2024年10月の記事一覧
壊れる、崩れる(文字とイメージ・06)
「こわれる、くずれる(文字とイメージ・05)」の続きです。
コワレル、クズレル
壊れる、こわれる、コワレル。崩れる、くずれる。クズレル。
こわれる。コワレル。kowareru――「a」と「k」のせいでしょうか、どこかかん高い。
くずれる。クズレル。kuzureru――「u」が二つで「z」があるせいでしょうか、どこか低い響きが……。
イメージは個人的なものです。なかなか人には通じませ
「I love you./only you」+「 I miss you./without you」
今回は以下の記事の続きです。
*「二つの「あなた」」
*「あなたは近くて遠い、まぼろし」
*
私の大好きな「あなた」という言葉には、大雑把に言って二つの表記と語義があります。
・「あなた」:彼方・かなた・あなた。「あなた」=you。
・「あなた」:貴方・あなた。「あなた」=over there。
図式的に言うと、上のようにまとめることができます。
・近くにいる「あなた」
視覚芸術としての「文字で書かれた作品」(文字について・05)
前回の「続・小説にあって物語にはないもの(文字について・04)」では、マルセル・プルースト作『失われた時を求めて』の井上究一郎訳を例に取り、文学の長い歴史においては新しいジャンルである小説が極端な形で現れているさまを見ました。
とてつもなく長いだけでなく入り組んでもいるプルーストの文章は、作品が活字を組んで印刷されることを前提として、作者が何度も原稿をいじりながら書かれたものです。
もと
「同じ」に憧れる「似ている」
今回は「文字を書いてもらう」と「複製としての文字」という記事の続きですが、その二つを読まなくてもいいように、以下にまとめます。
*二つの記事のまとめ
まず、「文字を書いてもらう」でお話ししたことを箇条書きにまとめてみましょう。
・機械は「同じかどうか」を基本とする「はかる」世界にいる複製である。だから、杓子定規に作動する。
・人は「似ている」を基本とする印象の世界で生きている。だから、適