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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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立春と危機

立春と危機

春と呼んでしまうにはまだ早すぎる。これから一層寒くなる。だが、昔の考え方には、立春を年の初めとすることがあった。正月を「新春」と呼ぶのは、このことと関係があるのではないかと思われる。
 
「春」という言葉を用いるだけで、気持ちは動かされる。「春よ来い」と待つその心の内に、すでに春は迎えていたのである。賀状の「迎春」の思いは、喜びを先取りするところに起こっていたとも言えよう。
 
細かな点に触れると

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フジテレビ問題から考えた二つのこと

フジテレビ問題から考えた二つのこと

世間を賑わしていることに、無関心でいるわけではない。フジテレビの件は、最初何のことか全く分からなかったが、報道が過熱する中で、ようやく人並みに事態がうっすら理解できるほどになってきた。
 
事は、一テレビ局の存続に関わるほどに大きくなってきた。よく人間関係でも「こじれる」という言葉があるが、組織と社会でも、そうしたことが起きるのだと思った。
 
事態については、私は何も知るところがない。事柄につい

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インフルエンザ

インフルエンザ

インフルエンザが猛威を揮っている。
 
手短にお話ししたいが、医療現場での見立てでは、予防接種を受けていない人が、医院にどっと押し寄せているという。
 
インフルエンザのワクチンは、幾つかの型があり、毎年予想される型のワクチンを用意することになっている。WHOが英知を尽くして考える。しかし予想が外れたら台無しなのか。否、重症化を防ぐことは見込めるため、無意味になるのではない。今年は、予想がぴったり

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それはAIだからではない

それはAIだからではない

11月13日の河北新報のコラム「河北春秋」に、AIの話題が綴られていた。
 
それは「古代エジプトの神テウトは、算術や幾何学、天文学、さらに将棋やすごろくを発明した神として知られる。中でも注目すべきは文字の発明という」という文から始まっていた。「文字を読む」ということは、実は人類史の中でも非常に新しいことであって、生物学的に遺伝子に刻み込まれているのではないのだということが、『プルーストとイカ』(

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怖い時代の予感

怖い時代の予感

新しい制度というのは、人を不安にさせる。「マイナンバー」という制度に対して違和感を覚える気持ちは理解できる。いま、マイナンバーの是非を問おうとするつもりはない。結論から言うと、少し前に「怖い時代」というタイトルを掲げて考えたことと同じ構図の話をすることになる。
 
特にそのカード形態、すなわち「マイナンバーカード」については、強い反論があるようだ。うまく使えない、という苦情には、機能的な問題が多い

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怖い時代

怖い時代

政治の内容については、事情がすべて分かるわけではない。無知と思い込みから、デマとなることを振り撒いてはいけないと考える。そこで、政治の内容ではなく、形式であるとご理解戴くことにする。
 
兵庫県知事の失職に伴う選挙に関してである。
 
そこに、SNS記事が大きな影響を与えた、という報道や意見が出ている。有権者は、「選挙公報」や「街頭演説」に基づいて投票した、というよりも、ネットの記事や動画によって

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分断と十字架

分断と十字架

ちょっとした流行語である。「分断」という言葉が飛び交っている。誰それの考えは「分断」をもたらす。このように相手について指摘することで、議論でマウントをとることができるような空気さえある。
 
ドキュメント番組では、特にアメリカの「分断」が取り上げられている。移民問題もあるだろうし、黒人差別もなくなっているのかどうかは怪しい。いまなお「分断」があることは押さえておくべきだろうと思われる。尤も、二大政

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天動説の復権

天動説の復権

不思議な設定から始まる「烏は主を選ばない」に続いて、NHKの23:45からのアニメ枠は、「チ。――地球の運動について――」を2024年10月から放映している。地動説を巡る知にまつわる物語で、多くの人の血が流されたことを背景に描かれている。史実ではないが、当時の空気を、おぞましくも厳しく描いている。特に、異端審問官の声が津田健次郎なのは、実に怖い。
 
中世の教会は、天動説を教義としていた。神が選ん

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読むことは簡単ではない

読むことは簡単ではない

どうしてこんな簡単な文が読めないのか。大人たちは、子どもに教えていて、嘆くことがある。私の経験からしても、昨今の受験生の読解力の衰えは目に余る。入試問題は一時よりは読みやすく、解きやすくなっていると思われるのだが、ますます読めなくなっているように見える。
 
もう少し適切に言うならば、読解力は二極分化していると思う。優れた子は本当に優れている。だが、そうでない方が目立つのだ。
 
文章読解というの

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マッチングアプリの信仰

マッチングアプリの信仰

マッチングアプリというのがよく分からない。利用している方には失礼な言い方になるかもしれず、不愉快に思われるかもしれないことを承知で、少しばかり呟いてみようかと思う。
 
もちろん、直に触れたことがないし、利用したこともない。物事を知らずしてどうのこうのと言うのはポリシーには合わないから、非難めいた言い方をしたいとは考えない。
 
ただ、やはり分からないのだ。たとえば、役所に行くのだが手続きがよく分

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選挙カーが連呼する

選挙カーが連呼する

小学校の運動会がうるさい。そんなクレームまで出てくるご時世である。選挙カーがうるさい、というのは、支持者以外は皆思っていることなのかもしれない。
 
聞けば、選挙運動としての法律に基づいて実行されているらしいが、走っている車から「演説」をしてはならないのだという。つまり、走りながら、ひたすら「名前を連呼する」だけの選挙カーなのだそうだ。
 
それって何、と思う。
 
名前を覚えてもらうのが目的なの

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逆宣伝

逆宣伝

芸術の秋。ネット上には、ちょっとしたコンサートのお知らせが掲示される。三四日前になって掲示して、果たして人を呼ぶつもりがあるのか、と思われるようなものもあるが、素人が演奏するというのは、その程度のものなのかもしれない。もちろん、入場無料であろう。が、いま目の前に見ているものは、その情報がない。料金がかかるのか、無料なのか、どこにも書かれていない。
 
プログラムはある。が、そこに並ぶのは、出場者の

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本物を見つける

本物を見つける

秋分を過ぎて、ますます日暮れが早くなった。それでも、東京などに比べると、40分くらいは遅くなるようだ。夕刻に、中学生がやってくる頃は、夏場にはまだ十分明るかったが、いまはもう真っ暗である。
 
今年のセミは早くから鳴いていた。こちらではクマゼミやアブラゼミが優勢を極めた後、夏を惜しむ頃にはツクツクボウシがワンフレーズを歌い終わるのを愛でるようなことになる。芙蓉の花ももちろんずっと開いているが、きっ

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タブレット端末

タブレット端末

会社で、集団健診が行われる。年に一度、定期的な検査だ。面倒な気もするし、胃透視はなかなかハードである。検査結果もいろいろ引っかかってきたが、病気を見つけてもらった、という意味ではありがたいことこの上ない。
 
但し、近年9月にそれが割り当てられている。できれば、9月というのは避けてほしい。夏期講習で乱れた生活と疲労した体を背負った結果が、そこに出てくることがあると思うからだ。
 
仕事は午後、いま

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