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エッセイ

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日々考えたこと・感じたことをつらつらと書いていきます。
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#キャリア

"経験なんて意味ない"同じ言葉の受け取り方が、二十歳の頃と大きく変わった

"経験なんて意味ない"同じ言葉の受け取り方が、二十歳の頃と大きく変わった

今月に入って誕生日を迎えた。
25歳でアラサーの仲間入りだとはしゃいでいた頃から目まぐるしい日々をいくつも過ごして、今年でちょうど30歳になった。

対して変わらない1年間を繰り返して、同じような生活圏内をうろついているものの、当たり前だけどとても大人になったと思う。
使う言葉も変わったし、抱く不安や恐怖への戦い方も身に着けた。
受け入れられる言葉が増えて、自分でなんとか切り開こうとする意思が持て

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入社半年で休職した職場で、復職1年後にここで働きたいと思えるようになった話

入社半年で休職した職場で、復職1年後にここで働きたいと思えるようになった話

新卒4年目、"やりたいことを仕事にしなければ"という強迫観念のようなものが理由で選んだ転職先での日々は、毎日がひたすら辛かった。
選んだ仕事は、プロフェッショナルファームの人材育成。
それまでやっていた証券会社のバックオフィスとは内容自体も大きく変わり、直面した変化の大きさに、ただただ戸惑うばかりだった。

小さなことで注意を受けると、"これまでの3年間はなんだったんだろう""自分は当たり前のこと

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会議で上手く話せるようになったわけじゃない。それでも今は、あの頃よりずっと生きやすい。

会議で上手く話せるようになったわけじゃない。それでも今は、あの頃よりずっと生きやすい。

「会議でうまく話すことができない」
3年前の私は、そう話しては泣きじゃくっていた。
社会人4年目、これまでろくに会議に出席した経験もなく、もともと人前で話すことが苦手。
転職を機に少人数の会議が多数設けられる職場に変わり、半年も経っていない頃のことだった。

経験値も人前で話すことへの耐性も、そのどちらもが足りていなかった同じ年齢でも、その時点で既に会議に多数出席してきた人は、そうしてこなかった人

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結婚しない選択だって普通のこの時代に、結婚にこだわる理由ってなんだろう

結婚しない選択だって普通のこの時代に、結婚にこだわる理由ってなんだろう

28歳、結婚について話すことが増えた。
SNS上にはかつての友人や先輩後輩のドレス姿の笑顔が並び、特に仲良かった友人はほぼ結婚していないものの、そこそこ仲良かった世渡り上手な印象の友人は、その多くがこの数年で結婚したように感じる。
就活の時に感じた"うまくやれる側"の人と、私を含めたそうでない人、そんな構図がまた当てはまってしまうようにすら思える。

漠然と、20代のうちに結婚したいと思っていた。

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仕事に何を求めるか。わからず転職して泣いた春のこと

仕事に何を求めるか。わからず転職して泣いた春のこと

25歳の時、初めて転職を経験した。
転職直前、職場の先輩に職場のどんなところが不満なのか教えてと言われて、何も言葉が出なかった。
しまいにはなぜ自分は転職しなければいけないのかわからなくなって、仕事を辞めることが嫌で、泣いた。

新卒3年目。仕事の居場所と周囲の眩しさと新卒で入った会社は金融大手で、そこは私が100社以上落ち続けた就活を経て、唯一内定をもらえた先だった。
やりたいことがわからないま

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"はたらく"が理解できるようになった、20代の6年間のこと

"はたらく"が理解できるようになった、20代の6年間のこと

「1年生のみんなー!」
新卒で入社した会社、私を含め4人の同期と同じ部署に配属が決まった。
仕事上での繋がりも多く使用する部屋も同じ隣の部と合わせて9人の同期。
新人の私たちはいっしょくたにされて呼び声をかけられる。
右も左も、大きく年の離れた人との接し方も社会人としての在り方も、わからないままスタートした社会人生活は、子ども扱いしてもらいながら始まった。

会社で1年生と呼ばれている話を大学院に

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28歳、同じ秋を戦っている

28歳、同じ秋を戦っている

最近、SHE IS SUMMERのMICOちゃんが同い年だと知った。
特別調べたわけではなかったけれど、マイナビウーマンの28歳に向けた特集を読んでいたら、たまたまそんな話が目に入った。

