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SF、読書のよろこびマガジン

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大人になってからSFの楽しみを知った人の記録。本が好き、ゲーム興味ないかたはここで。
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#文学

【読書】台北プライベートアイ2(ネタバレなし)

【読書】台北プライベートアイ2(ネタバレなし)

前作は風呂で読んだから紙がしけちゃったけど、今回は夏なので湯船の影響を受けない。
かわりにマウントレーニアのコーヒーをトートバッグに入れて、フタしてるから大丈夫だろう、って忘れててしっかりシミになっていた。

なんで毎回半月で好きな本をボロボロにできるんだ!

台湾のミステリー「DV8 台北プライベートアイ2」
読みづらい。進まない。わき道にそれる。
登場人物がやたらと多く、主人公は本筋と関係ある

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山下紘加「煩悩」は女の緻密な距離感小説!

山下紘加「煩悩」は女の緻密な距離感小説!

「煩悩」は、自立した主人公と、長い付き合いの「杏奈」
女性ふたりと周囲の人間関係の話だ。

杏奈!
とにかく杏奈という人がどうなってしまうのかを見てみたい、
たぶん男から見ると、ドジでおっとりして「清楚」とか呼ばれてそうな同級生。
だけど長く付き合っている「私」から見ると、
杏奈の話はあちこち飛んで要領を得ない。
同じミスを何度も繰り返す。あやしい人にも疑うことを知らなかったり、あぶなっかしいとい

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大田ステファニー歓人の「みどりいせき」が痛快だった

大田ステファニー歓人の「みどりいせき」が痛快だった

完成度が高い優等生候補作がそろう中で、いちばん読みづらいし、おそらく作者も文学の講義をずっと受けてきたような経歴じゃない。
これが新しい文学の1ページになるのか、ならんのか。

読んだ人同士で
「俺は良かった!いや俺無理!読めん!いや私はわかる!」とか語るのも含めておもしろそう。すばる文学賞受賞作の「みどりいせき」。
単行本になったらどうなるのかなあ。選考員が口をそろえて「序盤は読みづらかったが…

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【読書記録】吉村昭「高熱隧道」

【読書記録】吉村昭「高熱隧道」

「昭和は今考えるとおかしい」
テレビ番組のフォーマットで、年の差ゲストを読んで昔の映像を流すのが人気だ。
ぼくは理解できる昭和もあるけど、
「黒部渓谷のトンネル工事、開通までの犠牲者300人以上」
は、さすがにノンフィクションなのか、あとがきを読むまで信じられなかった。人名や細かい行動はさすがに架空のようだが、事実関係は調査した通りだという。

発電所完成のために北アルプスに貫通させるトンネル工事

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【読書】1年364日働く化粧品店のおじいさんが元スパイだった話【天路の旅人】

【読書】1年364日働く化粧品店のおじいさんが元スパイだった話【天路の旅人】

沢木耕太郎「天路の旅人」。感想を勢いにまかせて書くぞ!
内容に触れますが、最初にどんな話か説明しても影響は少ないタイプの本です。

大きなくくりでいえば辺境を旅するノンフィクション。インド旅行ものとか、面白い作品が多いジャンルです。

作家の沢木耕太郎氏が、岩手で化粧品店を営む西川さんという人に話を聞く。
体格のいいおじいさんで、元旦にしか休まない。毎日カップヌードルとコンビニのおにぎりを食べて、

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【読書雑談】太宰のエッセイはちびまる子ちゃん的

【読書雑談】太宰のエッセイはちびまる子ちゃん的

510円しか金がないので、ブックオフで110円の太宰を買った。作者の少年時代を書いた「思い出」が良かった。

なんの得にもならないすぐばれる嘘をついていた子供時代。
学校生活で愛想よくふるまっていた日々のこと。
運動会の応援合戦で、日の丸の扇子を持った生徒が「オール、スタンドアップ!」と叫んで、合わせてみんなで声を出すのが嫌だとか、恥ずかしいことを思い出して布団の中でジタバタしたあと、気持ちを切り

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【読書】お嬢さま、オムレツ作りで熊撃ちのパートナー志願!「夏子の冒険」

