弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか登場しない、幻想植物です。おそらく、日本唯一の幻想植物研究家です。二〇二二年現在で、百種以上の幻想植物の伝承を確認しています。 noteでは、昭和の時代の漫画・アニメ文化について書くつもりです。

弟切千隼

生物学、神話・伝説、漫画・アニメなどについて書くライターです。専門は、神話や伝説にしか登場しない、幻想植物です。おそらく、日本唯一の幻想植物研究家です。二〇二二年現在で、百種以上の幻想植物の伝承を確認しています。 noteでは、昭和の時代の漫画・アニメ文化について書くつもりです。

マガジン

  • 弟切千隼のレビュー集

    弟切千隼が読んだ本のレビューを集めてあります。ジャンルはばらばらですが、動植物関係と、神話・民話・伝説関係が多いです。

  • ヨーロッパに関する本のレビュー集

    ヨーロッパの自然や文化に関する本のレビュー集です。すべて、私、弟切千隼が読んで書いたものです。

  • 都市伝説に関する本のレビュー集

    日本に限らず、米国、ドイツ、ロシアなどの都市伝説に関する本のレビューを集めてあります。単純に都市伝説を紹介する本ばかりではなく、都市伝説研究の本も含みます。

  • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集

    神話、民話、伝説など、古来の口承文芸に関する本のレビューをまとめてあります。日本に限らず、世界各国のものです。

  • 妖怪、妖精、神、悪魔などに関する本のレビュー集

    妖怪、妖精、神、悪魔、精霊、幻獣など、超常的な存在に関する本のレビューを集めてあります。

最近の記事

ハーメルンの笛吹き男 ――伝説とその世界 (ちくま文庫)

ハーメルンの笛吹き男 ――伝説とその世界 (ちくま文庫)  『ハーメルンの笛吹き男』の話は、ドイツのハーメルンという町に伝わります。世界的に有名な伝説ですね。日本人でも、『ハーメルンの笛吹き男』について、まったく知らない方は、少ないでしょう。  この話には、奇妙な生々しさがあります。そのために、子供の頃、これを、身近に迫る怖いお話として、聞いた方が多いでしょう。私も、そうでした。  それも道理です。『ハーメルンの笛吹き男』には、元になった事実があるのです。  西暦

    • イタリア民話集 上 (1)

      イタリア民話集 上 (1)  題名のとおり、イタリアの民話を集めた本です。  本書は、上下二巻のうちの、上巻です。  上巻の本書には、「北イタリア編」として、三十三篇の話が収められています。どの話も、短くて、すぐに読めます。読みやすいです。  グリム童話やペロー童話など、ヨーロッパの他の民話と、よく似た話が載っています。それは、イタリアの民話に限らないことです。ヨーロッパの民話には、互いに似通ったものが多いのですね。  それでも、充分に楽しめる話ばかりです。

      • インドネシアの魔女

        インドネシアの魔女  インドネシアには、今も「魔女」が現存すると言われる島があります。  その島、ライジュア島に入った著者、鍵谷明子【かぎや あきこ】さんの、「魔女」報告書です。  本書が出たのは、一九九六年のことです。二〇一五年現在からは、二〇年近く前ですね。  それでも、二〇世紀の最末期になって、「魔女」が実在すると言われるのは、驚きです。少なくとも、本書が出た頃までは、インドネシアのライジュア島では、「魔女」が生きていました。  ライジュア島は、インドネシ

        • フランス民話集

          フランス民話集  フランスの民話が、50話、集められた本です。  フランスの民話で有名なものは、おおむね、入っているでしょう。  文庫という手軽な形で、フランスの民話が読めるのは、嬉しいことです(^^)  50話のうちには、聞いたことのある話が、一つや二つ、あるはずです。  「美女と野獣」や、「女の子と狼」(「赤ずきん」の原型です)、「ペルシエット」(「ラプンツェル」の類話です)、「金ぴか狐」(「長靴をはいた猫」の類話です)などですね。  読み終わる頃には、「

