ボツネタ御曝台【エピタフ】混沌こそがアタイラの墓碑銘なんで#043
【おまけの採用ネタ】
人がケータリングを取る様子を楽屋からこっそり覗いている・あのちゃん:https://www.youtube.com/watch?v=jagkCMo1gzs&t=1931s
元歌 五輪真弓「恋人よ」
恋人よ そばにいて
こごえる私のそばにいてよ
おくりびとよ もまないで
広末の胸をもまないでよ
だから、もむなっていってんだろ! ゴロゴロゴロゴロゴロ……
彼女の胸はな……ゴロゴロゴロゴロゴロ……
猫のものなんだよ! ゴロゴロゴロゴロゴロ……
「うるせえな! 喉のゴロゴロまで再現するんじゃねえよ!」
……
まあ、これは冗談として、ファンの悲痛な思いもわからんでもないですよね
「デビュー当時から一緒に青春を駆け抜けてきたファンとしては、当然の反応なんだろうな」
『秘密』の小林薫も、『鉄道員』の高倉健も我慢してたのに、何でもむんですかね?
「いやいやいや、『鉄道員』の高倉健はもんじゃダメだろ!」
でも、この前『鉄道員』を観返してチェックしてみたら結構有りましたよ、もむチャンス
「チャンスが有ってもダメ! 高倉健は立場的に絶対もんじゃダメだから!」
……
「ところで『おくりびと』で胸もんだのって誰だっけ? 山崎努だっけ?」
違います! モッくんです! 本木雅弘!
「そうか、確かにそうだよな、山崎努がもんだら違うタイプの映画になっちまうもんな」
そうですよ、倍賞美津子の胸をもむ三國連太郎みたいになっちゃいますよ
「そうか、モッくんか~、何かモッくんだったら許せちゃうんだよな~、不思議と」
はい、ファンの間でも、「モッくんで良かった、不幸中の幸いだ」という声が上がっているそうですよ
「確かに、『綾鷹』のCMみたく和服を着て正座した本木雅弘だったら特に問題無いよな? もまれても」
ですね、和服のイケオジほど説得力のある存在は無いですからね
「そんで、もんだ後に「右側にしこりがあるようですので、すぐに病院で検査をしてもらった方がよろしいかと……」とかいわれたりして」
で、満足そうな表情でお茶を一口ズズッて飲んじゃったりしてね
「ありがとうございました、もんでいただいて本当に良かったです!」
……
って、オオォーーーーーーイ!!!!
「あっぶねー、あっぶねー、もう少しで洗脳されるところだったぞ!」
和服のイケオジ恐るべし! ですね
……
……
「でもよ、そもそも何でもむんだよ」
そりゃあ、夫婦だからでしょ
「ちげえよ、俳優としての必然性の話をしてんだよ!」
先輩、そんな事いい始めたら、そもそも胸をもむ行為そのものに必然性があるのか? って話になっちゃいますよ
「でも、みんなもんでるぞ」
ですよね、何でもむんだろ? そして、何でもませるんだろ?
「あれじゃねえか、そこに山があるから登るんだ! 的なやつじゃねえのか?」
確かに、アタイも小学校までは、太った男子のオッパイをもんでましたもん、特に理由も無く
「ただ、『おくりびと』の場合はモミモミに至るまでの流れが、いまいち納得できねえんだよな」
辛そうにしてたのに、急にモミモミですからね
「おかしくねえか? 矛盾してるよな?」
でも、男ってそういうもんでしょ? いってる事とやってる事が違うっていうか、「辛いんだ、悲しいんだ」っていいながら、もんでくるでしょ? あいつら
「男がよく使う手口だよな」
じゃ、結論は男の習性ということで
「するとあれか? 倍賞美津子の胸をモミモミした三國連太郎も男の習性ってことか?」
あれは、敬虔なクリスチャンが息子の嫁の胸をもむわけだから、もうちょっと深みのあるモミモミなんじゃないですかね
「人間という存在そのものの矛盾を表現したモミモミってことか?」
でも、西田幾多郎パイセンは、人間が矛盾しているというよりも、そもそも〈現在〉や〈世界〉が矛盾そのものなんだ! みたいなこといってましたよ
「それ聞いたことある、『絶対運命黙示録』だろ?」
違います! それは『少女革命ウテナ』です! 絶対矛盾的自己同一です! 絶対矛盾的自己同一!
