往きに白く帰りに甘き沈丁花
満月も渋谷の空に捜せずに蜂蜜色のさみしさを噛む
梅ひらく瞳が情緒を叱咤する冬枯れの日々生きつなげ君
かじけ猫黒いタイツへ近う寄れ
今朝がたはあやしうゆかし さくらの樹 如月の幹 いろ張りつめて
落雷に死したヒグマの味を知り以来数十万年間もやみつき
細胞をフルスキャニングできたなら ごみ箱に入れ空にできたら