お姫様ラッコの初恋|毎週ショートショートnote
410字
離さないで。ずっとそばにいて。
無口だけれど、わたしにはわかる。ふたりの想いはシンクロしている。
波がやさしく体を揺らす。守られている安心感で、あたたかな眠りへ。
「ララさま。どちらへ?」
うるさいのが来た。同い年のクセに説教くさいタオ、わたしの従者。
「彼氏んちに決まってるし!」
小言をさえぎり、石ころ探しのルーティーンへ。ホタテを楽に割れる究極ストーン。見つけたら彼に贈るんだ。すでに候補はいくつかあり、脇腹ポッケにしまってある。
ある日、台風が来て離ればなれ