この急須は……? お店に謝らなくちゃ キヨはまちがうことが増えた いくつかの町を転々とし そのたびに「ふるさとに帰りたい」と云う 家はやがて 空き地になった 楓の枝に腰かけ 貨物列車を眺めた畑 隣の公園の錆びたブランコ 静寂と鉛色の雪雲の町を後に 円はキヨを想った <完>