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囀る鳥は羽ばたかない 第49話【変わってない】

【2022年10月08日】

「囀る鳥は羽ばたかない」49話の私的ネタバレ覚書。

休載2連発、実に半年ぶりの囀る。
「半年」が重要キーワードになるのはつらい。

まあまあ深い妄想の沼底に潜みつつ
この時を待ってました。

前半ヤクザパート
後半ふたりパート
あっえっ20ページ
ああ、そう、そうですか…
(休載二連発後はページ数多いかもとうっすら期待していた私)

何度も繰り返して申し訳ないけど
この4年後のヤクザパートにまったく気が乗らないわたくし、
今回また新顔登場でますます意識が遠のいております。
なんかもうふたりを巻き込まないでくれよと思うばかり。

※毎度のお約束:
 以下がっつりネタバレ含みます。
 登場人物の心情とかストーリー解釈とかは
 あくまで個人の見解です。

******

立場は変わっても
気持ちは――

******

気持ちはなんだよ!
はっきり言い合えよ!

(やさぐれの叫び

扉絵は超美麗。


まず私の心が今のところまったく揺れないヤクザパートから。

神谷と百目鬼のどっちか、と言いながら
神谷が戻ってくると文句言う連。
まあヤクザだからね、理不尽よね。

百目鬼は神谷に
矢代の監視と共生会の残党探し、どちらもやると言って
感情を隠したまま矢代の元へ。
神谷は自分も残党探しするからと綱川たちをなだめすかした。
なんだかんだ言って神谷は百目鬼寄りなのがいいよね。

百目鬼は神谷が綱川の指示で自分の監視をしていることを知っていた。
「カマかけられた」と神谷は怒ってたけど
そのへんの鋭さはさすが元警察官。
綱川が神谷に自分を監視させていたことを
「信用されてないから当然」と言うのは
毎度おなじみ自己肯定感の低さか、
百目鬼自身も綱川を信用していないからか。

神谷が帰った後の綱川と連の会話から
綱川たちは奥山組の奥山が吹っ掛けてきてると考えていて
共生会の残党を探し出すと同時に
奥山組も潰す気でいる。
でも奥山はこの一連の動きを知らないらしいのよね。
桜一家は相手のそういうところちゃんと調べてる?

そのころ、
左目に傷の甲斐という男に奥山組の若頭が釘を刺していた。
やり取りを見るに、やっぱり奥山組本体は
竜頭が方々で起こしてる揉め事に関与していないっぽい。
桜一家に道心会、共生会?共生会も?ん?
共生会は残党を巻き込んでるっていう意味かな。
なんにしてもまとめて「面倒事」というからには
甲斐という男は奥山組にとっても厄介者。
甲斐は奥山組の組員?竜頭は甲斐が動かしてる?
奥山組は今、その辺とは別の問題が起こってる?
いやーこれこっち関連の話が長引きそうでつらいなー!
(大声の本音


さて
百目鬼が荷物持って戻ると
矢代がエレベーター前で待ってた。待ってた!
(大事なことなので2回
ひとりで先に部屋に戻るとかしなかったのね!
矢代が・百目鬼を・待つ なんて…ほろり

部屋に戻る途中、矢代に七原から電話。
山川探しをサボって杉本と麻雀していたことをあっさり看破されるあたりこれ毎度のことだな。そういうとこだよ七原…
とにかく山川を捜し出せ、ケツの毛むしり取れと指示する矢代の後ろをついて歩く百目鬼。
その光景がなんだか懐かしくてしんみりする。

部屋に入り、ソファに座る矢代と立ったままの百目鬼。

乾いた会話をしつつ、
「ケツの毛を抜く」という比喩がわからない百目鬼に
笑いだした矢代が
そういうところは変わってない、と言うと
あなたもそうやって笑うところは変わっていない
百目鬼が返す。
……あれ?

矢代は百目鬼と再会してから
百目鬼は変わったと感じ、百目鬼にもそう言い続けていた。
自分に対する態度も扱いもすっかり変わってしまったことに矢代はずっと傷ついていて
監視役に百目鬼を強引に選んだことも相当勇気がいったはずで
部屋に引き入れたものの会話もビジネスライクで
そんなときに「ケツの毛を抜く」=有り金全部奪い取る、という
特にヤクザ用語でもない比喩がわからない百目鬼に
「ネコ」の意味がわからなかったあのころの百目鬼が見えて
思わず笑ってしまったけど
その表情が泣き出しそうにも見えてせつない。

その様子を見て百目鬼も矢代に
あなたもそうやって笑うところは変わっていない、と返したけど
百目鬼はずっと矢代に変わらないと言ってたよね。
百目鬼は矢代が変わっていないと思っている、
見た目も(ちょっとやせたくらいで)、
男とヤリまくってるところも(やってないのに)
苛々するくらい変わらない、と。
なのに「笑うところ『は』変わってない」
あれ??

