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【Chinema感想】伊丹十三について
前奏
私が「伊丹十三」という単語を聞いたのはいつなんだろうか。
21世紀生まれの僕が普通に生きていればその名前を聞くことがないであろう。
「伊丹十三」1997年に亡くなってから、テレビでその姿、作品は一切見たことが無い。映画が好きな父と話しているときにポロリといった言葉で聞いたのだろうか。
だがその時興味を持たなかった。「マルサの女」は面白いからみときや~!
と言われたと思うが、誰が税務署の話を好き好んでみるんだと中学生の私はそう思った、そんなのより、実相寺昭雄や金城脚本の話を分かる人と話したかったマせてる変なヤツだった。
出会い
高校生になると、いろんな映画を見て、ノートに記録するという趣味が出来たのでいろんな人に面白い映画ないですか?と聞いて回った。その時も、伊丹十三という名前は聞かなかったが、父親の言葉を思い出し、近所のGEOで
「マルサの女」を見た。
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なんだこれは。面白すぎる。津川雅彦、山崎努が若すぎる。
山崎努にいたっては今の老人のイメージが付きすぎていたのでこの映画の権藤の演技、ビジュアルには心底驚いた。
基本的なストーリーは板倉亮子VS権藤英樹だが、勧善懲悪ではなく、人間の奥深い感情をコミカルというラッピング紙でパッケージされている。
しかし、最後の夕日のシーンは明らかに商業映画ではない長回しで情緒が揺さぶられる。すごい、なんでこれを父親以外誰もおすすめしてくれないんだ
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あとがき
この記事を書く少し前に午前10時でやっていた伊丹作品は全部見た。
山崎努カッコよすぎる。