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ビジネスモデルとしてのアートとアイデンティティの喪失、およびアートの市場原理主義的志向から見る批評の可能性について
マイケル・フィンドレーは自著『アートの価値』にて、アーティストはマーケットに意図的に参画することにより自己同一性を失いつつあり、それにより作品そのものの「意味」は喪失し、しばしば他の商品と代替可能であるという「抽象性」を持つとした。
ただしそれはアガンベン的な「なんであれかまわないもの」としての個物ではなく、そのものの個々の独立性を失ったものとしての「商品」としての作品であり、そこに存在するもの
なんかそろそろのアレなのでというお話(2019年の展覧会、良かった本など)
さて年の瀬になりましたが、なんだか色々と間に合いそうに無いので、今の時点でできることを書いておきます。今これを読まれているあなたにとって、2019年はどんな年でしたでしょうか。
私は、そうだなあ、色々なセレンディピティに出会って自分自身を取り戻せたと言うか・・めっちゃ平たいこと言ってしまった。
駆け足になりそうですけど、今年よかったものなどを振り返ろうと思います。
今年よかったなあと思った展
幽霊・分散・ディスクール(2019年の投稿を振り返る)
今年も早いものであと数週間となりました。巷では今年の仕事内容や、今年のベストディスクなどについての発表が俄かに盛り上がっていて羨ましいなと思う反面、
何度か書いているのですが筆者は長らく自分自身を失った状態で過ごしていたため、このように何かについて話ができるようになったのは2019年10月からとなります。
また、noteの投稿には過去の作品のブラッシュアップも含んでいるため、投稿された記事の割
自由・孤立・ワインおよびチーズ(アイデンティティについての考察)
本稿は「もし何でも叶えられる魔法が使える神様が現れたら?」というテーマを元に私が19歳のちょうど今頃に書いた手記と、29歳になった筆者が考えたアイデンティティについての思考をめぐるエッセイ?的なものです。
「神様、チーズをください」はほとんど原文ママで載せていますが、全体的な意味を損ねない程度に一部、補足として文章を追加しています。
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後半の「余、アイデンティティの普遍性について」は、「神
視点・余剰価値・外部性(「1 review/ day」プロジェクトのキャプション)
本稿は2012年に書かれたもので、美術大学の学生に対して行ったレクチャーの概要でもあります。
基本的には自分が行っていた「1 review/ day」というプロジェクトのために書いたものですが、(現代)アートに関するアプローチについて、美術批評家はどのようなアクションができるのか、また、当事者としてのアーティストはどのように立ち振る舞うのか、ということについて、私自身の考えを纏めたものでもありま
(不)可能性、アキレスの亀、宇宙の孤独(展覧会『Sabbat』によせたキャプション)
①庭にいる天使の羽根をすべてもぎとっても、
君はもう二度と外へはばたくことはできない。
②重力は罪に似ている。ただし罪は正義に対置される。
③葬送の儀式で我々が定義することは、「それ」がもう二度と起き上がらないということである。
『Sabbat』(22:37)
パフォーマンス:D▲ S/M
撮影:Mayu YAMADA、動画編集:Chihiro KURODA
<キャプション>
あるひとつの