フランス音楽研究会

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最近の記事

スポーツと気晴らし サティとマルタン~時代を超えた感性の交錯~

『スポーツと気晴らし』は、パリの高級ファッション雑誌 La Gazette du Bon Tonが、1914年に企画し、エリック・サティ(1866-1925)とシャルル・マルタン(1884-1934)によるコラボレーションで1923年に出版。サティの言葉も伴った自筆譜は、1914年3月14日から5月20日の間に完成した。しかし、1914年6月に勃発した第1次世界大戦(1914-1918)の為、マルタンは出兵し、絵画制作は途中で中断されてしまった。終戦後、1922年に出版の企画

    • エリック・サティ氏の気晴らし 2024年11月10日 夢工房

      19世紀末、フランス音楽界では異端視されていたエリック・サティ(1866-1925)。しかし、20世紀に入ると、次第にサティ氏は、それなりに認められてゆきます。サティを評価していた作曲家のラヴェルやストラヴィンスキーも交えて、サティ氏による「気晴らし」の音楽会を計画しました。 今回の「気晴らし」のメインは「スポーツと気晴らし」です。 ロココの時代からのFête galante(雅やかな宴・艶めかしい饗宴)の伝統を受け継ぎつつも、近代の要素をふんだんに取り込んだ、20世紀版

      • ドビュッシー 飛翔する感性 2024年5月19日 午後2時半開演 つくばノバ小ホール

        この度、新しく開館したつくばノバホール別館(小ホール)にて、レクチャーコンサートを開催する運びとなりました。クロード・ドビュッシーが、詩人や画家たちと交流しながら、印象派から象徴派へと進化してゆく様子を辿ります。コンサートの核となる「ビリティスの歌」は、音楽・絵画・語りが一体となるようオリジナル編集いたしました。 展示サロンにて、「マラルメと画家たち」もお楽しみいただけます。 詩の朗読・絵画・レクチャーを交えながらの異分野を融合した♪コンサート♪をお楽しみいただけましたら

        • La bergeronnette セキレイ・羊飼い娘

          フランス音楽研究会では、2020年からブルクミュラー(1806-1874)作曲「25のエチュード」(1851年初版出版)の各タイトルの裏に隠された文化的背景を探ってきました。 第11番の"La bergeronnette"は、日本では「セキレイ」と訳されています。ウィーン原典版では、独/英訳で "Die Bachstelze / The Wagtail"と訳され、それぞれに「セキレイ」の意味です。しかし、1905年出版のペータース版では、"Die junge Schäferi

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          19世紀フランス社交界でのブルクミュラー『25のエチュード』フランス音楽研究会

          ブルクミュラー(1806-1874)の『25のエチュード(練習曲)』(1851年初版出版)は、今でも多くのピアノ学習者に愛されている曲集です。ブルクミュラーはドイツで生まれましたが、26歳ころにパリに移住し、ピアノ教師や作曲の仕事をしました。当時のパリの貴族や富裕なブルジョワの人々は、オペラやバレエを着飾って観劇し、サロン、夜会、舞踏会等でダンスや音楽を楽しみました。ブルクミュラーはバレエ作品の作曲家としても知られていますが、彼のお洒落でエレガントな音楽作品、特に「社交界用の

          19世紀フランス社交界でのブルクミュラー『25のエチュード』フランス音楽研究会

          水面との対話 ドビュッシー「大塚忍写真展」と共に 2023年11月5日

          「水面との対話」、この度、公益財団法人いばらき文化振興財団の助成を受けて実施する運びとなりました。会場の「夢工房」の壁面に、大塚氏による 四季折々の写真が波打つように並びます。 コンサートでは、市川景之氏のトークも交えながら、ドビュッシーの「水にまつわる作品」を演奏します。「ビリティスの歌」は、音楽と絵画と語りが一体となるよう当会がオリジナルに編集したものです。コンサート後は、大塚忍氏のトークと共に、写真展「dialogue」をお楽しみください。水面で繰り広げられる、植物や

          水面との対話 ドビュッシー「大塚忍写真展」と共に 2023年11月5日

          ブルクミュラー 多彩な表現を求めて 2023年9月3日          

          ピティナつくばSUNステーション主催で、2023年9月3日(日)10:30-12:30 つくば文化会館 アルスホールにて ブルクミュラーの親子ワークを開催します。(企画:フランス音楽研究会) フランス音楽研究会では、2020年からブルクミュラー「25のエチュード」の各タイトルの裏に隠された文化的背景を探ってきました。同時代の絵画、ファッションプレート、舞踏、文学、風俗文化等に触れてゆくうちに、「25のエチュード」は、前期ロマン派、中期ロマン派の基本的な時代精神を肌で感じるこ

          ブルクミュラー 多彩な表現を求めて 2023年9月3日