葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、言の葉をこよなく愛し、読書、珈琲、映画、音楽、そして手帳などの文具を楽しむ。かけがえのないひととき、ご一緒に。

葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、言の葉をこよなく愛し、読書、珈琲、映画、音楽、そして手帳などの文具を楽しむ。かけがえのないひととき、ご一緒に。

マガジン

  • 手帳の佇まい

    手帳は内面も外見も楽しめる、自分だけの道しるべ。自分探しの旅、終わりなき探究へ。

  • 幸せの佇まい

    幸せは常にそばに。ささやかだけど、かけがえのないもの。ありったけの想いを。

  • 感謝力

    感謝の気持ちを忘れないよう、何度でも読み返します。

  • その一冊の佇まい

    読書は心の旅路、作者との時空を超えた対話、没頭出来る時間へ。

  • この調べ、ひとひら

    音楽は人生のときどきを記憶し、彩る。

最近の記事

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今年もその季節到来。人それぞれ。〜手帳の佇まい(33)

今年も早くもそんな頃合い。 来年用の手帳の支度。 伊東屋さんの第7回「システム手帳サロン」が6日(金)に本店10階で始まった。 毎年顔を出しているが、ここ数年前の僕の関心は新作の付属品(リフィル類等)。 この30数年で20数冊のシステム手帳を買ってきたので、もう本体を新調する必要はない。それより既に我が人生と共に歩いてくれた品々を愛でながら、その本革を熟成させ、つながり(縁)を深めていきたい。 今はfILOFAXのNAPPAを2冊を愛用。 バイブルサイズ(パーソナルスリ

    • 今、この時代に生きた証、手書きの跡。~手帳の佇まい44

      僕は長い話は好きではない…。 先週発行のある業界紙に僕は手帳に関するコラムを書いた。 それを読んでくださった数人の方々からメールが届いた。 大半の人が同じ趣旨だった。 「実は今度の土日(11月9日と10日)、 来年用の手帳を買いに行こうと 思っていたのですよ」 今日と明日、文具店は、 書き入れ時のはずだ。きっと。 ところで木曜の夜、親子ほど歳の離れた20代の提携先社員とサシで飲んだ。 その宴でも手帳の話になった。 というか、僕がそうした。 彼は手帳を使ったことがない

      • 心の拠り所。健さん逝去から10年~手帳の佇まい43

        俳優高倉健さんの逝去から この11月10日で10年が経つ。 ファン歴48年。小学生の頃からだ。 映画の中の健さん、 伝説として語り継がれる健さんの生き方に憧憬を抱き続けてきた。 健さんは亡くなる数年前、 「NHKプロフェッショナル」に出演、 その際に(遺作となった)映画「あなたへ」の台本を披露した。 その台本は、 茶色の革のジップ式のカバーに 入れられていた。 そのカバーの内側のポケットに、 数本のラインマーカーが備えている。 台本には数ヵ所の付箋が貼ってあり、 几帳面

        • 父のポケットラジオ

          突然父が言った。 「お前も、買ってあげようか」 30年くらい前の話である。 数学の教師であった父は当時、高校受験用の数学の問題集を作っていた。 授業のない日は自宅の食卓テーブルで その原稿書きをしていた。 そんなとき、彼はいつも ラジオを聴いていた。 ポケットサイズのラジオ。 部屋に流すのではなく、 いつもイヤフォンで。 そのコンパクトな形状のラジオを 僕がしげしげと眺めていると 彼は呟いた。 「お前も聴くなら、買ってあげようか」 不思議な感覚だった。 驚きもあり喜び

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        今年もその季節到来。人それぞれ。〜手帳の佇まい(33)

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        • 手帳の佇まい
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          20本
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          36本
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        • 一杯の珈琲の佇まい
          11本

        記事

          再会の喜び。心が求める名品~手帳の佇まい42

          19日の金曜午後に銀座伊東屋さんの 「システム手帳サロン2024」へ。 今年で第8回目とのこと。 早いものである。 今回、とてつもなく大きな喜びがあった。 半ば諦めていた名品に再開できたのだ。 「Mnemosyne(ニーモシネ)」の リフィルノート(maruman)。 かつて伊東屋さんのこのイベント限定品(N155)で、バイブルサイズの 方眼リフィル(6穴)80枚を一冊の リングノートに束ねたもの。 去年のブログで記したものです。 このノートの魅力は5点。 ①上筆な紙

