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『キリスト教の精神とその運命』のヘーゲル(とデリダ)に関するメモ
ヘーゲルにはErinnerung(しばしば「内化する想起」と訳される)の哲学者と言えるところがある。概念を理解する際、あるいは歴史と自己との関係について述べる際、ヘーゲルはあらゆるものについて、自らのうちに取り入れた上でその意味を主体において起源と全く同じ仕方で反復することを求めている。
ヘーゲルにおける主体性と客観性の関係を彼の聖餐についての記述から確認しておこう。
「飲食という行為は単に対象
観客の退隠(人生のお話?めも)
「人生は演劇である」式の格言は世に多くあるが、いかなる意味でそう言えるのか?私たちは演劇の外に出ることが出来ないのに、いかなる観点から自分が演劇のうちにあることに気付くことが出来るのだろうか?
人生を演劇に例える際、私たち一人一人は役者に、生の総体は舞台に準えられる。ただし通常の演劇と異なり、私たちは舞台から降りることは出来ない。また、舞台の上で演じられることは何であれ演劇の一部分となるのだから
The Concept of Life's Meaning (Thaddeus Metz)のメモ
人生の意味の哲学とは何か?
※卒論演習発表(4/19)
読んだもの'The Oxford Handbook of Meaning in Life'所収の1 The Concept of Life’s Meaning (Thaddeus Metz)[1]
【内容】
人生の意味(Life's meaning)について、ノージックの議論より後に英米圏で作り上げられてきた標準的な見解(the
『ブーガンヴィル航海記補遺』に見られるモラルへの介入
1.問題提起 「モラルへの介入はどのように可能になるのか?」
私たちはある種のモラルに対して、そこに正当性があるのかと疑ったり、別のモラルが受け入れられるべきだと考えることがある。しかし、モラルを、共同体内で暗黙裏に従われている規範、だと考える場合、特定のモラルへの介入は他のモラルを前提とするのではないか?人々がある言説に対して抱く正当性の感覚もまたモラルに由来するからだ。
モラルを日常の様々
秩序の基層にあって語りえぬもの(保守主義者としての後期ウィトゲンシュタイン入門?)
0.問題提起
社会は法律をはじめ様々な制度によって成り立っている。しかし、それらの制度が機能することを可能ならしめているのは果たして何だろうか?他の制度あるいは規則に訴えて特定の制度の効力を説明する場合、効力を正当化するはずの他の制度あるいは規則の効力が再び問題となるため無限後退に陥る。一方で、制度の効力を権力や暴力といった何らかの「力」によって説明する場合、制度は私たちが従う「べき」ものではな
レオ・シュトラウス「政治哲学とは何であるか?」レジュメ
□Ⅰ.政治哲学の問題(pp.1-19)*
*以下『政治哲学とは何であるか?とその他の諸研究』(飯島昇藏他訳、早稲田大学出版部、2014)のページ数を付す。
1.政治哲学は何をすべきか(pp.2-4)
政治活動は現状維持を望むにせよ変革を望むにせよ「善」を求める。善へ向かう営みとしての政治を主題とし、それを「哲学」として探求するのが政治哲学である。つまり、ここで「哲学」は探求の対象ではなく、問
志向性と言語に関するめも
志向性は現象学における最重要概念だが、それがどのようなものなのか、特に「いかにして意識と世界とが関係するか」という志向性に固有の問題がいかなるものなのかが分からない。そのため、以下ではフッサール自身の記述ではなく野家啓一「志向性の目的論的構造」を参考にして志向性と言語との関係について整理する。フッサールは志向性の構造は「ノエシス-ノエマ-対象」の三極構造になっており、ノエマが意識と対象との関係を可
もっとみるドゥルーズ=ガタリ『カフカ』に関するめも
D=G『カフカ』に対しては、しばしば、カフカはマイナー言語によって創作した作家ではない、という批判がぶつけられるが、D=G自身「マイナー文学とは、マイナー言語の文学のことではなく、むしろメジャー言語のなかにマイノリティが生み出す文学のことである」[1]と述べている。「マイナー文学」という言葉を適用することがその定義に従って適切かを判定するより、彼らの提起したこの概念をその可能性に照らしてできる限り
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