短編連載小説 長い夜7
ダム湖にも2本の川が流れ込んでいて、
護は小さい方の川沿いの道を選んだ。
そこからは舗道が途切れデコボコの土道だった。
パンクしたら困るので、石ころに気を付け自転車を押しながら歩くと
8件ほどの集落が見えてきた。どの家も山にへばりつくように建っていた。
護の祖父の家は下から二番目だった。
「聡さん。じいちゃんの家によって荷物の整理をしよう」
聡は声を出さずに頷いた。
護の祖父の家には、その時ばあちゃんだけが留守番をしていた。
他の家族は、葉タバコの収穫に出ていた。
孫が友達と