日曜日の歩き方
道行く人の歩き方を見るのが好きだ。
何気なく「歩く」と一括りにされる行為でも、よくよく観察すると、その動作は千差万別である。
スタスタと速足で歩く人、ゆっくりと踏みしめるように歩く人、大股でズンズン歩く人。
街によって歩き方に特徴があるのがまた面白い。
何が歩き方に特徴を生むのだろう。
それを考え始めると、決まって「目的」という概念に思考を巡らせてしまう。
目的の有無は歩き方に影響を与えるというのが、僕の仮説だ。
分かりやすい例で言えば、平日の朝。
ほとんどの方が急ぎ足で、「職場に向かう」という目的を持った歩き方をしている。
また、時間的な制限が多いのも平日の特徴だろう。
「時間を守る」ことも、大切な目的だ。
これに対し、日曜日の歩き方というものがある。
目的なく、ぶらぶらと「歩いて」いるだけの歩き方。
例えば、子どもと一緒に歩いているご家族。平日のように、スタスタと歩く人は見たことがない。
家族と歩いている時間そのものに集中している歩き方だ。
「ある場所に到達する」という目的はあれど、目的よりももっと大切なものを感じている歩き方。
そんな歩き方を見ると、
「ああ、日曜日だなあ」と実感する。
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