亡国の悲劇は、人材がいなくなったがゆえに起こるのではない。人材はいつでもどこにでも存在するのである。ただ、国家であろうと一私企業であろうと、衰退期にさしかかるや、なぜか人材活用のメカニズムが狂ってくるのだ。亡国の悲劇とは、それゆえに、活用されなくなった人材の悲劇である。塩野七生