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【読書ノート】『良心の物語』(『アウルクリーク橋の出来事』より)

【読書ノート】『良心の物語』(『アウルクリーク橋の出来事』より)

『良心の物語』(『アウルクリーク橋の出来事』より)
ビアス著

アメリカ南北戦争の時代。
南軍のスパイ、ドレーマー・ブルーンを捕まえたのは、パロル・ハートロイ大尉。

ブルーンは、ハートロイ大尉の名前を呼ぶ。その時、ハートロイ大尉は、過去のある出来事を思い出す。それは、ハートロイがまだ、若い頃、捕えられたブルーンに生命を守ってもらっていたのだった。

ところが、ハートロイは今や、大尉という要職にあ

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【読書ノート】『ナンタス』(『オリビエ・ベカイユの死』より)

【読書ノート】『ナンタス』(『オリビエ・ベカイユの死』より)

『ナンタス』(『オリビエ・ベカイユの死』より)
ゾラ著

ナンタスという青年の物語。
わずかな資金を元手に成功するためにパリにやってきた。必ず成功できると信じながらも、資金が底をつく。もう少し、資金さえあれば、きっと成功するはずだ。そんな時、伯爵の娘(フラヴィ)と形だけの結婚をしないかという話がくる。フラヴイは大変美しい女性だったのだけど、ナンタスにとってどうでもよいことだった。お金と地位が突如与

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【読書ノート】『働くということ』

【読書ノート】『働くということ』

『働くということ』
勅使河原真衣著

ご近所の方なので、著書をいただいた。

能力主義が問題なのだと強く主張している。能力があるかないかで、報酬が決まるということも問題だという。

人材開発のコンサルタント。こういうことを仕事にしている人がいるということにも驚いた。

私は長年フリーで働いていたし、起業して、人も雇っているので、冒頭から、「能力主義でひとを選んではいけない」という意味はよくわからな

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【読書ノート】『冬空のクレーン』

【読書ノート】『冬空のクレーン』

『冬空のクレーン』(『さいはての彼女』より)
原田マハ著

日本最大手の都市開発会社で日本最大と言われる開発プロジェクトを任されて日々奮闘ている主人公・陳野志保。周りからは、閃光の眼差しで崇められ、自らも、大会社の看板を背負って立っている自負もある。そんなある日、期待していた後輩・横川君との間でトラブルが起こり、強く叱責したところ、横川君は、出社拒否どころか、名誉毀損で会社を訴訟することをちらつか

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【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

『新編 人生あはれなり 紫式部日記』
小迎裕美子 紫式部

紫式部日記をわかりやすく解説した本。華やかな日常を過ごしていと思いきや日々、将来の不安や人目を気にするストレス、目立ちたくないという願望など、現代の女性にも共感できる人間関係や仕事、嫉妬などが描かれている。

『源氏物語』の登場人物も取り上げていて、人物像を知る上で役にたつ。

平安中期の三大才女(紫式部・清少納言・和泉式部)の微妙な関係

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【読書ノート】『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳

【読書ノート】『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳

『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳
福沢諭吉著
武田知弘訳

福沢諭吉が書いた『西洋旅行案内』の現代語訳兼解説本。

明治維新前後の混乱期にアメリカやヨーロッパ訪問使節団に潜り込み、当時の西洋社会の様子が詳細に記されている。

福沢諭吉が、どういう人物だったのか知ることができる大変興味深い内容。

黒船来航、ペリー来日で、蒸気船を見よう見まねで、造られた咸臨丸に乗って太平

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【読書ノート】『人間とは何か』

【読書ノート】『人間とは何か』

『人間とは何か』
マーク・トウェイン著

1835年にハレー彗星が、地球に接近した直後に生まれ、1910年のハレー彗星接近の翌日に死ぬ。
「自分はハレー彗星と一緒に地球にやってきたので、ハレー彗星と一緒に去っていく」と言いふらしたのだけど、本当に、そうなったようだ。

亡くなる直前に書かれた書物で、自己啓発的な内容。

人間は何か?という問いに対して、「人間は機械だ」という。一見何を言っているのか

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【読書ノート】『笑いのある世界に生まれたということ』

【読書ノート】『笑いのある世界に生まれたということ』

『笑いのある世界に生まれたということ』
中野信子・兼近大樹著

笑いというものは何なのか?
中野信子と兼近大樹が、様々なエピソードを展開する。

印象に残ったこと。

①世界幸福度ランキングの上位の国は、抗うつ剤消費国ランキングとかなり一致しているらしい。

幸せに生きていくためには、薬が必要ということになる。

②好感度って、人に好きになってもらうことではなくて、人を好きになる感度かなと思う。

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『脳内麻薬』

『脳内麻薬』

『脳内麻薬』
中野信子著

一言で言うと、「ドーパミン」は、人間の行動や感情に大きな影響を与える脳内物質だということ。ドーパミンは、人間にとって必要なものではあるものの、過剰になると依存症や暴走を引き起こす。逆に不足すると、やる気や幸福感が低下する。

印象に残ったこと。

①世帯年収別に「幸福感」によると所得 1500万円までは、所得とともに幸福度さ上昇する。それを超える低下する。

②店員の笑

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『寒山拾得』

『寒山拾得』

『寒山拾得』
森鴎外著

唐の貞観の時代というのは、西洋では7世紀の初めのころ、台州の知事の閭丘胤(りょきゅういん)は、頭痛に悩まされていた。そこに、乞食僧、豊干(ほうかん)が現れ、あるまじないを唱えられて、閭丘胤の頭痛が解消する。

豊干は閭に、天台山の国清寺に住む二人の聖人、寒山と拾得に面会することを推奨したのたまった。豊干によれば、これらの聖人はそれぞれ文殊菩薩(智慧や学問の象徴)と普賢菩薩

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『小僧の神様』

『小僧の神様』

『小僧の神様』
志賀直哉著

小僧の仙吉に貴族議員Bが、奢ってあげるという話。

たまたま貴族だから、金持ちのBは、
同情することが偽善ではないか?金持ちが社会に還元することが偽善とみられてしまうのではないか?ということに、葛藤を感じているということなのだけど。

日本人は、お金持ちが、社会に還元しようとすると反感を感じさせてしまう。昔からそうだったのだろうね。zozoの前澤氏がお金をばら撒いた時

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『髙田明と読む世阿弥』

『髙田明と読む世阿弥』

『髙田明と読む世阿弥』
髙田明著
著者は、ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎社長
A and Live代表。1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、阪村機械製作所に入社。勤続2年目から欧州に駐在し、機械営業の通訳に従事。74年、故郷に戻り、父親が経営するカメラ店で働く。86年、37歳で独立し、「たかた」(現ジャパネットたかた)を設立。

世阿弥は中世の能楽師のことをいう。「風姿花伝」

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『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』
古川渉⼀ 著

会話できるAI ChatGPTがもたらす未来を知る!

『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』は、人間と会話できるように訓練された最新のAI技術。その「対話型AI」についての全体像が、見えてくる。

ChatGPTは、OpenAIという非営利団体が開発した対話型AIの一種で、人間が入力した質問に答えるだ

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「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ダン・アリエリー 著
著者は、2008年にイグ・ノーベル賞を受賞したことでも有名な行動経済学の専門家。行動経済学とは、経済学に心理学の要素をプラスした学問で、人間の行動や意思決定に影響を与える心理的な要因やバイアスを研究している。

本書では、アリエリー教授が、読者から寄せられた日常生活におけるさまざまな悩みや疑問に答えるという形式を

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