56話、この後に泉さんが出てきても、ああいう関係に納得してしまった以上、もう矢代さんにはどうすることもできないんだよな。
矢代さんが吐き気を催すのは、女であるかのように扱われ、女に向けるような好意を向けられたとき。それは義父が「坊主は本当は女の子なんだ」と言っていたことに起因している。影山や百目鬼の相手の女を想像して欲情するのも、自分がもし本当に女だったら、普通に愛されるのかという投影か。
タイトルの「囀る鳥」は矢代のことだと先生がインタビューでおっしゃっていたが、6巻終わりで百目鬼が見た飛び去る鳥は、矢代が黙って一人去ってしまったことを表しているのだろう。よって「飛ぶ鳥は言葉を持たない」の鳥は百目鬼でもあり、矢代でもあるということになるのだろうか。