育児してたらメロスの気持ちが分かった
夫婦における新生児の夜のミルク当番制というのは、理論上は素晴らしいアイデアだ。だが、現実には甘くない。
ある夜、私の当番だった。赤ちゃんがミルク泣きを始めた。しかし、私の全身にまとわりつくような眠気に勝てず、ふと悪魔がささやく。「このまま狸寝入りを続ければ、きっと妻が耐えきれずに起きてくれるんじゃないか?」――正直、ちょっと期待してしまった。
実際、2分に1回、目覚めては寝落ち、寝落ちては目覚め…を5回ほど繰り返した。夢と現実の境界線が溶け出しそうな状態だ。子供はその間も