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        • 都市伝説に関する本のレビュー集
          53本
        • 神話、民話、伝説などに関する本のレビュー集
          206本
        • ヨーロッパに関する本のレビュー集
          171本
        • 弟切千隼のレビュー集
          584本
        • 妖怪、妖精、神、悪魔などに関する本のレビュー集
          218本
        • 日本以外のアジアに関する本のレビュー集
          139本

        記事

          都会の鳥―生き残り戦略 (学びやぶっく)

          都会の鳥―生き残り戦略 (学びやぶっく)  現代の日本の都会には、多くの人が思うより、たくさんの鳥が棲んでいます。  都会にいる鳥なんて、スズメとカラスとハトだけだと思っていませんか?  確かに、スズメとカラスとハトは、都会に多い鳥です。  とはいえ、彼ら以外の鳥が、都会にいないわけではありません。  本書には、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、カワセミ、ハクセキレイ、チョウゲンボウ、ダイサギ、オナガガモ、ユリカモメなどの鳥たちが、紹介されています。  どの鳥たちも、

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          フランス怪奇民話集 (現代教養文庫)

          フランス怪奇民話集 (現代教養文庫)  題名のとおり、フランスの怪奇な民話を集めた本です。  全部で、十九の話が収められています。  しんみりと、怖い話が多いです。怖いけれども、上品です。  大人のための怪談、という感じですね。  一つ一つの話は、短いです。文章もやさしく、読みやすいです。  どの話を最初に読んでも、不都合はありません。ページをめくって、目についた所から読む、気ままな読書を楽しめます。  夜に読むと、特に雰囲気があって、良さそうです。  

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          幻想植物園 花と木の話

          幻想植物園 花と木の話  幻想植物園という題名ですが、幻想植物(実在しない植物)を紹介した本では、ありません。  すべて、実在する植物が、紹介されています。  博学な巌谷國士【いわや くにお】さんの、植物エッセイ集です。  植物に関する思い出や、豆知識、民間伝承などが、渾然一体となっています。  題名は、「幻想植物・園」ではなくて、「幻想・植物園」と解釈するべきでしょう。  一月、二月、という具合に、月ごとに、その月にまつわる植物を書いています。  全部で、

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          ラミニャの呪い―スペインバスク民話集 (1980年) (メルヘン文庫)

          ラミニャの呪い―スペインバスク民話集 (1980年) (メルヘン文庫)  ヨーロッパの少数民族、バスク民族に伝わる民話を、集めた本です。  バスク民族は、スペインとフランスとにまたがる地域に住む人々です。独自性の高い文化を持つことで、知られます。彼らが使うバスク語は、ヨーロッパの他のどの言語とも、似ていないといわれます。  日本では、バスク民族の文化は、まったく馴染みがありませんね。私の知る限り、日本語に訳されたバスクの民話集は、二冊しかありません。  本書は、そ

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          吉村作治の古代エジプト講義録〈下〉

          吉村作治の古代エジプト講義録〈下〉  古代エジプト学者として著名な、吉村作治さんの著書です。  古代エジプトの解説書として、決定版の一つですね(^^) 古代エジプトの通史を、わかりやすく解説しています。  本書は、上下二巻のうちの下巻です。上巻から、先にお読み下さい。  本書では、エジプト史の中で輝かしかった時代の一つ、新王国時代を取り上げています。少年王ツタンカーメンや、男装の女王ハトシェプストや、大王ラメセス二世がいた時代です。  新王国時代に始まり、末期

          吉村作治の古代エジプト講義録〈下〉

          吉村作治の古代エジプト講義録〈上〉

          吉村作治の古代エジプト講義録〈上〉  古代エジプト学者として著名な、吉村作治さんの著書です。  『講義録』という題名ですが、内容は、堅苦しくありません。やさしい文章で書かれています(^^)  本書は、上下巻のうちの上巻です。  上下巻を読み通せば、古代エジプトについて、一通りの知識が得られます(^^)  本書、上巻では、先王朝時代に始まって、中王国時代までのエジプトが解説されています。  輝かしい古代エジプト王朝は、どんなふうに始まったのでしょうか?  ピラ

