『長いお別れ』を見て思い出した友人の手紙
『長いお別れ』2019年公開
認知症のことを「Long Goodbye(長いお別れ)」と表現するらしい。認知症になった人を取り巻く家族や友人の目線からの言葉だろう、と想像する。大切な人が徐々に失われていく気持ちを、後から回想してできた言葉なのだろうか。
認知症になった旦那様を看取った友人から手紙をいただいたことを思い出した。
毎日毎日、世界中で認知症になった方とその周辺の人たちには、喜怒哀楽の絶えないドラマが起こっていると思う。
映画『長いお別れ』にも様々なエピソードが散りばめられてた。
人生がうまく行かないと悩む次女(蒼井優)が認知症になったお父さん(山崎努)に悩みを打ち明けるシーンが良かった。お父さんは、正確に言葉を告げられない。けれど、伝えたい思いがあることは通じる。二人のやり取りを通して、人と人とのコミュニケーションが言葉だけでは無いという真実が胸に迫った。
奥さん(松原智恵子)の旦那への忠実な愛、アメリカに住む長女の遠く離れていても結ばれている絆、それぞれの気持ちが響き合う優しいものがたり。
ホッとする映画はいい。眠っていた良い記憶を呼び戻す。
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