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弱おじの本棚

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読んだ本の記録です。
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#幸せ

ピンと張りすぎた心の弦を、優しく緩めてくれる一冊。〜「かすり傷も痛かった」を読みました〜

ピンと張りすぎた心の弦を、優しく緩めてくれる一冊。〜「かすり傷も痛かった」を読みました〜

箕輪厚介さんの「かすり傷も痛かった」を読んだ。

以前に出版された「死ぬこと以外かすり傷」に対するアンサー的な本で、心境の変化や生き方に対する考え方が大きく変わっていて、読んでいてとても面白かったし、共感できた。

そして何より、心が緩む一冊だなと感じた。
もちろん、良い意味で。

頑張れ。負けるな。もっとやれ。
成功のために書かれた意識の高い本なら山ほどあるが、本書のように「やっぱりあんまり無理

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依存をしないために自立をしなきゃ。「盲目的な恋と友情」を読んで感じた人生の難しさ。

依存をしないために自立をしなきゃ。「盲目的な恋と友情」を読んで感じた人生の難しさ。

辻村深月さんの「盲目的な恋と友情」を読んだ。

他者への依存をテーマにした作品で、怖いな、と同時に、わかるな、と感じた。

人は弱い生き物だ。
自分に足りない部分を、何かで埋めなくては生きていけない。

だから酒を飲む。
ギャンブルにハマる。
タバコを吸い、時にはいけない薬なんかにも手を出す。
いわば、依存だ。

人への依存は、その最たるものかもしれない。
満たされない。認められたい。この世界に自

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人生と小説はマジ自由。「みどりいせき」を読んで感じたこと。

人生と小説はマジ自由。「みどりいせき」を読んで感じたこと。

大田ステファニー歓人さんの「みどりいせき」を読んだ。

お洒落。ポップ。
今風。

小説というお堅い存在に抵抗がある人は、騙されたと思って読んでみて欲しい。
こんな小説もありなんだと、表現は自由なのだと、きっと驚くはずだ。

人生を楽しむ。
ルールなどない。

物語の内容とか、それ以前の部分で強く感銘を受けた作品。

作者の生き様だとてもかっこいいです。
やりたいことやろう。
人生はまだまだ楽しめ

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「成瀬は信じた道をいく」を読んで、「やりたいこと、やろう」と思った話。

「成瀬は信じた道をいく」を読んで、「やりたいこと、やろう」と思った話。

宮島未来さんの「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。

前作に続いて、登場人物たちの爽やかな姿に心を動かされ、生きる元気をもらえた。
今回の作品は主人公の周囲の人たちにスポットライトが当たる機会が多く、それもまた良いなと感じた。人と人とのつながりが美しい。

信じた道をいく。
改めて、やりたいことをやらなきゃなと、感じさせてくれた。
やりたいことをやらず、何が人生だ。

信じる対象は、自分の心の声だ。

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「令和元年の人生ゲーム」を読んで、「人生なんて所詮ゲームだよな」って心が軽くなった話。

「令和元年の人生ゲーム」を読んで、「人生なんて所詮ゲームだよな」って心が軽くなった話。

麻布競馬場さんの「令和元年の人生ゲーム」を読んだ。

若者たちが働き方や生き方に悩んだり考えたり、そんな姿を見て、自分の生きたいように生きなきゃなと思った。

自己実現。理想の自分。
私もいいおじさんだ。
何歳まで、そんな綺麗事を言っていていいのだろう?
いや、何歳だって、この問いから目を背けてはいけないのかもしれない。
いつかどうせ、壁にぶち当たる。

私の人生、これでいいの?
こんなはずじゃな

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結論。モテるために必要なのは、やっぱりトレーニング。〜「モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた」を読んで〜

結論。モテるために必要なのは、やっぱりトレーニング。〜「モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた」を読んで〜

「モテるために必要なことはすべてダーウィンが教えてくれた」を読んだ。

「モテ」について進化心理学の観点から詳細に分析されていて、とても面白かったし、役に立つなと感じた。

本書を読んで、私が出した結論。

「やっぱり、モテるためにはトレーニングが大切!」

以下に、その詳細と私が普段トレーニングを継続して感じているメリットなどを記していきたいと思う。

①人間の脳は原始時代とそんな変わってないか

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「考える教室」を読んで「考える悦び」を学んだ話。

「考える教室」を読んで「考える悦び」を学んだ話。

若松英輔さんの「考える教室〜大人のための哲学入門」を読んだ。

まさに入門にぴったりの本で、数名の哲学者の紹介、そしてその考えをどう読み、どう思考を深めていけば良いのか道筋を照らしてくれている。

本を読むことは最高のエンタメだ。
だが、もっと楽しいことがある。
それは、本を読み、思考を深めるということ。

ゆっくりと一人で本を読み、著者との会話を通して、己の人生について深く思いを巡らす。
こんな

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「脳に良い行動を積み重ねれば、幸せに生きられんじゃね?」という考察。〜「脳科学で解く心の病」を読んで〜

「脳に良い行動を積み重ねれば、幸せに生きられんじゃね?」という考察。〜「脳科学で解く心の病」を読んで〜

カンデルさんの「脳科学で解く心の病」を読んだ。

心の病からアプローチして、脳の働きを説明してくれている本書。
内容は専門的で、正直ちゃんと理解ができているかは怪しい。

学んだことを端的に表すと、「心の状態を作るのは脳」だということ。
ならば、健全な精神状態を生み出すためには、脳の状態を健全に保つことだけに、まずは全振りしてみても良いのではないか?