楽団に向かう電車の中、左肩に重い楽器を背負って、空いた右肩に譜面台と楽譜が入った重い鞄を抱えながら、"あっ、今同じ「28の秋」を戦っているんだ"と思ったら、なんだか楽しい気持ちになれて、生きる力が湧いてくるよう

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いつかの約束

「いつか"あやのことなんてもう好きじゃないよ"って言われるんじゃないかって」
舞台袖でそう話した、既婚の友達の言葉を覚えている。
新婚数か月、顔も可愛くはきはきとした彼女でさえ、そう思うことがあるのかとヒヤリとした。

婚姻関係を結ぶことはある種契約のようなものだ。
形式上だとしても、どんな時もお互いを愛し続けることを誓うらしい。
20年先も、30年先も、変わらず愛を持ち続けられるように。
そこに

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解放感と疎外感は紙一重 Emily in Parisに見る人間関係構築のきっかけ

解放感と疎外感は紙一重 Emily in Parisに見る人間関係構築のきっかけ

海外旅行で一番好きなのは、その最中に感じる圧倒的な解放感だ。
時差すらあって日常の延長線上とはとても思えないような、心の中に沸き起こる高揚感、電波すらままならない環境で普段の人間関係とも一線をひくような、心の中で騒ぎ立つ自由さ。
その日常と隔ててるが故の別世界がもたらす解放感は、海外旅行の醍醐味であり至福だと思っている。

その一方で、それは時が経てばある種疎外感に変換されるようにも思う。
近所よ

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27歳は最高の1年だった

27歳は最高の1年だった

人生で一番美しいイメージを持っていた27歳の1年が、もうすぐ終わる。
あと数週間残された時間もあるけれど、誕生日を境に何かが変わるわけではないし、だいたい1年を振り返るにいい頃合いになったと思う。
10年前に思い描いていたようなものとは大分違ったけれど、それでも27歳は最高の1年になったといえる気がする。

以前から憧れていた、ディズニーホテルのレストランのアニバーサリープランでお祝いしてもらうと

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ひとりで生きていけるかなんて、いつだってずっと不安だった

ひとりで生きていけるかなんて、いつだってずっと不安だった

「ひとりで生きられそうって、それってねぇ褒めているの?」
Juice=Juiceのその歌詞にたじろいでしまう。
ひとりで生きられそうって思われるくらい強く見せられる人でさえも、ひとりで生きられるほど本当は強くない。
ひとりで生きられないという弱さを見せられないからこそ、虚勢を張って大丈夫なふりをする。
触れられたら崩れ落ちてしまう砂のお城を、必死に守り抜こうとするみたいに。

大人になることが怖か

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アフターコロナの暮らし方

アフターコロナの暮らし方

今オフラインでしかできないことがオンラインでもできるという認識が広まって、これまで価値を置いていたものが逆転するような状況になってみて、これから先、暮らし方や価値の置き所は自体が終息してもある程度継続的に移り変わっていくように思う。
たまにしか会えないと思っていた遠隔地の友達とも、その気になれば毎日だって話せるし、生活基盤の役割としての家が大切になってくるにつれ、アクセス重視の狭い住居よりも郊外に

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楽団で得た、青春のような社会人の話

楽団で得た、青春のような社会人の話

昨今の情勢を鑑み、練習が中止になってから1ヵ月以上が経過した。
そもそも練習場所の施設すら動いていないし、三密揃う吹奏楽の練習が再開できるのは、緊急事態宣言の期間が終わってすぐとも限らない。
緊急事態宣言だって、今出ている期間で終わるわけじゃないかもしれない。

本当は、5月に楽団を辞めようと思っていた。
体力の問題、気力の問題、住環境の問題。
土日を練習に捧げて週5日働く生活を年に数か月でもする

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意見をつくるシーンとは-自分の意見の方程式を読んで

意見をつくるシーンとは-自分の意見の方程式を読んで

"東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式"を読んだ。
意見を構成する要素は4つあって、事実+問題+自分+提案で成り立つ。
事実は出来事・数的データ・感情に分けられて、それぞれ続く要素にも効果的なものが存在する。
出来事には置かれた人・場所・状況などで悩みを細分化し自分の立場を示すアプローチをとる。
数的データには価値基準を明確にし価値観でまとめる。
感情には感想の深堀をして、感情で括

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