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都市の明かりが奪うもの ポール・ボガード『本当の夜をさがして』

 こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!

 東京23区ではわずかな暗闇を見つけるのが難しいくらい、街の明かりは24時間点灯しています。

 そんな便利な生活と引き換えに、私たちは一体何を失ったのでしょうか?
 
 たとえば深夜オフィスビル街の窓の明かり、ひとつひとつが残業や時間外労働の明かりです。
 そこでは働く人の尊厳が失われています。

『本当の夜をさがして―都市の明かりは私たちから何を奪ったのか』は、ポール・ボガード氏によって書かれた、光害(ひかりがい)の問題に焦点を当てた書籍です。

 光害がもたらす様々な影響と、失われつつある「本当の夜」の価値について深く掘り下げた書籍です。

 美しい星空を取り戻し、心身ともに健康な生活を送りたいあなたへ。

『本当の夜をさがして――都市の明かりは私たちから何を奪ったのか』は、あなたの人生を変える一冊となるかもしれません。


光害とは

 光害とは、夜間における人工的な光が過剰に存在することによって引き起こされる様々な問題を指します。街灯、ネオンサイン、ビルや家屋の照明など、私たちの生活を便利で豊かにする光も、度を超えると自然環境や生態系、そして私たち自身の健康にまで悪影響を及ぼします。

光害の深刻な現状

 世界各地で深刻化する光害の現状を、事例やデータを論拠に展開しています。夜空の明るさが増し、天の川や星座が見えにくくなっているだけでなく、渡り鳥が方向感覚を失ったり、昆虫が光に誘引されて生態系が乱れたりするなど、自然界への影響は計り知れません

光害が人体に及ぼす影響

 光害は人間の健康にも深刻な影響を及ぼします。体内時計を狂わせ、睡眠障害やホルモンバランスの乱れを引き起こすだけでなく、がんや糖尿病などのリスクを高める可能性も指摘されています。夜遅くまで明るい光を浴びる生活は、私たちの健康を蝕んでいるかもしれません

光害の歴史と文化

 光害は、私たちの文化や歴史にも影を落としています。かつて、人々は夜空の星を眺め、月の満ち欠けに合わせて生活していました。暗闇は、休息と内省の時間であり、文化や芸術にも大きな影響を与えてきました。しかし、現代社会では、24時間煌々と光る都市の明かりによって、私たちは「本当の夜」を忘れかけているのかもしれません

光害対策と希望

 光害によって失われたものの大きさを改めて認識させると同時に、光害を軽減するための様々な取り組みを紹介しています。LED照明の適切な利用や、照明の消灯時間の調整、光害に関する法律の制定など、私たち一人ひとりができることから、地域や国レベルでの対策まで、多角的なアプローチが提案されています。

 世界各地で「星空保護区」が設立され、自然の夜空を守る活動が行われていることも紹介されています。これらの取り組みは、「本当の夜」を取り戻す希望を与えてくれます。

 本書を読むことで、光害問題の深刻さを理解し、自然の夜の大切さを再認識することができます。そして、光害を軽減するための行動を起こすことの重要性を強く感じるでしょう。私たち一人ひとりが意識を変え、行動することで、未来の子どもたちに美しい星空を残すことができるはずです。

 この本は、光害問題に関心のある方はもちろん、環境問題や健康問題に関心のある方、そして美しい星空を愛するすべての方におすすめしたい一冊です。

わたしの感想

 光害というものがいかに広範囲にわたって影響を及ぼしているのか、そして私たちがどれほど多くのものを失っているのかに気づかされました。

 特に印象的だったのは、光害が人間の健康にまで悪影響を及ぼすという点です。睡眠障害やホルモンバランスの乱れだけでなく、がんや糖尿病のリスクを高める可能性があるとは、驚きでした。夜遅くまで明るい光を浴びる現代人の生活習慣が、実は私たちの体を蝕んでいるのかもしれないと考えると、ゾッとします。

 また、光害によって失われた「本当の夜」の価値についても考えさせられました。夜空に輝く無数の星々、月の光に照らされた静寂な風景。それらは、かつて人々に安らぎやインスピレーションを与えていたはずです。しかし、現代の私たちは、煌々と光る街の中で、そんな「本当の夜」を忘れかけているのかもしれません。

 特にショックだったのは、光害が私たちの健康に深刻な影響を及ぼしているということです。光害によって引き起こされる睡眠障害やホルモンバランスの乱れは、現代社会において見過ごされがちな問題です。しかし、これらの影響が蓄積されることで、がんや糖尿病のリスクが高まるという事実には驚きを隠せません。私たちは夜遅くまで明るい光に晒される生活を当たり前のように受け入れていますが、その代償が私たちの健康を蝕んでいるのかもしれないと考えると、恐ろしくなります。

 高橋まつりさんが過労死した電通事件では、オフィスビルの明かりが朝まで灯っている様子が報道されました。これらの明かりは、単なる仕事の象徴ではなく、人間の尊厳を踏みにじる「光」だと感じます。オフィスの明かりが消えないことで、働く人々の休息時間やプライベートな時間が奪われ、健康への悪影響が生じています。

 光害のもう一つの大きな影響は、私たちが「本当の夜」を失っていることです。夜空に輝く無数の星々や月の光に照らされた静寂な風景は、かつて人々に安らぎやインスピレーションを与えていました。しかし、現代の私たちは、煌々と光る街の中で、そんな「本当の夜」を忘れかけています。

 2011年の東日本大震災の際、計画停電や節電が実施され、都市の明かりが消えることがありました。その時、多くの人々が不安な地震のなかにあって「久しぶりに見ることができた満天の星空に感動した」と言っていたことが記憶に残っています。この経験は、私たちが日常的に失っている自然の夜の美しさと、その価値を再認識させてくれるものでした。

また、光害によって失われた「本当の夜」の価値についても考えさせられました。夜空に輝く無数の星々、月の光に照らされた静寂な風景。それらは、かつて人々に安らぎやインスピレーションを与えていたはずです。しかし、現代の私たちは、煌々と光る街の中で、そんな「本当の夜」を忘れかけているのかもしれません。

 この本は、光害問題の深刻さを浮き彫りにするとともに、私たち一人ひとりができることについても具体的に提案しています。LED照明の適切な利用や、照明の消灯時間の調整など、小さなことから始めてみることで、光害を軽減し、自然の夜を取り戻すことができるかもしれません。

 例えば、家庭やオフィスでの照明の使い方を見直すことから始められます。適切な時間に消灯することで、無駄なエネルギー消費を抑え、環境への負担を減らすことができます。また、街全体で照明の管理を見直すことで、光害を減らし、自然の夜を取り戻すことができるでしょう。

 この本を読んで、私も夜空を見上げる機会が増えました。星が見えにくい日もありますが、それでも、暗闇の中に広がる宇宙の神秘を感じることができます。そして、光害のない「本当の夜」を取り戻すために、自分にもできることを探していきたいと思っています。

 光害は、私たちの健康だけでなく、心の平穏や自然とのつながりをも奪ってしまう問題です。しかし、私たち一人ひとりが意識を持ち、行動を変えることで、その影響を軽減することができます。この本を通じて、私たちの未来に光害のない夜を取り戻しましょう。

光害のない夜を目指して、都市の明かりを見直してみませんか?
わたしたちが本当に見たい夜の景色について、一緒に考えてみませんか?

【編集後記】
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