具体的に。
脳に良い習慣として、私が行ってい

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「終わった人」を読んで「他人軸で生きないことの大切さ」を学んだ話。

「終わった人」を読んで「他人軸で生きないことの大切さ」を学んだ話。

内館牧子さんの「終わった人」を読んだ。

会社員を退職した後に、何をしてどう生きたら良いかわからず、人生に翻弄されるおじさんの姿を描いたお話。
めちゃくちゃリアルで、歳をとることが怖くもなった。

私たちは、日々の忙しさを良いことに、自分の価値観に向き合うことから逃げ続ける。
本当はどう生きたい?何がしたい?
やることがあれば、その課題と向き合うことから逃れられる。

だが、やがて誰しもが「終わる

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「仕事の辞め方」を読んで、「結局はご縁だよな」と思った話。

「仕事の辞め方」を読んで、「結局はご縁だよな」と思った話。

鈴木おさむさんの「仕事の辞め方」を読んだ。

私自身、今すぐに仕事を辞めたいと思っているわけではない。
だけど、将来に漠然とした不安や不満があるのは事実だ。
本当にこのまま生きていていいの?
この仕事を続けていって、本当に後悔しないの?

日々の忙しさをいいことに、私たちは自分の感情から目を逸らす。
やりたいことをやるなんて、若者の特権。
おじさんは我慢して、淡々と死ぬまで生きるだけ。
そんな人生

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面白きこともなき世をオモロく。〜「ユーモアは最強の武器である」を読みました〜

面白きこともなき世をオモロく。〜「ユーモアは最強の武器である」を読みました〜

「ユーモアは最強の武器である」を読んだ。

笑いって大切だよなと、改めて感じた。

会社にユーモアを持ち込むのって、なかなかしんどい人もいると思う。
冗談なんて通じない、殺伐とした環境の中で仕事をしている人もいるだろう。

できる部分から、少しずつ。
ユーモアの輪を広げていけたらいい。
嫌な仕事を振られた時に、軽い皮肉を交えながら笑いを生み出せたらいい。
気まずいお願い事をする時、ユーモアのオブラ

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人生とは死ぬまでの暇つぶしだから、全力で遊んでいく。〜「目的への抵抗」を読みました〜

人生とは死ぬまでの暇つぶしだから、全力で遊んでいく。〜「目的への抵抗」を読みました〜

國分功一郎さんの「目的への抵抗」を読んだ。

ただ生きてる
本当にそれだけでいいのだろうか?

いいと思う。
だけど、人は退屈してしまう。
暇を持て余して、その空白がしんどくなる。

人生に目的などあるのだろうか。
どうせ死んでゼロになってしまうのに。
何を成し遂げようとも、いずれ皆に忘れ去られてしまうのに。

人生なんて死ぬまでの暇つぶしだ。
だから好きに生きていい。
目的なんてなくていい。

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きっと再生できる。前よりもっと、素晴らしい自分に会える。〜「リカバリー・カバヒコ」を読みました〜

きっと再生できる。前よりもっと、素晴らしい自分に会える。〜「リカバリー・カバヒコ」を読みました〜

青山美智子さんの「リカバリー・カバヒコ」を読んだ。

ある公園にあるカバの乗り物「カバヒコ」は、自分の回復した部分を触ることで実現するというご利益があると言われている。
本書で好きなのは、このカバヒコからの目線はいっさい描かれていない点だ。
苦しむ人たちがカバヒコのもとを訪れ、自身の感情と向き合いながら、様々な人との繋がりを経てリカバリー(再生)していく。その様がとても美しく、温かく、人生に希望を

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こんな生き方はできないけど、人生を楽しむことは諦めないよ。〜「死ぬこと以外かすり傷」を読みました〜

こんな生き方はできないけど、人生を楽しむことは諦めないよ。〜「死ぬこと以外かすり傷」を読みました〜

編集者・箕輪厚介さんの「死ぬこと以外かすり傷」を読んだ。

成功している人は、やはりそれに見合った努力や行動をしているのだなと実感した。
ラッキーパンチだけで名を上げられるほど、人生は甘くない。

良い意味で狂っている。
人生を楽しもうという熱量が、本を通して伝わってくる。
言葉を通じて、自分も人生を楽しんでやろうと、何だか野心的になれている。

一方で、冷静な自分もいる。
こんな生き方はできない

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