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二女のキセキ

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難病の二女のこと。
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朝、突然ガラスが娘に降ってきた

朝、突然ガラスが娘に降ってきた

パッリーン!

数日前の早朝4時過ぎ。
頭の右上の方で大きな音がして飛び起きた。
枕元にあるリモコンで電気をつけると、壁にかけてあった額縁が棚の上に落ちて、表面のガラスが割れていた。

その棚は、肢体不自由の二女に必要な医療的ケア用の機械や物品を置くために、娘のベッドの頭の方にピッタリとくっつけて置かれている。

うわぁ、あかん!娘が危ない!

寝ぼけた頭が猛スピードで覚醒した。
慌てて娘のまわり

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パパ友な歯医者さんたちの、優しいバトンパス

パパ友な歯医者さんたちの、優しいバトンパス

「かぜさんが でますよー」
「みずさんが いきますよー」

この穏やかな言葉に、私は何度もほっこりしてきた。

娘が小さな頃からお世話になっている歯医者さんは、娘が20歳を過ぎても、いつも保育士さんのように娘に話しかけてくれていた。

お顔は、若き日の大江千里さんそっくり。

娘は難病で、現在では人工呼吸器を使って寝たきりの生活をしているが、小さな頃は医療的ケアは必要なくて、ご飯も食べられていた。

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土曜日の朝、開店したばかりのお店でモーニングコーヒーを

土曜日の朝、開店したばかりのお店でモーニングコーヒーを

彼女に会うときはいつも、土曜日の朝8時、開店したばかりのスターバックスで。

朝早くに会えば、さよならしてからの時間もお互い有効に使えるので、早朝に会うことを2人とも気に入っている。

彼女は二女が通っていた療育施設の先生だったが、家族ぐるみで仲良しになり、今では時々会ってお互いの近況を話す親友のような存在になった。

彼女は私より5歳年上で、ちょっとずつ子どもや孫の年齢も我が家より上だ。
だから

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朝起きると、キッチンのテーブルにポンとチョコが置いてありました

夫からの私への労いかな

二女の体調が不安定なため、数日眠れずにいたのですが、これ見たら思わず吹き出して元気が出ました!

キットカットひとつで、安いな、私!
言葉のチョイスが古いぞ、夫!
でも嬉しいぞー!


なんでもない毎日を愛おしく思う

なんでもない毎日を愛おしく思う

久しぶりに、大切なママ友と会った。
肢体不自由の二女と一番仲良しだった幼なじみのママだ。

25歳という若さで幼なじみがお空に行ってから、もう半年が経った。

しばらくは、彼女が少し長い入院をしているだけような、ふわふわした感覚だった。
しかしそれも、もう会えない、という覚悟に少しずつ変わってきた。

娘が通う生活介護施設へ娘を迎えに行くと、幼なじみが置いていった茶色のマットに、違う子が寝転んでい

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頼ったらいいんだなぁって、ようやく思えた

頼ったらいいんだなぁって、ようやく思えた

約1ヶ月半前、私は右腕を痛めてしまい、あまりの激痛で、日常生活も普段のようにはできなくなった。

原因は、娘を家から連れ出す時の抱っこだ。

その日も、生活介護施設から肢体不自由の娘を連れ帰り、いつものように抱っこで娘を車から降ろした。
駐車場から階段を上って家まで行くとき、ピキッという痛みが腕に走った。

