鳥海かなと

しがない物書きです。 日々考えたことや悩みについて、書き記しています。

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    「書くこと」に関連するnoteをまとめています。

記事一覧

くつひもを「結べる」のか「結ばされている」のか。

最近よく、くつひもがほどける。 道の脇で身を屈め、これまで何百、何千回と行ってきた動作でくつひもを結び直す。その動作を行うたび、とある疑問に頭を支配される。 「…

鳥海かなと
2週間前
7

図書館に住む巨人

図書館を歩いていると、自分という存在が揺らぐ瞬間がある。 書架に並ぶ本を眺めていると、その人類の叡智に圧倒され、瞬間、自らが世界のほんの一部分でしかないことを自…

鳥海かなと
3週間前
6

日曜日の歩き方

道行く人の歩き方を見るのが好きだ。 何気なく「歩く」と一括りにされる行為でも、よくよく観察すると、その動作は千差万別である。 スタスタと速足で歩く人、ゆっくりと…

鳥海かなと
1か月前
1

土を踏む

今日はなんとなく、気持ちが落ち込んでいた。 なので、土を踏める道を選んで歩くことにした。 僕が普段歩く道は、舗装された道ばかりだ。 舗装されている道は歩きやすい…

鳥海かなと
1か月前
7

疑わしき この世界

昨日の夜23時。 僕は晩ごはんの準備をしていて、牛肉を中火でじっくり焼いていた。 牛肉にはコゲが付着し始め、そろそろ火を止めるかと思ったその瞬間、脳内で唐突に思索…

鳥海かなと
1か月前
4

【思索の記録 #1】「結論から述べなさい」に感じる違和感について

「結論から述べなさい」が現代における基本となっている プレゼンテーションやビジネスシーンなど 結論から話すことの目的は? →相手にわかりやすく伝えること →聞き手…

鳥海かなと
1か月前
3

やっぱりカフェが好き日記

今日はてんでダメな日だった。 いや、違う。 正しくは「今日 "も" てんでダメな日だった」だ。 お盆が明けてから、ダメな日が続いている。 僕は家だとまったく集中でき…

鳥海かなと
1か月前
13

わたしの心を守ってくれる内省の思考法

自分がnoteで記すべきは、自己との果てしない対話の過程なのではないか。 その想いは日に日に強くなっていき、確信に変わった。 自分が書くべきこと、自分にしか書けない…

鳥海かなと
1か月前
17

哲学者から学ぶ、文章を書くときの心構え

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鳥海かなと
2か月前
3

言葉の硬度

00:00 | 00:00

スマホから初投稿です。 短時間で収録できるのよいですね。

鳥海かなと
2か月前
4

時空

自分が過去に訪れた建物の跡地を通ると、強い郷愁の念に駆られる。 かつて自分はあの何もない空間に存在していたんだな、という考えが頭を巡り、自分が自分ではなくなるか…

鳥海かなと
2か月前
5

執筆は夜の力を味方につけて

現在、深夜1時30分。 こんな夜更けに、なぜかnoteを書き始めてしまった。 特に書きたいことがあったわけではない。 理由はわからないが、夜はnoteが書きたくなる衝動に駆…

鳥海かなと
3か月前
11

久しぶりにnoteでつぶやいてみる。
同じつぶやきでも、Xでつぶやく時とは少し感覚が変わる気がする…!

鳥海かなと
3か月前
2

街を眺む

時折、視界に映る景色の千年前の姿を夢想する。 僕の眼前で威圧的にそびえ立つビル群は、たった百年前ですら存在しない。 ほんの短い歳月で、これだけの事業を成した先人…

鳥海かなと
3か月前
8

歩くことについて

今日はすこぶる執筆の調子が悪かった。 …ので、とりあえず何か書いて調子を戻したいと思い、いま思いついたことをそのまま文章にしている。 今日、関東は一日中雨だった…