「でもよ、そうなると最終的にはもんでもイイって結論になんねえか?」
そうですね、もんでイイってことになりますよね
「みなさん、もみたい人は、矛盾してるかなぁ~と思っても、もんでイイそうですよ」
そして、別にもませてもイイかな~と思ってる人は、何か変だな~と感じても、もませてあげてください
「よろしくお願いいたします」
……
「結論が出た後でわりーんだけどよ、そもそも、もんでんのか? 『おくりびと』は?」
う~ん、本当のことをいうと、いろんな意見が有りまして……
「どんな?」
実はもんでいないとか、あれは完全にもんでるとか、あと、確かにもんでるかもしれないが、あんなものは、もんでるうちに入らないだとか……
「で、結局どうなったんだよ」
はい、結論が出ないまま、先送りになったそうです
「さきおくりびとか……日本人らしいな」
アタイラとK君の3人で開いたすき焼きパーティーで、それは起こりました
秘密を聞き出すために、何とかK君に酒を飲ませようというもくろみは達成できたのですが……
その『ジキル博士とハイド氏』のような豹変ぶりは、酒癖が悪いなどというレベルをはるかに超えていたのでした
テキーラを一気に飲み干した後のK君の表情は、明らかに別人格でした
そして、奴はアタイラに向かって暴言を吐いたのです
「お~い、てめえら~!」
据わった眼のK君が、そういい放った瞬間、先輩の掌底が炸裂したのです
それは、腕が見えないほどの速さでした
肉を打つような鈍い音から少し間をおいて、K君はスローモーションで崩れ落ちて行きました
……
先輩! 何やってんすか!
「わりい、わりい、条件反射でつい……」
死んだらどうするんですか! おい、Kポタ、大丈夫か?
「ぅ、ううぅ……」
……
「泣いてんのか? こいつ」
泣いてますね
「ううぅ……」
Kポタ、ゴメンな、ヤンキーの条件反射だからしょうがねえんだよ
「パブロンの犬ってやつだな」
ゴメンな、掌底が効いちゃったか? 止めようとしたんだけどスピードが速すぎて間に合わなかったんだよ
「効いたよね、早めのパブロン! ってやつだな」
ちょっと、先輩は黙っててくださいよ
……
「ぅ、ううぅ……オ……オオ……」
ん? どうした?
「ぅ、ううぅ……オ……オオ……オッ……」
何かいいたいのか?
「オ……オオ……オッパイ……オオ、オッパイ……」
……
……オッパイっていってますね
「オ、オッパイ!?」
はい、確かにオッパイっていってます
「ヤダよ、オッパイ、オッパイっていいながら泣いてる男なんかと酒飲みたくねえよ~」
先輩、我慢してください、アタイラの当初の目的を忘れないでください
「う~ん、しょうがねえか~」
おい、Kポタ、いいたい事があるんならいってみろ、何でも聞いてやるから
「うう……うう……」
うんうん、いってみろ
「オオ……オオ……オッパイ……おっぱ……」
うん、オッパイがどうした?
「オオ……オオ……オッパイ……おっぱいバレー……」
おっぱいバレー? 今おっぱいバレーっていいましたよね?
「うん、聞こえた、オッパイがカタカナからひらがなに変わった」
おっぱいバレー……
「もうヤダよ~、気持ち悪いの通り越して何か怖くなってきたよ、マジで」
そこをグッとこらえて頑張りましょ、ね?
……
どうした? Kポタ、『おっぱいバレー』がどうかしたのか?
「うう……うう……」
うんうん
「うう……いえなかった……」
え? いえなかった?
「うう……み、みれなかった……」
みれなかった? どっちだよ!
「……かえなかった……お、おっぱいっていえなくて……かえなかった……」
何いってんだ、こいつ!
