物書きはなぜ物語を書くのか? それは物語という体験を通すことでしか、伝えられない何かを伝えたいから。 たとえば「愛」「生きること」。 一言で表現できるけれど、それだけでは中身は伝わらない。 その中身を手に取り、味わい、感じることが出来る形にする。 それが「物語」を書くということ。
読書って、脳内ワンダーランドで遊ぶこと。 白い紙に黒いインクが刷られただけなのに、宇宙の果てまで飛翔できる。 遠い過去に転生できる。 自分ではない何者かの人生を生きられる。 自分自身の人生が一瞬にして塗り変わることも起きる。 そんな魔法の扉。
物語の書き方は難しい。後退できない自分と相手に理解されない本人がいて混乱する。僕の作品はそんなに読まれないので大切にしてあげたい。停滞する時間も作品をよくするものだと思うようにしている。楽になりたいという感情に従属されるので作品を書く為にテーマに忠実になる。なるべく絶望を演じる。