◆ベイトソンの「情報とは差異を生む差異である」という有名な定義の意義を感じにくいのは、情報と非情報の区別を考えようとするからではないか。同定義によれば何かはおそらく必ず何かにとっての情報である。むしろ同定義を、情報Aと情報Bが等価か不等価かの判別基準と捉えれば意義をつかみやすい。
◆出口弘「南方熊楠の自然哲学とシステム認識」理論と方法,5巻1号,101-114頁,1990. ・南方熊楠のシステム認識が、G・ベイトソンのそれに似ていること ・南方熊楠が独自の記号学を構想していたこと、パースのアブダクションと類似した発見の論理に関する議論をしていたこと
◆諸項の接続秩序 「諸項」は関係項、「接続秩序」は関係である。論理上、関係項は先行せず、即自的でなく自存しない。関係性のなかでの項である。 占有原理も、占有状態が先行するのではなく、visとの関係で占有が認識され、だからvisも認定でき、違法判断を可能とする、という構造である。