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#本
『現代思想2024年9月 vol.52-12 特集・読むことの現在』(青土社)
今回は「読むこと」について「読む」こととなった。メタ構造のようだ。実に多彩な角度から「読む」ことについて論じられた文章が集められた。これをどのように「読む」とよいのだろうか。といった遊び的な眼差しは一旦控えて、まずはどのような話題があるのか、ご紹介しよう。
冒頭の対談で、まず殴られるような感覚を覚える。話題は「読書バリアフリー」である。芥川賞受賞で注目された、市川沙央さんが登場する。障害を負っ
『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子・講談社)
2005年秋、東大教授の若井晋さんのもとに、琉球大学から講演の依頼があった。本書はここから始まる。まだ発症したとは言えなかったが、その気配は始まっていた。59歳だった。このとき沖縄を訪ねたことが、治療生活をそこで暮らし、いろいろな人と出会う契機になったのだということらしい。
このプロローグで、「医師は、自分の専門領域の病気にかかることを極度に恐れる」という言葉が挙げられている。晋さんは、脳外科