「あれじゃねえか、切符売り場で『おっぱいバレー』1枚! っていえなくて観れなかったんじゃねえのか? 映画を」
そうなのか? Kポタ? 恥ずかしくていえなかったのか? 『おっぱいバレー』って
「うう……みたかった……『おっぱいバレー』みたかった……」
観たかったって……
「はい、解散! 解散! 馬鹿馬鹿しい、何でこいつの下らねえトラウマを聞かなくちゃいけねえんだよ!」
先輩、そんなこといわないで、いい感じで訊けば答えるようになってきてるんですから
……
わかるわかる、Kポタ、わかるぞ! 思春期の男子には厳しいよな、窓口のおねえさんに『おっぱいバレー』1枚! っていうのはな!
「そんなもん、「バレー1枚、バババ、バレー1枚!」っていえばイイじゃねえかよ」
わかってませんね、先輩、思春期の男子ってもんはですね、オッパイっていうことそれ自体よりも、「あ、この子、オッパイっていうことを恥ずかしがってるな」とおねえさんに思われることの方が100倍恥ずかしいものなんですよ
「めんどくせえな~、まったく」
……
Kポタ、アタイにはわかるぞ、お前は悪くない、お前は何にも悪くない、悪いのは『おっぱいバレー』なんていうタイトルをつけた奴だよ、ね? そうっすよね、先輩?
「え? そ、そうだな、確かに配慮が足りなかったかもしんねえな、思春期男子に対する配慮がな」
だってよ、Kポタ、良かったな、お前は何にも悪くないってよ、かわいそうにな、『おっぱいバレー』じゃなくて、もっとカッコイイタイトルだったら、ちゃんと観られたのにな
ね? 先輩、そうでしょ?
「ん? ああ、そりゃあそうだろ、かっちょいい映画を観たがるのが思春期男子だからな」
例えば?
「え? ……ううーん、えーと、『三島由紀夫vs東大全共闘vsおっぱいバレー〜50年目の真実〜』とか?」
あっ、かっちょいい、かっちょいい、討論中の三島由紀夫と東大生の後頭部に向けてドライブサーブをバンバン打ち込むんでしょ? そんなんだったらKポタも観たいよな? な?
「う、うう……」
先輩、他には?
「え? まだやんのかよ……えっと、そうだな、『アンナ・マクダレーナ・バッハとおっぱいバレーの年代記』とかどうだ?」
うわっ、かっちょいいー! 映画芸術つーか、アートっぽい! Kポタも観てみたいよな!? どんな感じの映画かイメージは全然浮かばないけど観てみたいよな!?
「うう、うううう……みたかった……綾瀬はるか……みたかった……」
綾瀬はるか?
「……綾瀬はるかの……おっぱい……」
……
……
先輩、綾瀬はるかのオッパイゆうてますけど……
「頭おかしいだろ、こいつ」
なあKポタ、『おっぱいバレー』を観たってな、綾瀬はるかのオッパイが見れるわけじゃねえんだぞ
「え!?」
その瞬間、パッチリと目を開けたK君が、急に起き上がりました
「マッ、マジですか!?」
あったりめえだろ! 逆に何んで見れると思ったのか知りてえわ!
「そうだよ、綾瀬はるかがオッパイでレシーブなんかしてたら、日本映画の歴史が変わっとるわ!」
「……」
そんなにオッパイが見たいんなら、アダルトビデオでも観りゃイイじゃねえかよ
「いや、それじゃダメなんです、そういうんじゃないんです」
何にこだわってるのかサッパリわかんねえよ
「何ていうか、そんなのを見たら、ある意味負けなんです」
何と戦ってんだよ、おめえは!?
「それがわからないから辛いんじゃないですか」
……
オッパイだったらテレビでも見れるぞ
「え? ホントですか?」
うん、テレ東の『ファッション通信』観てれば、たまに出てくる
「うっ!」
あと、DVDだけど『ゴダールの映画史』なら、もっと凄いのが見れるぞ
「うぐぐぐっぐ……」
この世界はな、ファッションや芸術っていう言い訳さえできれば、オッパイやその他諸々も映してもイイってことになってるんだよ
「ぷ、ぷふい……」
埴谷雄高か!? お前は!