          再会の喜び。心が求める名品~手帳の佇まい42

          NoBrand、MyBrand~手帳の佇まい(41)

          例えばこのペンケース。 機能が満たされるだけでなく  手触り、色合い、大きさ、 重量が抜群で、もはや、 これなしではいられない。 決して製造元やブランドで 選んだのではない。 だからどの国で製造されたかなど、 知らないし、不要な情報だ。 例えばシステム手帳。 機能はもとより、 手に馴染んでほっとする。 重くなく大き過ぎず、耐久性があり、 見ていても安心感あり。 であれば、ブランドは関係ない。 国産でなくても良い。 確かにブランドは信頼と品質の証だ。 長年の実績の蓄積がある

          NoBrand、MyBrand~手帳の佇まい(41)

          自分が確かなら、それでいい。

          「他人がどう思おうが、 それは重要ではない。 自分が確かならそれでいい。」 大切なのは自分を信じること。 その弁護士は毅然とそう言った。 スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画「スパイ・オブ・ブリッジ」(2015年)を僕は十数回は観返している。 アメリカに逮捕されたソ連側のスパイを法廷で担当することになった弁護士ドノバン。彼は、その直後にソ連に捕獲されてしまったアメリカ側のスパイを救出すべく、両国間のこのスパイ交換をドイツのグリーニッケ橋で果たす。実話に基づくストー

          自分が確かなら、それでいい。

          幸運かどうか、我が腕時計に訊く

          これはアンラッキー、ツイてない、 その瞬間、そう思った。 先々週、会社のトイレの手洗い場で、 腕時計のベルトが壊れて、時計本体が、 洗面プレート、水道の蛇口の真下に落下。 幸い、咄嗟に時計本体を拾い上げ、殆ど無傷で済んだ。チタン製のベルトに内臓されている細い軸が折れたのだ。 この20年、仕事のときに使い続けている国産時計。一度も他の時計を着けたことはない。一途だった。この時計に僕の喜怒哀楽を染み込ませてきた。仕事場での僕の全てを見て、知ってくれてきた時計。 その週末、

          幸運かどうか、我が腕時計に訊く

          土曜朝は二刀流~手帳の佇まい(40)

          艶豊かで色に深みあり。 それでいて力みなく爽やかな佇まい。 小柄ながら良い仕事をしてくれる。 今週、そんな手帳を新調した。 ところで、毎週土曜朝の食品スーパーへの買い出しは、肩賭けの小型ショルダーに、余力なしの乱れ姿。買い物リストを記したメモ帳、小銭入れ、クレカなどのカードケース、スマホ2台を入れ、ハンカチと予備のマスクなどでパツンパツン。 最もかさばるスマホ2台は、仕事の事情で仕方なし。であれば我が哲学「自分の力で変えられるものは楽しく変えていこう」と背筋を伸ばし、思い

          土曜朝は二刀流~手帳の佇まい(40)

          散歩窓にて。

          去年より体重4キロ増。 覚悟はしていたものの、 一昨日の健康診断結果はやや痛く、 なんとか減量したいと、 僕は今朝早くからウォーキングに出た。 自宅から最寄駅まで歩いて25分。今朝のコースは、駅周辺の商店街までの往復50分。 その商店ゾーンにあるコンビニで、ついでに、朝食を買う。 歩き始めて10分の所に、 住宅街が一望できる高台がある。 朝日や夕陽が拝める、さしずめ青春の丘。 ここで僕は足を止め、青空と住宅地を眺めた。 何とも清々しい。 日常のモヤモヤを忘れる。 一軒ご

          散歩窓にて。

          あなたにとっての神様、その人の名は?~手帳の佇まい(39)

          街頭インタビューで 「あなたにとっての神は誰ですか」 と問うTV番組「オー!マイゴッド! ~私だけの神様、教えます」 (日テレ、土曜午前10時30分)が 面白くて、楽しい。 ここで言う神とは、 憧れの人、元気や刺激をくれる人、 仕事や趣味で模範となる人、等だ。 街角の老若男女の様々な回答がある。 「頻繁に通うカラオケスナックのマスター」 「スカジャン作りの職人」 「世界最高峰の大ベテラントランペッター」 「ジャズダンスの先生」 「週2で通うタコス料理店の店長」 「日本一の

