やはり山崎努の演技が頭を離れない。ラバウルで生死を彷徨い、その戦地の土を持ち帰り、仏壇で手を合わせる。「生きなければ」という念とともに、「生き残ってしまった」という悔恨の情があるのだ。どうせならば戦って死にたい。いや戦う者のために死にたい。それがあの「ラバウル小唄」だったのだ。
「食い物をくれと言いながら死んだ奴もいた」と劇中で山崎努が語る。ラバウルでの話である。そうして義理の息子がようやく作った、とても小さなリンゴを手に握り、病院のベッドで逝く。リンゴは生き抜いた証であり、餓死した戦友にあげるためでもあろう。語らずに語る俳優はそういない。名優である。
映画「奇跡のリンゴ」を観た。書きたいことはいくつもあるが、義父役の山崎努の演技が秀逸。息子の無農薬に協力するため貯金を全額おろすのだが、その帰りのシーン。「ラバウル小唄」を口ずさむのだ。まるで戦友たちに捧げるように。そして戦地に赴くように歩き出す。余計なセリフは一切ない。よい。
ネットで読めるミニコミ誌『シネマズライフ』 256号公開中!! https://note.com/fuu_natu/n/nfd1a2d5af0e6 【映画の風景 日本の風景】『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』【BS・CS】】『銀河鉄道の父』『麒麟の翼』『誘惑のアフロディーテ』よろしくですm(_ _)m
『正直不動産2』の第1回を愉しく観た。いきなりの「ゴローさん(『タンポポ』)」にひっくり返りそうになったよ。いや本当に、「40年後のゴローさん」がラーメンすすってるふうにしか見えなくて(本人だから当然なんだけど)、泣きそうになった。
結局初代『 #必殺仕置人 』を観始めてしまった。おまけに記憶に残ってない#1いのちを売ってさらし首。最初に観た子供の頃,再放送でも1話は見逃し気味で。でも,ここに仕事人と仕置人の違いが雄弁に物語られている。見よ,この若き日の中村主水の笑顔。「のさばる悪を何とする。南無阿弥陀仏」だ