右肩の少し下、ちょうど上腕二頭筋の付け根あたり。

「やばいかな、娘を落としてしまうかな。

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せめて一目だけでも、お顔を見てから

せめて一目だけでも、お顔を見てから

しばらく沈黙した後、唐突に先生は言った。

「婚活パーティーに行ってきたんですわ。」

驚いた私は「はぁ」としか言えず。

「女性の半分はマスクをしてたんですけど、お母さん、どう思います?」

「あ、それはあかんよね、やっぱり少しでもお顔を見なきゃ、決められないだろうから。」

この「先生」とは、肢体不自由の二女のリハビリの先生で、我が家に訪問に来ていただくようになって8年ほどになる。
なかなか長

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4年ぶりに、車椅子の二女とショッピングする

4年ぶりに、車椅子の二女とショッピングする

もうそろそろ、二女と一緒にお出かけしてもいいんじゃないか、と、やっと思えるようになった。

この4年間は、娘を数回ほど実家や冠婚葬祭には連れて行ったが、外出といえば、病院か施設にしか連れて行ってやれなかった。

繰り返されてきた同じような日常から、彼女がちょっとはみ出せる日を、ずっと待ち望んできた。

あと数日で娘は26歳になる。

だから、誕生日プレゼントを買いに、夫と一緒に娘をショッピングセン

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生徒としてだけでなく、人としてあなたが好き

生徒としてだけでなく、人としてあなたが好き

noteを始めたばかりの頃、出会えて嬉しかった大切なエッセイがあります。

読ませていただき、ポロポロ泣きました。
そうなんです、ねいびーさんが書いておられるように、我が子を「可愛い」って思ってもらえることが、親ってすごく嬉しいと思います。

身体にも知的にも重い障がいのある二女のゆうは、就学前は療育施設に5年間通い、その後は、肢体不自由の特別支援学校に12年間通いました。

その間、たくさんの先

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本の声に耳を澄ませて、娘の言葉を重ねてみる

本の声に耳を澄ませて、娘の言葉を重ねてみる

帯の言葉に、ドキッとして、胸がチクリと痛む。

「私の身体は生きるために壊れてきた。」 

『ハンチバック』

市川沙央さんの、芥川賞受賞の作品だ。

芥川賞受賞者の記者会見をたまたまニュースで観た。
気管切開した首のカニューレを指で押さえながら、ゆっくりと話をしている車椅子の女性作家の言葉に、グッと惹きつけられた。

市川さんは会見で、
「重度障害者の受賞者や作品がこれまであまりなかったことを考

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母親って、子どものことですぐに傷ついてしまうんだから

母親って、子どものことですぐに傷ついてしまうんだから

玄関で傘を持って立っているおじさんは、すごくガタイの良い人だ。
お会いするのは2度目で、前回は前任の方に同行して我が家に来られた。

私と歳は同じくらいだが、この分野では全くの新人らしくて、緊張しているのが空気から伝わってくる。

彼は、新しく担当になった相談支援専門員さん。

これまでの7年間は、私と同世代の女性が担当だったが、今年度から人事異動で彼に交代した。

相談支援専門員とは、障がいのあ

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いい香りのする子だね、って思ってもらえるように

いい香りのする子だね、って思ってもらえるように

「ゆうさんって、いい匂いがするね。いつも、ほんとにきれいにしてもらっているわね。」

先日、訪問診療の眼科の先生から、こんな、とっても嬉しいことを言われた。

彼女を毎日お風呂に入れてやれなくなって、何年が経つのだろう。

25歳になる二女のゆうは、筋肉が壊れていく難病で、現在は気管切開をして人工呼吸器を常時つけている。
動いたり、食べたり、話したりすることが、今ではできなくなってしまった。

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思い返せば、あれは旅行でした

思い返せば、あれは旅行でした

何年ぶりだろう、二女と長男を車に乗せて、3人でお出かけするのは。

先月末のこと。

「バイトは休みだし、明日は特に予定がないよ。」という夏休み中の息子に、二女の病院の付き添いを頼んでみたら、二つ返事でOK。但し

「診察や訓練には付き添わずに、俺はロビーで待ってるから。」

とのこと。
それで母は充分。車から車椅子を降ろす手伝いを、彼にやってほしいのだ。

現在、二女のゆうは2つの病院に定期通院

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かけ声は、家の中だけでよろしく。

かけ声は、家の中だけでよろしく。

ほっ、いよっ、よいしょ、どっこいしょ、よっこらしょ、とりゃー、いちにのさーん・・・。

重いものを持ち上げるとき、どんなかけ声を発しますか?「かけ声がなくても持ち上げられるよ!」という方もいらっしゃるでしょうが、ついつい声が出てしまいますよね。

おじさま、おばさま世代の中には、「よっこいしょういち」とか、「どっこいだいさく」まで叫ぶ方もいらっしゃるかもしれません。(個人のお名前をそんな風に使うの

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