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きっと再生できる。前よりもっと、素晴らしい自分に会える。〜「リカバリー・カバヒコ」を読みました〜

青山美智子さんの「リカバリー・カバヒコ」を読んだ。

ある公園にあるカバの乗り物「カバヒコ」は、自分の回復した部分を触ることで実現するというご利益があると言われている。
本書で好きなのは、このカバヒコからの目線はいっさい描かれていない点だ。
苦しむ人たちがカバヒコのもとを訪れ、自身の感情と向き合いながら、様々な人との繋がりを経てリカバリー(再生)していく。その様がとても美しく、温かく、人生に希望を与えてくれる。

本書を読むことは、私にとってカバヒコのもとを訪れるような効能を与えてくれた。自分が何を大切にしたいのか、何をリカバリーしたいのかが読書を通じて明確になった気がする。

私ごとで恐縮だが、妻との関係をリカバリーしたいのだと、再認識できた。
最近は会話が少なく、将来の子供を持つかどうかの話をうやむやにしながら、日々をやり過ごしていた。

向き合いたい。リカバリーしたい。
きっといきなりの全回復はないのだろう。
それでも、少しずつでもいい。私は大切な人との幸せな日々を、やっぱり求めてしまっている。

本書で勇気をもらった言葉がある。
リカバリーとは単に元に戻るのではなく、回復した後は、前とは違う自分になっているのだと。
それでいい。それがいい。
恋に落ちた頃の関係には戻れないのだろうけど、リカバリーして、また新しい関係を築けていけたらとても素敵だろう。

また、不安は想像力がある証拠であるという表現もあった。
妻との関係がどうなっていくか、とても不安だ。私は不安を感じられる人間だ。
裏を返せば、想像力をしっかりと持ち合わせているという証明でもある。勇気が湧く。
この想像力を、前向きな方向に活かして人生を楽しめたらいい。

何度だってリカバリーしていけばいいし、リカバリーできる。人生はリカバリーを前提に存在していると信じられる。

同じ形には戻らない。
少しずつ、変わっていく。そこから新たな世界が広がっていく。素敵な未来を想像できる私を誇りに思う。

過去は変わらない。
これからどう生きるか、どう生きたいかだけだ。

リカバリーできるよ。
カバヒコが本の中から優しく肯定してくれる。
ありがとう。前を向こう。
些細な会話から、手と手をほんの一瞬触れさせるところから、少しずつ、一歩ずつ、新たな未来へと向けてリカバリーできたらいいなと思う。

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