それは「変わった」と思う相手に対する言い方では。

あなたは変わった、でもそういうところは、っていう。
私が無駄に深読みしてるだけかな。
この言い回しに特に意味がないならそれでもいいけど
ちょっと気になったんですよね。

俺は変わってない、と小さく嘘つきながら
そのままソファで寝そうになる矢代を
百目鬼が軽々お姫様抱っこしてベッドに運ぶ。
綱川邸で腕引っ張られてた時と同様、
強く嫌がるでもなく運ばれて
ベッドにそっと降ろされた矢代は
少し不安げな眼で百目鬼の様子をうかがう。
黒手袋のままの百目鬼の手が矢代の胸に、
指先がシャツの隙間から肌に。
はっきり傷ついた顔の矢代が百目鬼を押しのけ、
百目鬼がその押しのける矢代の手を取って抑えつける。
言葉もなく見つめあうふたり。

******

私がこの4年後のヤクザパートに
こんなにも気が乗らないのは
「矢代と百目鬼が中心ではないヤクザの揉め事で他人事にしか見えない」
てのがメインだけど
綱川に魅力を感じられないのも大きい。
人気あるみたいなので賛同してもらえないとは思うけど、
なんていうかどうにも…頭が回らなくないですか。
たとえば百目鬼があっさり助け出した仁姫ちゃん、
なんで捜し出せなかった?
共生会の残党探しからの奥山組潰しも、
ちゃんと調べたうえで出した結論かな?
慎重な三角と比べると何とも言い難く稚拙な動きで不安になる。
単純で直情的なところは天羽も利用いや頼りにしているけど
綱川を信頼しているわけではなさそうなのよね。
仲良しだけど。

綱川は百目鬼を欲しがってるけど
信用できないからと神谷に監視をさせている。
大きな戦力になるだろうし、配下に欲しい気持ちはわかるけど
そもそも信用できないのは百目鬼の人となりがわからないからで
それは偏に百目鬼が素を見せない、つまり
綱川を、桜一家を信用していないということ。
桜一家に信用されなくても構わないと思っているということ。
綱川はその辺も気づいていない。
4年も見てて信用できないならそれまでじゃないの。
神谷のことは理解して信用してるのにね。

そしてその神谷もまた百目鬼に対して疑心暗鬼。
矢代の監視も、共生会残党探しもする。
…本当に?
お互い敬語をやめる、と自分で提案しておきながら
次の朝にはもう敬語に戻してる。
4年ぶりに再会した元上司とはただならぬ仲。
必要最低限の会話と無表情、感情を露にしない男が
最近「苛立っている」。
こんなに不安材料だらけの男をよくかばってくれたな。
百目鬼推し的には非常にありがたいけども!

百目鬼は矢代に、監視のほかの仕事もある、その時は
別の人間寄越すと言ったけど
百目鬼が頼めるのは神谷くらいだよね。
ただ、ホントに矢代の側を他人に任せるのかな?
神谷とは桜一家の人間で唯一軽口をたたく仲だけど
気を許しているわけではないからなあ。

ところで神谷のシャツはどんどんボタン外してないか。
ガッパー開いてるけど。七原と張り合ってんのか。
ホント気が合うなきみら。


そんな他人に自分を見極めさせないスペシャリスト、
今回もモノローグなしだったわ。深いため息。
でも強引で粗い扱いはないし
矢代を見つめる目も冷たさは…ないような。
モノローグがないせいで(くどい)
贔屓目でそう見えるだけかもしれないですけど。
矢代を変わってないと言い続けてるけど
そろそろ気づかないと。矢代がすっかり変わったことに。
ちゃんと顔を見て。
そんな不安気で泣きそうな顔、見たことなかったでしょ。

井波に痛めつけられ、
他所の組に連れて行かれて詰め寄られ
百目鬼に翻弄されてくたくたの不惑はもうおねむなので
とりあえず寝かせてほしいけど
もしかしてお姫様抱っこからの一連のムーブは
「寝るなら着替えてベッドで寝てください」な感じ?
だといいなー。寝るならベッドよねー。
だったら寝る前にお風呂もね。
逃げられないように見張りもかねて一緒に入ればいいよね!
ね!!

矢代はたぶん、キスを期待したのかも。
これまでもそうだったし。
なのに。
矢代は手袋嵌めたままの手で触られただけで
簡単に傷つくくらいもう限界なので
このあとはお互い着替えてベッドで添い寝してほしい。
膝枕も捨てがたいけどここはやっぱり腕枕だな。
いやこれけっこう本気でね。
じゃないと矢代だけじゃなく
私も傷つくんですよ!!!

次号の予告にヨネダさんの名前があっても
安心できない勢です。祈ってますけども。

※そういえば前回、
 百目鬼のポケットチーフに驚いて
 矢代のマネかしらうふふふと思ってたんですけど
 今回あっさりなくなってたわーwどうして!?

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