【ショートショート】高校入試発表合格
薄暗い教室の中に自分の名前を見つけた。窓は閉じられていて、風で吹き飛ばされないように配慮をしているのは納得できるが、照明くらいは点けてくれていてもいいとボクは思う。
紙には高校入試の結果が印字されていた。国語は七十三点と高いが、社会は三十八点と、今まで取ったことのない点数が刻まれていて、不穏が襲った。もしかしたら、落ちているのではなかろうか。外へ出て、中学の制服を着た男女の群れに交じる。周りに友達はいない。友達と一緒の高校に行くみたいな陽キャめいたことは不得手だ。
桜が