の説です。

http://www.mountsinai.

もっとみる

オンライン展覧会

2020年の作品集
「時」Cristalization of time
甲骨文字の「時」
「之日」一歩踏み出した足跡の形。
古代の人にとって、今ここにある一歩という瞬間がすべてで、
そこに永遠の時間があったのかもしれない。
「Heart Sutra」すべては「無」であると唱えた般若心経
平安時代、紫式部が読んだ和歌
「めぐり逢ひて 見しやそれともわかぬ間に
 雲隠れし 夜半の月かな」
出逢いは一瞬
もっとみる

書道と習字

書道と習字

「習字」は文字を習うこと。正しい形や書き順を学び、美しく字を書くこと。

先生のお手本や、拓本された古の書家の字を見ながら、文字を書くことを臨書といいます。
形臨(字の形を真似て書く)、意臨(書いた人の気持ちや時代背景などをくみ取って書く)、背臨(お手本を記憶し、見ずに書く)があり、書の基本を学ぶことができます。

古典と呼ばれる中国書家の書は、時代によって文字が大きく異なり、作者の性格などがはっ

もっとみる
甲骨文字とアート

甲骨文字とアート

今から120年ほど前、中国河南省にある殷(商)時代(紀元前1700年~1000年頃)の遺跡から出土した甲骨片が、骨董屋に持ち込まれました。
以前から古い亀の甲羅や牛の骨は、貴重な漢方薬として薬屋で売買されていたそう。薬として買った骨の中に、文字が刻まれていることが発見され、これまで伝承とされていた漢字の原型としての研究が始まったとされています。

約3500年前の殷(商)王朝では、亀の甲羅や牛の骨

もっとみる
仮名と和歌

仮名と和歌

書道教室に通っていた高校生の頃、小筆で仮名文字を書くようになりました。
最初は、暑中お見舞い申し上げます、といったあいさつ文から。
そして短冊に、古池や 蛙飛びこむ 水の音、といった俳句。
次第に、変体仮名の一覧を見ながら、和歌を書くように。

変体仮名は、「あ」を阿、安、亜などをくずして用いられ、和歌の文脈や前後の文字にあった字を選びます。仮名書道では、変体仮名まじりの和歌を、色紙や短冊にちらし

もっとみる