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日本史に関する本のレビュー集

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日本史や日本文化に関する本のレビューを集めてあります。日本文化というと、およそ何でも入ってしまいますが、分類しにくいもので、日本文化に関わるものを入れています。
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2023年3月の記事一覧

えひめの伝説 妖怪編

えひめの伝説 妖怪編

えひめの伝説 妖怪編―すらすら読めて、すっきりわかる 妖怪・幽霊に姿を変えた愛媛の文化 伝説58編簡約 (アトラス地域文化新書 8)

 愛媛県に伝わる民話や伝説から、妖怪が登場するものばかりを集めた本です。全部で、58編あります。
 妖怪の資料として、貴重です(^^)

 ただ、民話や伝説は、すべて、原形ではなく、要約だけが載っています。多くの伝承を、コンパクトにまとめるために、このような形

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梁塵秘抄【りょうじんひしょう】

梁塵秘抄【りょうじんひしょう】

梁塵秘抄

 本書の題名は、「りょうじんひしょう」と読みます。
 原著の著者は、平安末期の後白河法皇【ごしらかわほうおう】です。八百年ほども前のことですね。

 当時の日本では、今様【いまよう】と呼ばれる歌がはやっていました。その今様の数々を、後白河法皇自らが集めて、編纂したのが、『梁塵秘抄』です。
 現代に置き換えれば、天皇陛下自らが、Jポップの歌集を出した、という感じです。

 八百年

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検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか

検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか

検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか

 東日本大震災についての噂【うわさ】を、冷静に検証した本です。
 あの大震災を経験した人なら、必読といえる内容です。

 東日本大震災のあと、た~くさんの噂が流れましたよね。
 ことに、福島の原発事故については、虚実ないまぜの噂が飛び交いました。みんな、不安だったからでしょう。

 二〇一二年一月現在では、一見、派手な噂はあ

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和のお守り文様366日

和のお守り文様366日

和のお守り文様366日

 日本の文様を、366種類、紹介した本です。
 なぜ、366種類かといえば、一年の日数に合わせているからです。一月一日から始まって、十二月三十一日に至るまで、一つずつ、文様が紹介されています。

 本書では、日ごとに、「お守りになる文様がある」という設定になっています。占いの要素もあるわけです。日本の文様に馴染みがない人でも、親しみやすくする工夫でしょう。
 けれど

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コト八日―二月八日と十二月八日 (双書フォークロアの視点 (8))

コト八日―二月八日と十二月八日 (双書フォークロアの視点 (8))

コト八日―二月八日と十二月八日 (双書フォークロアの視点 (8))

 本書の題名、「コト八日」とは、何でしょうか?
 それは、忘れられつつある、日本の風習の一つです。

 コト八日は、一年に二回、やってきます。十二月八日と、二月八日です。
 この二日間に、特別な行事を行なう地方が、かつては、日本の各地にありました。

 現在、十二月八日と二月八日といえば、「針供養の日」という地方が、多い

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家紋大図鑑

家紋大図鑑

家紋大図鑑

 家系に伝わる紋章、つまり家紋の図鑑です。
 この分野では、決定的に重要な一冊です。『大図鑑』という名にふさわしいです(^^)

 家紋について、何か調べようと思ったら、まず、本書をひもとくべきでしょう。
 家紋に興味がある方は、必読の書です。

 現在の日本では、家紋など、「古くさい」とか、「興味がない」とかいう方が、多いと思います。
 でも、一度、本書を開いてみて下さい

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龍の起源

龍の起源

龍の起源

 題名のとおり、龍の起源を探った本です。
 ただし、最後のほうは、龍の話ではなく、文明論になります。この部分を、蛇足と感じる方もいるでしょう。
 それでも、龍が好きな方は、ぜひ、お読み下さい。

 龍は、幻想生物の王者ですよね。不思議なことに、ほぼ世界じゅうに、「龍」といえる幻想生物の伝承が、語り継がれています。
 これは、なぜでしょうか? 本書は、この疑問の答えに迫っています

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偽書「東日流外三郡史」事件 (新人物文庫)

偽書「東日流外三郡史」事件 (新人物文庫)

偽書「東日流外三郡史」事件 (新人物文庫)

 この本、題名が難しいですね。『偽書』と『事件』はいいとして、「東日流外三郡誌」は、何と読むのか、普通の人にはわからないでしょう。
 これは、「つがるそとさんぐんし」と読みます。「東日流」を「つがる」と読ませています。

 もし、あなたが、「東日流外三郡誌」を、「つがるそとさんぐんし」と、すらすら読める人だとしたら、本書は必読です。何が何でも、読ん

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土佐・物部村 神々のかたち

土佐・物部村 神々のかたち

土佐・物部村 神々のかたち

 高知県の、物部村【ものべそん】という村に伝わる民間信仰「いざなぎ流」について、解説した本です。
 物部村は、平成の大合併により、現在は、高知県香美【かみ】市の一部となっています。

 いざなぎ流は、現代に残る陰陽道【おんみょうどう】とも言うべきものです。呪術的な要素が濃いです。
 村の中でだけ、ひっそりと伝えられてきました。今もなお、外部には、すべてが明らかに

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古事記

古事記

古事記

 言わずと知れた、古事記です。日本神話の基本ですね。
 日本人で、神話に興味がある方なら、読むべきです。

 古事記は、いくつかの出版社から出ています。これは、岩波文庫版です。
 この版は、現代語訳ではありません。古語です。それを、読みにくいと感じる方もいるでしょう。

 けれども、原文―当時は、かながありませんから、すべて漢字(万葉仮名)です―のニュアンスを伝えるには、やはり、

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