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会議で上手く話せるようになったわけじゃない。それでも今は、あの頃よりずっと生きやすい。

「会議でうまく話すことができない」
3年前の私は、そう話しては泣きじゃくっていた。
社会人4年目、これまでろくに会議に出席した経験もなく、もともと人前で話すことが苦手。
転職を機に少人数の会議が多数設けられる職場に変わり、半年も経っていない頃のことだった。

経験値も人前で話すことへの耐性も、そのどちらもが足りていなかった

同じ年齢でも、その時点で既に会議に多数出席してきた人は、そうしてこなかった人よりもきっと慣れている。
同じくらい会議に出席した経験がなくても、そういう場で発言することが苦手でない人は、こんなにも恐怖心を煽られたりはしない筈だ。
だけど私にはそのどちらもが足りていなくて、カバーできる材料が何一つ見当たらなかった。

"会議で上手く話すことができない"と一口にいってもそれには段階があって、苦手を感じるもののなんとかなっている人もいれば、一言も話せずただいるだけの存在になってしまう人もいる。
私は完全に"一言も発しない人"で、そこに自分のもっていた「私はダメなやつだ」というセルフイメージが相まって、この事実もダメな自分をより膨らませていく材料に投入していた。

会議どころか、人前で言葉を発することからできなかった

それからまた暫く経って経験値がある程度溜まっても、私は"ただ出席しているだけ"だった。
"会議で上手く話すことができない"という話を本格的に解決しようとしたとき、カウンセリングとコーチングを平行して受けながら、そもそもの真理に気が付いた。
"会議で"うまく話すことができないわけではなくて、"複数人がいる場面で""テンプレート以外のことを"話すことができない、が、抱えている課題だった。

会議は話す必要がある場だと強く思うし、複数の人を前にする機会が減っていたから会議以外が思いつかなかったのもあったけれど、そもそも複数の人を前にした時に正解でないことを口にしてしまうことが怖くて、会議以外でも何も言えないことばかりだった。
問題は会議がどうこうではなく複数の人の前でどうこう、そっちにあった。

自分の中だけでも、いい変化を創る

そう気づいて取り組んだ解決策は、「会議でも会議でなくても、複数の人がいる前で一言以上言葉を口にすること」「会議の前に事前に質問や進行をテンプレート化して手元に置いておくこと」の二つだった。
複数の人の前でまずは言葉を発する練習をし、その場で考えて話すことの怖さを軽減するために事前に言葉を固めてしまうことを決めた。

いくら解決策を思いついて実際にやろうと思っても、できない自分に落ち込む癖に話さないことの方が心地よいし、話せず終わった会議では毎回その場で安堵した。
つくったテンプレートも使うことなく周りが進めてくれたらほっとしたし、できない自分がダメなやつだと言っている方が楽だった。
それでも、そんなことを繰り返していてはいけないと思って、できれば何も言わないで切り抜けたい自分と戦いながら、なんとかこの2点だけは死守できるよう取り組んだ。
たったこれだけ、ほんのこれだけのことに、私は結局また半年くらいの時間をかけた。

3年経っても、やっぱり上手く話せない。それでも

こんな低レベルなところから始まった私の会議で上手く話すことができない問題は、3年経った今でも解決したとは全く言えない。
今でも一言も話さずに終わったらいいのにという気持ちは自分の中にずっとあるし、会議は苦手だとつくづく思う。

だけどあの時取り組んだ一歩から、また一歩ずつ踏み出して経験を積んで、場数も歩みも積み重ねたから、今はあの頃よりはましだとははっきり言える。
苦手な気持ちも、上手くできないことも、変わらない。
それでも、苦手なままでも過去の自分よりは着実に進めている実感だけは、持てる。

今の私は、人から見てまだまだだと思われる点ばかりだと思う。
だけど少しずつ自分なりに歩みを進めてこられたからこそ、自分の中にある不安や無力感は自分に扱える程度のものに収められている。
頑張って上手くいった大きな成功体験にはなれないけれど、ゆっくりじっくり時間をかけて少しずつ変わってきた実感を持てることが、いつの間にか私に勇気を持たせてくれていた。

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