……
Kポタ、許容量を超えちゃったか? まあ、取りあえず飲めよ、アタイラのバドワイザーわけてやっからよ
「あっ、すいません、おーとっとっとっとっと」
……
まあ、思春期なんてそんなもんよ、後から考えれば何であんなことで悩んでたんだろ? ってことばっかよ、大丈夫、年を取っていけば段々と楽になっていくもんだから
「はい、ありがとうございます、頑張ります」
よ~し、だったらもっと元気だせよ、ほら、飲め飲め
「いただきま~す」
K君は、そういいながらバドワイザーを一気に飲み干しました
「わーはっはっはっは~!」
……
先輩、こいつ急に笑い出しましたよ
「飲む酒の種類で性格がコロコロ変わるみてえだな、ヤバいな」
……
「あー、何か吹っ切れました、もう『おっぱいバレー』なんて、どうでもイイです!」
そ、そうか?
「はい、吹っ切れました、今の気持ちを短歌にすると〈オッパイが見れないことを知ったから七月六日はオッパイ記念日〉ですかね」
オッパイが2回も出てきてるじゃねえかよ、全然吹っ切れてねえわ!
「そうなんですかね? 結局、僕はオッパイなんですかね? わーはっはっはっは~!」
……
……
しかしお前も頑張ってるよな、オッパイ・トラウマを抱えながらも良く頑張ってるよ
「そうですかね? ……まあ、『おっぱいバレー』へのルサンチマンが僕の原動力ですからね」
……まん?
「いや、イイです、今のは忘れてください、面倒くさいことになりそうな予感がするので」
とにかく、お前は日々頑張ってるよ、なんつったけな? 女の又の力みてえなやつだよ
「努力してるってことですか? そんな風におだてても何も出てきませんよ」
何にもいらねえよ、アタイラはKポタのことを労いたいだけなんだから……
「……」
……
「……ホントは何か聞き出したいことがあるんでしょ?」
え?
「……」
……
「見え見えなんですよ、急にパーティーを開こうだとか……それに様子がおかし過ぎます」
お、お前の方が100倍様子がおかしいわ!
……
「暮居さんの件についてなら無理ですからね、絶対」
……
ああ、別にいわなくてもイイよ……
「……」
アタイラだって、絶対にいわねえから
「え? 何をですか?」
暮居との約束を破って、お前がこうして酒を飲んでしまったことだよ
何かのきっかけで暮居カズヤスと連絡が取れるようになったとしても、お前が酒を飲んでしまったことは、絶対に口が裂けてもいわねえから
……
「それって……脅しですか?」
脅しのわけねえだろ、いわねえっていってんだから
「……」
たとえ、暮居カズヤスが急に帰って来て、「久しぶりだな~」なんつって会話が弾んでいる時に、「そういえば、Kポタの野郎、結局アタイラに秘密を打ち明けなかったなぁ~、あの時はホント頭にきたな~」なんて、ふと思い出したとしても、お前がコッソリ酒を飲んでいたことなんて、絶対に絶対に絶対に話さねえから安心しろ……ただ、この世に絶対なんてものは存在しないけどな
「絶対いうでしょ! 100パーいうでしょ! それ!」
アタイラは少しだけ席を外すと、隣の部屋で相談を始めました
……
「立ちションしねえじゃねえか! Kポタ」
ですね、飲む酒の種類によるんですかね? 日本酒飲むと立ちションするとか……
で、どうします? 実力行使に出ますか?
「うん、致し方なかろう」
じゃあ、アタイがKポタを羽交い絞めにしますから、先輩はわきの下やわき腹をくすぐってくださいね
「了解!」
リビングに戻ってみると、Kポタが横たわっていました
しまった!
テーブルの上のテキーラは空になり、煮詰まったすき焼きがグツグツと音を立てています
……
「う、ううう……」
……
はー、また、泣き虫オッパイ野郎に戻っちゃいましたよ
……
大丈夫か? Kポタ?
アタイはKポタを優しくて起こしてあげました
「うううう……」
Kポタの目は赤く腫れあがっていました
もうイイよ、Kポタ、アタイラが悪かったよ
……
「うう……いいます……うう」
ん?
「……話します……秘密……」
……
マッ、マジか!
せ、先輩! Kポタが話す気になったそうですよ!
「うんうん、イイぞ、イイ感じだぞ!」
……
「……でも……でも……条件があります……」
条件?