鳥海かなと
4か月前
4

愛しの4冊のメモたちを眺めながら、紙のメモの魅力を考えてみた

先日、エッセイストの中村洋太さんとお話をしました。 その際、中村さんが特に強い興味を示されていたのが、僕が普段持ち歩いている4つのメモ(うち1冊は手帳)。 たしかに…

鳥海かなと
4か月前
33
くつひもを「結べる」のか「結ばされている」のか。

くつひもを「結べる」のか「結ばされている」のか。

最近よく、くつひもがほどける。

道の脇で身を屈め、これまで何百、何千回と行ってきた動作でくつひもを結び直す。その動作を行うたび、とある疑問に頭を支配される。

「なぜ自分はくつひもを結べるのだろう」

◇◇◇

くつひもを結ぶとき、僕は無意識に蝶結びを行う。だが「結ぶ」という動作は決して簡単な行為ではない。
「普段と輪の向きを反転させて蝶結びをしてください」と言われれば、多くの方は多少なりとも手

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図書館に住む巨人

図書館に住む巨人

図書館を歩いていると、自分という存在が揺らぐ瞬間がある。

書架に並ぶ本を眺めていると、その人類の叡智に圧倒され、瞬間、自らが世界のほんの一部分でしかないことを自覚する。

これは浜辺から大海原を眺める、あの感覚に酷似している。

私たちは普段、何の疑念も持たずに自らの存在を中心に世界を捉えている。この感覚があまりに当然すぎて、普段は「自分を中心に据えている」意識すら感じない。

世界という舞台に

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日曜日の歩き方

日曜日の歩き方

道行く人の歩き方を見るのが好きだ。

何気なく「歩く」と一括りにされる行為でも、よくよく観察すると、その動作は千差万別である。

スタスタと速足で歩く人、ゆっくりと踏みしめるように歩く人、大股でズンズン歩く人。

街によって歩き方に特徴があるのがまた面白い。

何が歩き方に特徴を生むのだろう。

それを考え始めると、決まって「目的」という概念に思考を巡らせてしまう。

目的の有無は歩き方に影響を与

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土を踏む

土を踏む

今日はなんとなく、気持ちが落ち込んでいた。

なので、土を踏める道を選んで歩くことにした。

僕が普段歩く道は、舗装された道ばかりだ。

舗装されている道は歩きやすいのだが、その歩きやすさゆえ、つい歩みを速めてしまう。

普段は嫌ではないのだが、今日に限っては速足で歩かされるのは御免だった。

土の上を歩くとき、僕の歩みは自然とゆっくりになる。

単に歩きにくいからか、普段味わえない感覚をじっくり

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疑わしき この世界

疑わしき この世界

昨日の夜23時。

僕は晩ごはんの準備をしていて、牛肉を中火でじっくり焼いていた。
牛肉にはコゲが付着し始め、そろそろ火を止めるかと思ったその瞬間、脳内で唐突に思索が始まった。

◇◇◇

幼き日の体験がフラッシュバックする。
そこは、地元にある個人経営の焼肉店だ。

ちょっと良い値段がして、日常的に通える店ではない。我が家では忘年会で、この焼肉店に行くのが慣習になっていた。そこで、毎回のように親

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【思索の記録 #1】「結論から述べなさい」に感じる違和感について

