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マガジン3 #教育

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2022年3月の記事一覧

答えのない世の中について

答えのない世の中について

答えのない世の中になった。
正解のない世の中になった。

そう誰もが口を揃える。

しかし僕はこう思います。

答えは有る無しではない、と。

答えは1つじゃないから。

答えのない世の中。

それを実状に沿った言い方に直せば、
「1つの確固たる答えのようなものは無くなった世の中」
「1つの確固たる答えがあるという幻想が暴かれた世の中」
となるでしょうか。

はじめから「確固たる1つの答え」なんて

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意味の事後性 意味のあるなしは事前にはわからない?

意味の事後性 意味のあるなしは事前にはわからない?

「これって覚えて意味あるん?」

教育の世界に身を置いていて、生徒に聞かれることランキングでベスト3に入るであろうフレーズです。

これを言われて返答に困る先生は多いのではないでしょうか。

上手いこと言いくるめるか、理由を懇々と説明するか、「やらなあかんもんはやらなあかんねん!屁理屈言うな!」と勢いで押し通すか。

きっとこれらのどれかでしょう。

なぜこのような質問が生まれるか。

そしてなぜ

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自己を受け止める

自己を受け止める

電車などの公共の場で、あたり構わず大声で泣き散らかす小さな子ども。

そしてそれを睨みつける人。

きっと彼らは羨ましいのだ。

心が狭い、不寛容なのでは決してない。

自分も大声上げて泣きたいのに、それが叶わないから嫉妬するのだ。

人は年を取れば成長していく。
みんな無条件にそう思っているように感じる。

けっしてそんなことはない。

赤子や幼子のほうが優れている、鋭敏な感覚はたくさんある。

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自立とは依存先を増やすことである

自立とは依存先を増やすことである

東京大学先端科学技術研究センター准教授、医師で科学者の熊谷普一郎さんの言葉です。

生後間もなく脳性麻痺により手足が不自由となりながら、小学校から高校まで普通学校へ通い、東京大学に進学。医学部卒業後、小児科医として10年間病院に勤務。現在は障害と社会の関係について研究するとともに、月2回ほど診療現場に出ている熊谷さんは、当事者研究の第一人者とも言える方です。

そんな熊谷さんは、障害を抱えながらも

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歩いて旅したことで電車の有り難さを知った

歩いて旅したことで電車の有り難さを知った

僕は基本的に電車では席に座りません。

ガラガラの各駅停車などでは流石に座りますが、基本的には座りません。

理由はいくつかあります。

まず、譲るのが面倒だから。
自分が乗ったときに空いていても、どうせその内いっぱいになって譲るのならば、
最初から立っておいて1席空けておけばいい、という考え方です。

次の理由としては、「良いことしたな感」が嫌だからです。
座らない=譲らない。
こうすれば「座っ

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「自分はこんなことのために生きてるわけじゃない」という気持ち

「自分はこんなことのために生きてるわけじゃない」という気持ち

タイトルにあるような気持ち、抱かれることはありますか?

「あれ、俺こんなことのために生きてたんだっけ」
「あれ、私こんなことするためにこの会社入ったんだっけ」
もしくは歳を召された方であれば
「自分の人生はいったい何だったんだろうか」
といった思い。

今現在がとても充実していて、幸せだという方は読み飛ばしてもらって大丈夫です。

今まさに不幸だ!という人はもちろん、
「不幸ってわけではないけど

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対極の価値観を否定するのではなく…

河合隼雄さんの「子どもと学校」という本を読んでいます。

河合さんは
「二つの原理があって、それが簡単には相いれないとすれば、一方の原理を正しいとしてそれを強化することを考えるのではなく、原理を深めるということを考えるべきだ」
と言います。

それではその「原理を深める」とはいったいどういうことでしょうか。

以下、引き続き引用です。

自分の思想や言論、意見や価値観に対立するものに対して、
自分

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