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          水生無脊椎動物 (世界大博物図鑑(別巻2))

          水生無脊椎動物 (世界大博物図鑑(別巻2))  荒俣宏さんの『世界大博物図鑑』シリーズの別巻です。  クラゲ、サンゴ、巻貝、二枚貝、タコ、イカ、ウニ、ヒトデなどの、水生無脊椎動物ばかりが載っています。  このシリーズの特徴として、とにかく、図版が美しいですね(^^)  博物画の黄金時代の、見事な図版ばかりが選ばれています。それらは、時として、本物よりも本物らしいです。  繊細な無脊椎動物の場合、写真よりも、図版で表現するのに向いていますね。精密な図版のおかげで、

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          水の神―ドゴン族の神話的世界

          水の神―ドゴン族の神話的世界  アフリカのドゴン族の神話について、詳しく書かれた本です。  ドゴン族の神話について、日本語で知りたいなら、まず、本書を読むのがよいでしょう。  そもそも、ドゴン族の神話を専門に扱っている日本語の資料が、ほとんどありません。  本書以外では、本書と同じ著者で、同じせりか書房から出ている『青い狐』くらいです。  ドゴン族は、現在のアフリカで言うなら、西アフリカのマリという国に住む民族です。  しかし、本書が扱っている調査が行なわれた

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          爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間―有尾類・無尾類

          爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間―有尾類・無尾類  両生類の中の、「カエル以外」ばかりを載せた図鑑です。イモリや、サンショウウオと呼ばれるものたちの図鑑ですね。  専門的には、有尾類と呼ばれるグループと、無足類と呼ばれるグループとが載っています。表紙に「無尾類」とあるのは、「無足類」の間違いですね(^^;  無足類は、アシナシイモリと呼ばれる両生類です。このグループには、名のとおり、足がありません。外見は、「大きなミミズ」に見えます。  

          爬虫・両生類ビジュアルガイド イモリ・サンショウウオの仲間―有尾類・無尾類

          カナダのインディアンに伝わる30の話 (シリーズ先住民の叡知)

          カナダのインディアンに伝わる30の話 (シリーズ先住民の叡知)  カナダの先住民(カナダ・インディアン)に伝わる話を集めた本です。  米国の先住民の言い伝えを集めた本は、何冊も出ています。  けれども、同じ北米でも、カナダとなると、とたんに少なくなります。類書は、ほとんどありません。  本書は、貴重な資料です(^^)  なお、本書では、日本人に馴染みのある「インディアン」という呼称が使われていますが。  現在のカナダでは、先住民を「インディアン」と呼ぶことは、

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          コーラン 下  岩波文庫 青 813-3

          コーラン 下  岩波文庫 青 813-3  イスラム教の聖典として有名な、コーランです。  本書は、上・中・下、三巻のうちの下巻です。上巻・中巻を、先にお読み下さい。  上・中・下、三巻のうちでは、本書、下巻が、一番、章の数が多いです。  それというのは、一章の長さが短いからです。  じつは、現在のコーランの構成は、後になるほど、時代的に古くなっています。  つまり、預言者ムハンマドが最初に受けた言葉は、末尾に記されています。読み進むほど、時間をさかのぼってゆ

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          コーラン〈中〉

          コーラン〈中〉  イスラム教の聖典として有名な、コーランです。  本書は、上・中・下、三巻のうちの中巻です。上巻から、先にお読み下さい。  内容は、上巻とほぼ同じです。ひたすら、アッラーを称える言葉が続きます。  けれども、上巻よりは、読みやすいです。一章一章が短いことと、比較的、物語的な部分が多いことからでしょう。  コーランは、預言者ムハンマド―本書では、日本の慣習にならって、マホメットと呼ばれています―が、神がかりして語った言葉を、まとめたものです。  

          コーラン〈中〉