【思索の記録 #1】「結論から述べなさい」に感じる違和感について

「結論から述べなさい」が現代における基本となっている
プレゼンテーションやビジネスシーンなど

結論から話すことの目的は?
→相手にわかりやすく伝えること
→聞き手・読み手に苦労をかけないこと

↳人間、苦労しないことに慣れると、苦労することはしたくなくなる。
難解な文章を読んだり、散乱した話を解釈していくことが億劫になる。

「結論から述べるべき場面」と「結論から述べる必要のない場面」を判別する

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やっぱりカフェが好き日記

やっぱりカフェが好き日記

今日はてんでダメな日だった。

いや、違う。

正しくは「今日 "も" てんでダメな日だった」だ。

お盆が明けてから、ダメな日が続いている。
僕は家だとまったく集中できないため、普段は外に出てカフェで作業をすることが多い。

読書や勉強はかろうじて家でも集中できるのだが、デジタル機器が絡む作業はさっぱり。
言わずもがな、無限ネットサーフィン編に突入してしまうからだ。

今日は日中に家で用事があり

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わたしの心を守ってくれる内省の思考法

わたしの心を守ってくれる内省の思考法

自分がnoteで記すべきは、自己との果てしない対話の過程なのではないか。

その想いは日に日に強くなっていき、確信に変わった。

自分が書くべきこと、自分にしか書けないこと、自分が人生で成したいこと。
そんなことを考えていると、決まって、僕という人間の特徴は「内省」だという結論に至る。

逃れられない苦痛や辛い経験に、内省を通じて何らかの意義を見出すことで、僕は心を守ってきた。

「あの辛い経験も

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言葉の硬度

鳥海かなと

00:00 | 00:00

スマホから初投稿です。
短時間で収録できるのよいですね。

時空

時空

自分が過去に訪れた建物の跡地を通ると、強い郷愁の念に駆られる。
かつて自分はあの何もない空間に存在していたんだな、という考えが頭を巡り、自分が自分ではなくなるかのような感覚を覚える。



その昔、足しげく通っていたボウリング場が取り壊された。
ボウリング場は、たしか5階くらいに入っていた気がする。

数年の歳月が経過し、更地になった空間の5階ほどと思われる高度に目をやる。
すると、幼い自分が球

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執筆は夜の力を味方につけて

執筆は夜の力を味方につけて

現在、深夜1時30分。
こんな夜更けに、なぜかnoteを書き始めてしまった。

特に書きたいことがあったわけではない。
理由はわからないが、夜はnoteが書きたくなる衝動に駆られるのだ。

「深夜テンション」という言葉があるが、たしかに夜は日中と比べておかしなテンションになりやすい。実感としては極めて微弱なほろ酔いの状態に近く、考えていることを話したい欲求も強まるのかもしれない。

僕は日中、かな

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久しぶりにnoteでつぶやいてみる。
同じつぶやきでも、Xでつぶやく時とは少し感覚が変わる気がする…!

街を眺む

街を眺む

時折、視界に映る景色の千年前の姿を夢想する。
僕の眼前で威圧的にそびえ立つビル群は、たった百年前ですら存在しない。

ほんの短い歳月で、これだけの事業を成した先人に感服するばかりである。
しかし同時に、世界のなんと儚いものか、という感情が生まれてくる。

この街が栄え、衰退するまでの時間も、この世界にとってはほんの一瞬の瞬きに過ぎないのだろう。
そんなことを考えていると時間とは一体何なのだろうな、

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歩くことについて

歩くことについて

今日はすこぶる執筆の調子が悪かった。
…ので、とりあえず何か書いて調子を戻したいと思い、いま思いついたことをそのまま文章にしている。

今日、関東は一日中雨だった。
ほぼ毎日カフェに出勤する僕も、さすがに今日は雨の中移動する気持ちにならず、家で過ごすことにした。

僕は家で作業することがすこぶる苦手であり、今日の不調は案の定、という感じである。

なぜ家での作業が苦手なのか、それはコロナ禍で家から

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愛しの4冊のメモたちを眺めながら、紙のメモの魅力を考えてみた

愛しの4冊のメモたちを眺めながら、紙のメモの魅力を考えてみた

先日、エッセイストの中村洋太さんとお話をしました。

その際、中村さんが特に強い興味を示されていたのが、僕が普段持ち歩いている4つのメモ(うち1冊は手帳)。

たしかに、スマホですべてを完結させていた数年前の自分に、
「君は数年後、紙のメモを4冊持ち歩くようになってるよ」と伝えたら、「そんなバカなw」という反応をすると思います。

だって、遅いし、重いし、かさばるし、スマホで完結させた方が楽で効率

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