          あなたにとっての神様、その人の名は?~手帳の佇まい(39)

          そして僕は日常に帰る。~手帳の佇まい(38)

          誰でも思い悩むときがある。 人間だから当然。 そのようなとき、僕は手帳を開く。 丁寧にページをめくり、 今の自分にふさわしいメッセージ、 フレーズを探す。 そこに答えがある。 「これだ、これっ。そうだよな」 と納得し、冷静さを取り戻し、 僕は、日常に帰ってゆく。 自分に必要なことは、 全てこの手帳の中にある。 日頃から手帳を そういう状態にしておくこと。 自分独自の、 執着しやすい思考や思い癖。 自分がモヤモヤする原因となるもの。 そういう煩悩への処方箋を 日頃から手

          そして僕は日常に帰る。~手帳の佇まい(38)

          みんな、通ってきた道が異なる。この先の道もそれぞれ。だから今。

          同じ職場の20代の女性が 退職することになり、 昨日が最終出勤日だった。 自分の夢を追いかけるために 英国に海外留学するという。 彼女とは僅かな期間、机を並べたが、 さほど沢山の会話があったわけではない。 昨日の職場夕礼で、 最後の挨拶をした彼女に、 僕は上司として、 これまでの貢献に感謝し、 夢の実現を祈念する言葉を捧げた。 思えば我が娘より歳下だから、 いわば親と子の世代間があるはず。 僕は全くその感覚を 持たないように努めてきた。 職場の仲間へのリスペクトを 感じ

          みんな、通ってきた道が異なる。この先の道もそれぞれ。だから今。

          「大きな夢やイベントを追うのもいい。だけど、それだけじゃないよ」〜日常のかけがえのないひとコマを〜

          大きな夢を抱き日々邁進する。 大きなイベントを控え準備に注力する。 これは素晴らしいこと。 だけど、それらがなくても、 人は感謝や幸福感を得られるという話。 1995年の米国映画「スモーク」の DVDディスクを何度も観返してきた。 本作はブルックリンの煙草屋が舞台。 店の主人オーギー(ハーベイ・カイテル)は写真撮影を日課にしている。 毎日、街角の同じ所に三脚を立て、同じアングルで街の風景を撮るのだ。 店の客であり友人である作家のポールは、 オーギーのその写真を貼ったアル

          「大きな夢やイベントを追うのもいい。だけど、それだけじゃないよ」〜日常のかけがえのないひとコマを〜

          「そんなもんだよ。仕方ないでしょ。」〜無垢な瞳が教えてくれた〜

          大型連休明けの通勤電車、 我が身を日常のペースに戻していく。 電車の中で感情がうず巻くときがある…。 今週の車内のこと。 夕方の混雑した時間帯、 出入口付近に私は立っていた。 先に乗った方々が奥に行ってくれない。 すると若い女性が乗り込んで 私の背中を押してきた。 そこまでは仕方ない。ここからだ。 その女性はスマホをいじり出し、 その固い形状が私の背中に当たっている。 このコツコツに私のイライラがつのる。 ふと斜め前を見ると、 ベビーカーに乗った赤ちゃんの笑顔。 その

          「そんなもんだよ。仕方ないでしょ。」〜無垢な瞳が教えてくれた〜

          その狭き空間の、つかの間の彩り

          村上春樹さんの原作をもとにした 映画「ドライブマイカー」で、 雇い主のクルマの運転を 仕事とする女性が、 中年の舞台演出家の自家用車を 担当することになる。 急発進や急ブレーキのない、 彼女の安定した運転ぶりを 彼は、賞賛する。 乗っていることを忘れてしまう程、 君は運転が上手いと、 寡黙で笑顔ひとつない彼が言うのだ。 彼は最愛の妻を失い、 ある疑惑と雑念を引きずったまま、 時を過ごしてきた。 彼女は23歳、重い過去を背負い 運転の仕事で黙々と生きてきた。 車中での二

          その狭き空間の、つかの間の彩り