【読書雑談】太宰のエッセイはちびまる子ちゃん的
510円しか金がないので、ブックオフで110円の太宰を買った。作者の少年時代を書いた「思い出」が良かった。
なんの得にもならないすぐばれる嘘をついていた子供時代。
学校生活で愛想よくふるまっていた日々のこと。
運動会の応援合戦で、日の丸の扇子を持った生徒が「オール、スタンドアップ!」と叫んで、合わせてみんなで声を出すのが嫌だとか、恥ずかしいことを思い出して布団の中でジタバタしたあと、気持ちを切り替えるために「さて」って声に出すとか、鏡を使ってキスの練習みたいなことをしたとか、まさか2022年の未来人に知られるとは思わないようなことをぎっしりかいてある。
学校行事の団体応援がなんかヘンな感じでやりたくないけど逆らえないって、この時代から延々あるのにがく然とした。
ちびまる子ちゃんの原作マンガで、運動会の応援合戦にピンクレディーの替え歌をうたうエピソードがあった。
今は流石にないかな。謎の応援合戦。
ぼくは太宰治になんか取り込まれそうな怖さがあって敬遠していた。ちゃんと読んだのは大人になってからだ。
有名作品より短いエッセイ的なものが読みやすいし、はっきり笑いもとろうとする人なのが意外だった。
一文ごとに「ヒロシです…」って付け足したくなる。
人間失格じゃなくてこっちを先に知ってれば素直に好きになっていたのに。
経歴を知らずに読めば、こういう人にかぎって長生きしそうなタイプに思えるのだけど…。
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読んでくれてありがとうございます。
これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。