「……お……お……お……」
うんうん
「……おっ……おっぱい……おっぱい」
おお、おっぱい?
「……お、おっぱい……おっぱいを……おっぱいをもませてください……そしたら……話します」
……
……
バ、バカヤロー! 何いってんだ、お前!
「……ダメですか?」
ダメに決まってんだろ!
アタイの胸をもんでイイのはな! 三國連太郎だけなんだよ!
……
「……三國連太郎?」
そう、『復讐するは我にあり』の三國連太郎!
……
「……もう、亡くなられていますよ、三國連太郎さん……」
え? そうなの?
「……はい、令和時代でこの記事を読んでる方がそう突っ込んでいます……」
う~ん、じゃあ、あれだ、息子がいただろ? イケメンの俳優で
「……佐藤……佐藤浩市さんですか?」
それそれ
いいか? アタイの胸をもんでイイのはな、佐藤浩市だけなんだよ!
「うう……なんで……なんで、世襲制なんですか……」
Kポタ、もっと元気よく突っ込めよ!
……
……
いやいやいやいや、お前、何で先輩のほう見てんだよ! 死にてえのか!?
……
「別にイイよ、もんでも」
先輩! 気は確かですか!?
「うん、だって、もみたいんだろ? だったらイイよ、別に」
え? マジっすか!? マジでもんでイイんっすか!?
「うん、イイよ、もんで」
……
「なんでお前がももうとするんだよ! Kポタにいってんだよ! Kポタに!」
あ、そっすか、すいません、Kポタがもみたがってるのを見てたら、自分ももみたくなっちゃって
「何だよ、それ」
欲望ってのは、内在的なものじゃなくて、誰かのマネなんだそうですよ、男が変わるたびに趣味がコロコロ変わる女っているでしょ? アレと一緒です
……
Kポタ、もんでイイってよ
……
「……イイです……もまなくてイイです……」
何でだよ! せっかくもんでイイっていってんのに
「……だって……もんでるあいだ、僕のことを死んだような目で見るんでしょ?……ハンス・ベルメールの球体関節人形みたいな目で……僕のことをジーっとみるんでしょ?……」
……
「……別にイイんです、冗談ですから……」
何だよ、ビックリさせんじゃねえよ
「……話します……どうせ僕が秘密を打ち明けるまで、延々と今日みたいな事が繰り返されるんでしょ?」
ま、まあ、そうだな……
「それに、考えてみれば、お二人は明らかに暮居さんのお仲間ですし……」
「お話します……お話ししますけど、その代わり、僕がお酒を飲んだことだけは絶対に暮居さんに話さないでください、お願いします……」
わかった、約束する、先輩もイイですよね?
「おお、約束する、絶対に話さない」
……
「……実は……」
おい、ちょっと待て、その前にビールを一杯飲めよ
「あっ、ありがとうございます、おーとっとっとっとっと」
K君はバドワイザーを一気に飲み干しました
……
「よ~し! 何から話しちゃおっかな~!」
よし! Kポタ、そのテンションで行け!
「まず、暮居カズヤスさんは、お金持ちです!」
うん、まあ、ショボいとはいえ、いちおう一戸建てを所有してるわけだから、アタイラよりは金持ちだろうよ
「いえ、そういう事じゃないんです」
田舎の方で土地を持ってるとか? 親から広大な山林を相続されたとか?
「わかった! 競馬だろ!? 万馬券を当てたんだろ!?」
「違いますよ! 何でレベルを下げていくんですか!?」
……
「ご存知の通り、僕はお二人の身の回りのお世話をさせていただいているわけですが、本当の仕事は別にあるんです」
へえ~、どんな仕事だよ
「僕の仕事はですね、暮居さんの資産を管理する団体をチェックするグループをチェックするお仕事です」
……
う~ん、何をいってんのかサッパリわかんえな、もっとわかりやすくいってくれよ
「簡単な言い方をすると、暮居カズヤスさんは、すーーーんごい金持ちってことですかね」
またまた~、アタイラをからかおうとして~
「からかってませんよ、暮居さんは、僕の知る限りでは……いや、間違いなく、世界一のお金持ちです!」
……
……
せ、せせ、世界一!?
……
……