【読書】お嬢さま、オムレツ作りで熊撃ちのパートナー志願!「夏子の冒険」

男たちの誘いを断り続けてきた「お嬢様」がハンターの青年に出会い、あたくしも人喰いグマ退治に付き合いますわと言い出し、お母さまおばあ様大慌て。

「お嬢さまキャラ」ものです。
金持ちの家に生まれただけの「富裕層」なだけではなく、この人の言動がいいからページをめくらせる、そういうパワーをもっている。

2022年でお嬢様キャラとして名を挙げたのはバーチャルユーチューバーの壱百満天原サロメ嬢という人なん

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【読書】少女愛、義理親娘、寝取られ、妊娠、復讐。ナボコフの「ロリータ」

【読書】少女愛、義理親娘、寝取られ、妊娠、復讐。ナボコフの「ロリータ」

シャーロックホームズと同じくらい、読んでない人でも知っている小説の登場人物。ロリータ・コンプレックスのもとになったウラジーミル・ナボコフの「ロリータ」を読む。
精霊ニンフのような魅力を放つ「ニンフェット」の少女と、愛する者、愛された側の関係の物語。完全にネタバレします。

冒頭で「ロリータ」の名前の呼び方、授業でやったような発声法から始まる。
舌が口蓋を2歩下がって3歩目に歯を軽く叩いてロリータの

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【読書記録】横溝正史「八つ墓村」の頭につける懐中電灯、前向きなのか上向きなのか

【読書記録】横溝正史「八つ墓村」の頭につける懐中電灯、前向きなのか上向きなのか

横溝正史の「八つ墓村」を読みました。
頭に懐中電灯を付けた殺人鬼が出てくるホラー小説としか知らなかったけど、実際はそれすら違っていた。

まず、あの人は本編に出てこない。
プロローグにしか出てこない。
頭に懐中電灯、銃と日本刀を持つ、要蔵という異常者が大量殺人を犯したことで、何年たっても忌まわしい記憶が沈殿している村。
また何か起こるのではないかと村人の恐れ沈殿した村。それが八つ墓村だ。

そのあ

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【ネタバレ】変態が死にます「陰獣/蟲」江戸川乱歩

【ネタバレ】変態が死にます「陰獣/蟲」江戸川乱歩

東野圭吾が100通りの殺人方を考えても、人を殺したくてしょうがない人とは思えないが、江戸川乱歩は女の部屋を覗く場面が3回出てきただけで、書くことでなんとか現実世界で実行せずにすんだ人として認識してしまう。

角川ホラー文庫の「陰獣」を読みました。カップリングに「蟲」が収録されて、特別な装丁と解説が入っている。シングルカットされたCDみたい。

陰獣は代表作のひとつと聞いて期待して読んだから、なんち

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【芥川賞候補】「臭い人」をテーマにすると、いろんな感情が湧き出る! 高瀬隼子「水たまりで息をする」

【芥川賞候補】「臭い人」をテーマにすると、いろんな感情が湧き出る! 高瀬隼子「水たまりで息をする」

街中やお店の中で、異臭のする人からそっと離れた経験はありませんか。私はある。
困ってる人は助けたいと思っているのに、臭い人からは考えるまえに離れてしまった。

「水たまりで息をする」は、会社生活の疲れか、夫が突然風呂に入らなくなる話だ。
昨日まで平気だった水道水が臭い、飲めない、さわれない、と突然言い出してだんだん臭くなる体で会社勤めをするようになるが、周囲の人も異常に気付かないわけはなく、生活が

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【読書記録】「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」自撮り登山で指9本を失った男と、爆笑問題太田の共通点

【読書記録】「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」自撮り登山で指9本を失った男と、爆笑問題太田の共通点

「自撮り登山家」栗城史多さんは、学校祭の演劇になるとはりきって、脚本も主演もなにもかもやりたがる生徒だった。

1年のときは原始人の話。
2年ではラーメン屋の話。
3年のときは「踊る大捜査線」のパロディをやった。

3年間通して受け持った担任の先生は、これに気づいて大変驚いた。
話が全部続きものになっていたのだ。
3年目に出てきた悪者が1,2年のときの出来事を仕組んでいた。

爆笑問題の太田光が、

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